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第3話
言っていることの半分も理解できない。
多分日本語だと思うのだけど、違うのかもしれない。
目を見開いたまま首を傾げると、グラシーモは仕方がないといった表情をして、オレを容易に抱き上げた。
かなり身長も体重も平均よりあるオレをやすやすと抱えたということは、半端ではない力持ちである。
「光栄過ぎて言葉も出ないか。それも仕方があるまい。人間風情が我が眷属になれるのだからな。しかし、魔法陣の構成を誤ってこの世界に来てしまった、我はこのままでは独りきりとなってしまう」
何もかも信じられないが、グラシーモは酷く悲嘆の表情を浮かべている。
魔法陣とか、眷属とか、魔王とか怪しい言葉が羅列しているが、唾液を飲んだだけで身体が動くようになっている事実もある。
それより、オレは死んでいるのだろうかという大きな疑問があり、胸元をさぐるが、確かに指先に鼓動は見つからない。
「死ぬのは嫌だけど、実際のところ死んでいるんだろ?オレは」
問いかけると、グラシーモは驚いたようにオレを見下ろした。
「我が術式は完璧だ。おぬしは生き返っている。まだ力を完全には与えていないから、体の動作がままならないだけだ」
「力を完璧に与えてくれないのか?」
「だから、子種をやれば、自由に体を動かすことができるようになるのだが.........。まだ、お主にはそれを吸い上げる力も備わっていないのだ」
オレのことを慮るような口調だが、早いとこ体を動くようにして、こんな厨二病な男とはおさらばしたいとばかり考えている。
子種って、まさか、ザーメンのことじゃあねえよな?
なんかの種だよな。
ちょっと不安になりつつ、グラシーモもを見やるとまだ早いかもしれんといいながら、股間をまさぐりはじめている。
いやいや、いやいや。
ひまわりの種だよな。
股間にひまわりの種を隠しもっているだけだよな。
オレは嫌な予感でいっぱいになり、グラシーモの顔の前に手を翳した。
「多分まだ、吸い付く力はないかも」
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