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第3話
「お主、それは、儂を拒まないということか」
その問に、桃太郎は熱に浮かされた表情を崩さない。ほんの少し間の後、桃太郎は目をふっと細めると、その柔らかな唇を棟梁の手に軽く押しあてた。
「貴方も、私を拒まなかったじゃないか」
抱きしめたのが、私邸内で良かったとも鬼の棟梁は思った。桃太郎を抱え、寝台にその小さな体を沈めるまで時間はかからなかった。有無を言わさず華奢な顎を上げさせ、その可憐な唇に己のそれを押し当てた。男盛りとはいえ、何故こんなにも急いているのか、鬼の棟梁は自分を責めた。頭の中ではもっと紳士的に振る舞うつもりで、このように勢い任せな口付けをする予定ではなかった。気が付けば桃太郎が、己の胸を叩いて息苦しさを主張するまで、鬼の棟梁はその可憐な唇を蹂躙していた。
眉を歪め肩で息をする桃太郎を哀れに思いつつ、どちらのものとも分からない唾液に濡れ、唇の端から伝わせるその様は、鬼の棟梁の欲望に火をつけるのには十分であった。
「す、すまない。嫌だったわけじゃ、ないんだ。ただ、息が、できないと思って思わず……」
「こういう時は鼻で息をするんだ」
「あ。……そうだな。何でそんな簡単なことに、気が付かなかったんだろう。駄目だな、私は、頭がぼうっとしてしまって、うまく考えられなくなってしまった」
桃太郎は口寂しいのか己が指を下唇に乗せ、上唇で食んでいた。恥じらう姿を目にして、鬼の棟梁は唇だけに飽き足らず、その幼い口内の隅から隅まで味わいつくしてしまった。肉厚な舌で小さな舌を絡めとり、若く鋭利な歯の一本一本に舌を這わせる頃には、桃太郎が己の体の下で太ももを、もぞもぞと動かしていたのを感じていた。それを受け、自身も下腹部に熱が溜まっていった。
唇を離すと、二人の間を銀の糸が伝う。糸はぷつりと切れ、桃太郎の首筋に落ちる。桃太郎は涙を浮かべ、ただただ、腰に集まった熱を分散させようと下半身を動かしていた。
しかし、大人によって暴かれた少年の欲が、その程度で発散するはずもなく、鬼の棟梁がしつらえた下衣には、誤魔化しようのない情が滲んでいた。
「助けて」
弱弱しいその声にこたえるべく、剛腕が少年を露わにした。衣擦れにも反応してしまうのか、その度に小さな嬌声が上がる。最後の砦も取り払ってしまうと、勃ち上がったそれが眼前に晒される。穢れを知らない桃色の先端からは、透明な雫が滲み、性器全体に伝っていた。若く成熟の途中にある男根の下には、形の整った双玉が覗く。
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