400 / 415

15※

 三初は内部を犯しながらくったりと腹の上で跳ねる肉茎を掴み、濡れた先端を指先で擦る。 「ヒッ…ぁッ…み、みはじめぇ……いやだ、いや、だっ……」 「嫌じゃない」 「だめだ……っ俺そこ、だめ、だめだってぇ……っ」  ヌト、ヌト、と擽るようにそこを擦られると、溢れてしまう癖があった。  左右にユルユルと首を振ってボロボロと泣きながら、ダメ、ダメ、と訴える。  それでも三初は止めてくれるわけがない。  俺がダメだと言うのが、気持ちよすぎるからダメだ、ということを、誰よりもよく知っているからだ。 「ぁっ、あ、ひ、ぁあ、あぁっ」  いやらしい水音を奏でて中をかき混ぜられながら、肉棒の先端を揉みしだかれる快楽。  肌が汗でヌメり、気を抜くと足を離してしまいそうで、俺はいっそう首を振って涙する。 「手ぇ、離すの、っひ、やだ、いやだ、ぁっ」 「ふっ……離したら、終わりにするんですよ? ココから潮吹かなくて済むから、先輩嬉しいんじゃないの? ね?」 「ぁ、いやだ、終わん、なっで、ンぅ…っ」  バカになってしまうのは、いやだ。  だけど三初が俺の相手をやめてしまうのは、もっといやだ。  どちらも嫌で選べないまま、枯れた精子を置いて湧き上がる淫液が、上り詰めていく。  筋くれだった怒張が小刻みに抽挿を繰り返し、前立腺を的確に刺激しながら、指は巧みに俺の肉茎を追い詰めた。 「責任取るの、やめる?」 「ん、違う、ぅう……っでも、あぁ、あ、ぁ」 「違う? ほら、でももう、先輩出しちゃうでしょ?」 「ぅ、っん、俺、イク……っ出る、出たら離す、いやだぁ……っ! お、終わりに、なる、ひ、っぁ、あぁ……ッ」  泣きべそをかく俺が逃れることを許さない。  最後まで付き合わせようと、俺が離そうが三初は離さないと、関係ないのだとわからせた。 「おれ、はなすの、いや、」  グリュッ、と自分の腿に爪を立てて、ゴロついた涙声で鼻を鳴らしながら足にしがみつく。 「は、……俺だって、嫌ですよ?」  俺が限界を訴えるにつれてハイテンポになる抽挿の合間、三初は吐息混じりに俺の目元にキスをした。 (いや? 三初も、嫌なのか? それは、なにが、なんで、) 「あひ、ッ、ひぅ、ぁぁッ」  言葉の意味を考える回路は、ズチュッ、と直腸の突き当たりを不意を打って抉られ、焼き切られる。 「ひぃ、いやだ、お願い、出るの、いやだ、あっ、あっ、ぁっ」  頭がおかしくなりそうだ。  俺、本当に変になる。本当にだめ。 (ほんとに、だめなんだ、だめだから、出たら、ぁああ、いやだ、出るのいや、ぁあ、あ)  嘘。もうとっくに頭がおかしくなっていた。  内側から襲いくる電流のような快感と、一番弱い粘膜からもたらされる失禁してしまいそうな瘙痒感。  喉を震わせて狂ったように頭を振り、奥深く貫く肉棒を締め付けて、弾けそうな絶頂から逃れようと喘ぐ。 「おれ、ひっ、恥ずかしい、んぁ、ぁあっ」 「くく、恥ずかしいんですか? そうですねぇ。ベッドびしょびしょにして、泣いちゃいますもんね」 「うっ、うぅ、見ないで、ぁっ、ひっ見るなよぉ……っ」  嘲笑と愛撫とケダモノじみたセックスに溺れて、ひんひんと鼻を鳴らした。

ともだちにシェアしよう!