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三初はそのままもう一度、抜ける寸前まで引き抜く。
そして甘く解けきった媚肉を、初めのスローな挿入はどこへやら、大きなグラインドで一突き一突きを深く責め立て始めた。
「あぁっ……はっ……あ……あっ……ぁあ……っ」
ぬちゅっぷちゅっと結合部から漏れる粘液が泡立つ音と、タンッタンッとリズムよく尻肉を叩かれる音。
それに俺の内臓がせりあがる圧迫感に嗚咽と喘ぎ声が混じり、静かなオフィスに響き渡る。
あぁ、気持ちいい。やばい、やばい。
ハマる、これは。このままイキたい。この気持ちいいまま、イキたい。
でも、これだけじゃ……イケない。
「あ、あっ、ん、ぁっ」
もどかしい気持ちと、決定打になるほど未だ溺れきれていない胎内を穿たれる快感に蕩けた脳の思考は、激しい抽挿と共に、どんどん単純化していく。
まるで自分の下半身が、中の肉棒ごと一つの生き物になっているようだ。
「みっ、みはじめぇ……っ」
「っ……ふ」
その感覚に溺れ切るのが怖くなって、目の前で俺の中を楽しむ、無駄に綺麗な容貌を呼ぶ。
俺が呼ぶと、三初は汗を滲ませ妖艶な色気を漂わせながらも意外にもすぐに気がついて、俺の硬めの短い黒髪を雑になでた。アホ、そうじゃない。
馬鹿みたいにずっと愚直に尻に力を入れてイキんでいるから、胎内はくっぱりと柔らかく開いて馴染んでいた。
初めて男に抱かれる窮屈さはなく、俺の内部は、ただひたすらに未知の律動を受け入れる肉の穴と化す。
「あ、うっ、三初、ひっ……あっ、これやべ、って、んっ、う……っ」
「はっ、きもちぃっ……?」
「ん…んっ……! んっ……!」
グチュッ、と粘膜を擦りあげられるたびに、自分の腹の中で入り込んだ三初が大きくなっていくのがわかる。
だけど、俺の陰茎はギシッギシッと軋むチェアーの音に合わせて腹の上を踊りながら、腫れたまましくしくと泣いていた。
イキたいのにイケない。
慣れた快楽がないと。今の俺はまだ、男に抱かれてイク方法がわからない。
「も、ぁ……ってぇ……っ」
俺は自分ではどうにもならなくて、汗も唾液も拭えないまま零す快楽でくしゃくしゃの顔で、ほんの一筋、涙を伝わせてしまった。
悦に入った表情で俺を眺めながら犯していた三初が、びっくりした様子で首を傾げる。
たった一粒の生理的な涙だ。
動きを止めてこちらを見つめる三初に、俺はビクッビクッと痙攣しながら舌を震わせて、喉の奥をヒク、と引きつらせた。
「なに、どうしたんですか? 今更、イテェの? 先輩?」
「三初、頼む……さ、触れ……っ俺、中だけじゃ、イケねぇよ……だからっ……触って、みはじめ……っ俺の、も、頼むから」
「っ」
「おねがい……」
掠れた声で懇願した途端、トクン、と中のモノが脈打ち少し大きくなった。
手が動かせたら、きっと自分で自慰に耽りながら、体内を犯される快感に酔いしれていただろう。
でも、今の俺は身動きも取れず、体は三初のおもちゃのように所有権を奪われている。
必死になって強請るしかねぇんだ。
ずっとイキんでいた尻の筋肉を、真逆にギュッと締めて、中の三初に媚を売る。
開きっぱなしだったア✕ルは、ようやく呼吸ができたようにきゅうきゅうと喜んで締まり、目を瞑っても形がわかるほどきつく締め上げる。
三初が一瞬息をつまらせ、眉をしかめながらビクン、と体を震わせた。
俺は反撃ができたようで、嬉しくなってしまう。
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