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番外編⑤ チョコレート・ジェラシー

 ※交際後関係(本編無関係)  ホワイトデーですが、紆余曲折あってバレンタインネタを書きましたぜ。  大きな心でお楽しみいただけますと感謝感激雨kあやめて打たないでチョコレート捧げますので許してぇッ!(許さない)  バレンタイン。  デスクにチョコが置いてあった。  つってもチョロルチョコ一個だけどよ。でも俺の好きな種類なんだよな。  ちょっと嬉しかった。  しばらくポケットに入れておいた。若干溶けた。ちくしょう。体温高めの俺。  そんなわけで午後の作業が一段落した俺はチョコを食ってニマついていたわけだが、その俺を無駄にニヤニヤとチラ見していた隣のデスクの竹本が、ふと「ヒェ」と声を上げて目を逸らした。  ンだよ。失礼な竹本だな。  人のニヤケ面笑った上で悲鳴あげるなんざ同期の風上にも置けねぇ。 「先輩、引っぱたいていいですか?」 「逆に聞くけどいいと思って聞いてんのか? 後輩」 「もちろん」 「よしわかった。己の顔面に軌道を修正して死ね」  ──なぁんて考えていた俺は、逆隣のデスクから更に失礼なセリフが飛んできて秒でどうでもよくなった。  テメェは毎秒セルフビンタしてろ。  そしてもげろ。首もげろ。  これが相棒で恋人だなんて世も末だ。  人様がささやかな世界の優しさと甘さに酔いしれてたってのに、コイツ──三初は、いつも突然シラフに戻す。  俺は青筋を立ててガルルと睨みつけるが、三初は反省のはの字もなくスルーし、涼しい顔でデスクに肘を着いた。  コノヤロウ。  フルスイングで引っぱたくぞコラ。 「チッ……なんの用だよ御無礼キング」 「別に? ただ先輩の顔があまりにも性犯罪者だったんで通報するか引っぱたくか熟考した結果があれ」 「誰が性犯罪者だ凶悪犯! つか熟考してビンタかよ! しかも二択かよ! 普通もっと選択肢あるだろそっとしとくとか理由聞くとか!」 「だぁからそっとしてたし聞いたでしょうが」 「テメェがしたのは質問じゃねぇ。理由聞けって言ってんだよッ」 「じゃ、なんでそんな怒ってるんですか」 「誰が怒りの理由聞けって言ったんだ日本語不自由かコラァ……ッ! 知りたきゃ鏡見てこいコノヤロウそして一生帰ってくんなコノヤロウテメェのデスクは今日から洗面台だぜ三初ェ……ッ!」 「どうでもいいけどチョコついてますよ」 「む゛ッ!?」  顎ごと頬を掴まれたかと思うとガブッ! と唇に噛みつかれて、チョコがついていたらしいあたりをベロンと舐められた。  隣でゴン! と音が鳴った気がするが気のせいだ。  つか溶けたチョコ食べたからついてたのはしゃーないとして、噛む必要性がどこにあったんだコラ。普通に言えアホ。  あっさり離れた三初は、べー、と舌を出す。お前マジで常に失礼だなッ!

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