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 そうやって頭をなでられ、仕返しになで返したりして、アホみたいなじゃれあいをしながら呑気に進むランチタイム。 「あ?」 「シュウのスマホだぞ」 「俺か」  いつもどおりの空間に間抜けな通知音がポキポキ、と鳴り、俺はテーブルに置いていたスマホを手に取ってメッセージを確認した。  送り主は──中都。  いつ連絡先を交換したかというと、再会した次の週の休みに、中都が勤める服飾店へ顔を出したのだ。  いや、だってあんな別れ方したし、放置するのはなんか気持ち悪ィだろ?  三初が強引に話を終わらせたとは言え、アイツは俺の後輩だからな。  そんで中都も俺の後輩だ。  蔑ろにはできない。  ってわけで、言われた名前の店を探して会いに行き、連絡先を交換して、ついでに飲んで帰ってきた。  それ以来、ちょこちょこ意味があったりなかったりするメッセージがくる。  おしゃれだとかはわからないが、中都は文字でも騒がしくて飽きはしない。俺は絵文字も顔文字も使わねぇけど、ちゃんと楽しんでるぜ。 「ん、あー」  中都から届いたメッセージは『明日の昼とか店来ないっすか? 社割でクッソ安く買えるんで先輩に似合いそうな服あげますよ!』。  明日の昼。  今日は金曜なので、つまり土曜の昼間だ。  そういえば格安で買えるからって調子に乗って買った服がたくさんあるらしく、俺にも着れそうなやつを譲るって言ってたな……。  しかし前述のとおり、俺はファッションに興味がない。  最低限浮かない程度の服装を適当に着ているので、色味は変化するがいつも同じような雰囲気の服を着ている。  着こなせないから別にいらねぇって言ったんだけどな。  中都はそういう強引なところがある。  大学時代もそうだ。それで一度眠る俺にとんでもないことをしでかしたかんな。  既読をつけたままうーんと悩んでいると、返答に困っていると伝わったらしく、再びポキポキと通知音が鳴った。 『スタッフと仲良くなって貰った下のワッフル専門店の無料券、あげるっす』 「…………」  目視、数秒。  トトットッ、とメッセージを打ち返す。 『十二時に行く』  ……別に、甘いものに釣られたわけじゃねぇからな? ただ貰えるものは貰っておこうと思っただけだからな?  誰にでもない言い訳をして、モグモグとジャムの甘さを堪能した。チョロいって言うな。臨機応変と言え。  そうしてワッフルを思い心持ち浮かれた俺が、背後から忍び寄る大魔王の降臨に気づくわけがないのだ。 「クソチョロ先輩、また甘いものでホイホイされてんですか」 「ンぐッ!?」 「あ、ミハ」 「こんにちは、周馬先輩」  突然聞こえた聞きたくもない声に驚き、うっかりジャムパンが喉に詰まりかける。おいそこ! 人が死にかけたってのに呑気に挨拶してんじゃねぇぞこのマイペース共め!  ドンドンと胸を叩いてから振り返ると案の定、そこには嫌味なイケメンクソドS野郎──三初が立っていた。

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