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いただきます*
その夜、二人は三日ぶりに同じベッドに入る。
柔らかなキスと、杜月の身体をなぞる在咲の指先。
優しい在咲の手つきが、杜月の体温を上げさせていく。
「ん、んん……っ在咲、ありさっ!やめ、あぁっ……」
指で十分拡げた後に、ゆっくりと在咲の熱が分け入る。
ピタリと触れ合う中で、しばらく動かないまま在咲は杜月の呼吸が落ち着くのを待った。
「杜月、なんか今日熱いな」
「あ……ありさの血、いっぱい飲んだから」
在咲の血液を摂取した日の性行為は、普段以上に感じてしまう。
杜月は初めてそう感じた日から、食事をした日は必ず在咲を誘うようになっていた。
快感に貪欲な杜月の事を、在咲は口にこそ出さないが可愛らしいと感じていた。
「あぁそっか、飲んだ日はいつもより気持ち良さそうだもんな」
あえて小馬鹿にするように、在咲は杜月の耳元で囁く。
「すごい、っあ、ドキドキしてる……身体、あっつい……ど、しよ、うぅっ! も、出る、っ!」
在咲が動き始める前に、杜月は控えめに吐精する。
徐々に増していた締め付けが一段と良くなり、在咲はハッと笑いながら息をついた。
「杜月、そんなに我慢出来なかった? こんな可愛いとこ見せられたら、優しくなんて出来ないよ」
片方の口角を上げ、在咲が意地悪そうに杜月に告げる。
普段柔和な笑顔を見せることが多い在咲とのギャップに、杜月はまた自分の体温が上がるのを感じた。
「いいよ……っ、やさしく、しなくて」
鬱陶しく纏わりつく前髪を分け、杜月は在咲にそう返した。
先程まで羞恥で顔を赤くしていた杜月が、一変して艶やかな表情を浮かべる。
少し余裕すら感じる、その淫靡な雰囲気。
決して強がりでははなくて、本心からそう思っていた。
どうせ明日は休みなのだから、このまま頭の先からつま先まで、全部食べて欲しい。
「動いて、在咲」
強請る杜月の声に、在咲は笑みを浮かべた。
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