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第6話

 そして、祭りの日の今日。桃太郎は寝ずに鬼の棟梁の帰りを待っていた。 「今日は、祭りの日だったのだろう。特別な、日だったのだろう」 「そうじゃが」 「私が、今日をあなたにとって特別な日にしたかった。だから」  今日は、貴方のしたいようにしてほしい。  桃太郎はそう言って、己が身を差し出した。  自らが誂えた寝衣を剥ぎ取り、鬼の棟梁は桃太郎を生まれたままの姿にする。桃太郎が身構える度に、彼の菊座からは、とろりとした粘液があふれ出した。そこからは、鬼の棟梁が使っていたぬめり薬と同じ匂いがする。  それは、すなわち桃太郎が鬼の棟梁を受け入れるために、自ら不浄とされる穴を慣らしてきたということに他ならない。  鬼の棟梁が生唾を呑んだのが分かったのか、桃太郎も顔に恥じらいの色が浮かぶ。 「ひどく破廉恥なことをしていると思う。軽蔑、しただろうか」 「だったら、こんなことにはなっておらんだろうな」  鬼の棟梁も、桃太郎と同じように絹一つ纏わぬ姿となった。そうすると、桃太郎の眼前に、臨戦態勢となっているそれが現れる。これまで自身の口内を犯し、これから自身の胎内を蹂躙しようとしている逞しい肉棒。自身のそれとは違い、色素が沈着し、凶悪な形をしているそれを見て、今度は桃太郎が生唾を呑んだ。 「何度見ても、立派な……。これが、今から、私の中に、入って」 「そうじゃ。これがお主の中に入って、かき回してやる」 「耳元で、囁かないでくれ。腰が、砕けそうだ」  桃太郎は、鬼の棟梁の声に弱かった。特に耳元で囁かれると、腰に甘い痺れを感じ、もうどうにでもしてくれという気持ちになってしまうのだ。 「どうせ、入れたら砕けるんだから、同じじゃろう」 「駄目だ、想像してしまう」  棟梁は、己の剛直を桃太郎の華奢な手に握らせた。膨れた血管、熱量、脈動が掌から伝わり、桃太郎の呼吸が荒くなる。

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