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「ッく、……ッ、……ゔッ、……ッ!」  三初の手が薄いゴムを纏った屹立を包み、強弱をつけて再度扱き始めると、より快感が増して腰が椅子から浮かんだ。  可動式の骨組みが軋む。  人にされるほうがマズイ。しかもこんな暗闇で。頭の奥が痺れてきた。  ヴヴッヴッヴヴヴッ、というランダムなバイブ音が肉や骨を伝い、体の中から鼓膜を揺らす。 「ぅ…く、……っん…ふ……、ッ…んッ……んッ……」  ちくしょう。  三初の野郎、わかってるくせに。  そんなに強く中を叩かれると俺はもうダメになるんだってことを、知ってるくせに。──この、ドS暴君が……ッ!  頭ではそう思っている。  筋金入りの意地っ張りな俺だ。  心は折れず、底意地の悪い性悪なドラ猫に死んでも従ってなるかと反抗心が燃え盛っている。 「……く、ん……、ッ…んッ……ふ……ッ」  けれど調教された体は、目先の快楽にゴマをすって媚びを売るのだ。  俺は無意識に三初の命令通りに内壁を収縮させ、小ぶりなローターでも満遍なく締めつけられるよう筋肉を動かしていた。 「……っ……んっ……」  下手に動いて人に気づかれないよう裏筋や反りをクチュクチュと扱く手に身を委ね、追いかける。  薄目を開けて呼吸を乱し、声だけは殺して三初の手に吐き出す。  声を出せない状況で、人に見られるかもしれないと思いながら淫行に耽る自分が、死にたいくらい恥ずかしい。  だがそう理解しながらも三初に身を任せると、どうしたことか、性感帯の感度が上がっている気がした。  ──チッ……アホらしい。  気のせいに決まっている。  俺は羞恥に興奮するマゾじゃねぇ。  反抗心がムクムクと頭をもたげると、不意に尿道口へ僅かに指先を挿入されて「ヒ……ッ」とうめき声が漏れた。エスパーめ。 「ぅ…っ……ふ、…ん……っ」  やけになって内部の刺激に集中すべく、俺は元々窮屈な直腸内を蹂躙するローターを三初の教えの通りに襞で包み込んだ。  キュッ、キュ、と強弱をつけて締め上げるが、ローターは抽挿なんてしない。  大きさも太さもそれほどない上に完全に全長が俺の中に入り切っている無機質なモノを、どうやって扱えばいいのか。 「はっ…、みは、じめ……っ」 「なに……?」  俺が困り果てて小さくくぐもった声で名を呼ぶと、三初はすぐに俺の耳元を甘ったれた声で濡らした。  嘲るような冷淡さを含む言葉ばかり吐くくせに、どんな小さな声でも聞き逃さない。  そういうところが腹立たしくて、……愛しくもある。 「な…か……どうしたら、っ……?」 「フッ……ローターをね? 奥に誘ってみ? 括約筋じゃなくてもう少し内側の筋肉を使って……そうだなぁ……後ろでローターを食べるイメージですかね……」 「ンなの、っ……出せなくなる、だろ……っ」 「大丈夫ですよ。ちゃんとゴムに結び目作ってあるから、引っ掛けて出してあげる」 「ん、ふッ……!」  口答えは許さないとばかりに強く口元を塞ぎ直され、一瞬呼吸が詰まった。  グッ、と後頭部が三初の体へ強かに擦りつけられる。  挙句にゴムの中を先走りで濡らす肉棒をスローペースに擦って、催促された。  これ以上奥に誘ったりなんかして取り出せなくなったら、という恋人様の不安は一蹴だ。コイツは本物のクソ野郎だぜ。  それでも興奮は拭えない。  性感は確実に高められている。  もっと強く激しく扱かれたら、あっけなく吐精してしまいそうなほど。

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