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第5話
さあ、とか言われて非現実なたわわに実っている肉を目の前にして、思わず口を開いている自分自身が信じられない。
ふわりと香る匂いが、たまらない甘さを伴い、唇からダラダラと唾液が溢れて、喉を鳴らして飲み込んでも追いつかない。
な、なんだ。
この状況は。
有り得ない。
銜えてしまいそうになる条件反射を、すんでのところで堪えて首を左右に振る。
「い、イヤだ……こ、こんな……」
こんな人間じゃない男のイチモツを咥えるだなんて。
いや、人間でもイヤだ。
綺麗な男だというだけ、まだ、マシなのだが。
必死に重たい首を振るが、身体はその甘い香りにそそられてしまっているのか、息をする度に食いしばっている唇が緩みそうになる。
「……本当に嫌だと思っているのか?そんな物欲しそうな顔をして……」
ドラッグには手を出したことは、数え切れないほどあるが、こんなに自分の意志まで捻じ曲げられるようなものはなかった。
唇が引き寄せられるように、堅い肉茎の皮膚へと吸い付き、ヒトのものより硬質でなめらかな膚から滲む体液を舌ですくう。
脳まで痺れそうな強い甘さで、体の中から蕩けてしましそうだ。
イヤだと思う拒否反応も、全てその香りと痺れに支配されていく。
「そうだ。大きく顎を開いて、吸いあげろ」
オレの髪を大きな手のひらで撫で、あやす様にいいこだと告げられると、足の先まで弛緩してしまい、赤ん坊のような感覚で口に含んだものをちゅぱちゅぱと吸いあげる。
「……ふむ。悦いな。憎悪に満ちた死に顔を見た時から思っていたが、やはり、お主は我の好みの悪辣な顔をしていて可愛らしい」
グラシーモのディスってるのか、褒め言葉か分からない言葉を聞いて、優しい手つきで身体を撫でられ、下半身が焼けるように熱くなってくる。
確かに、オレは見た目は良くはないし、目付きも悪いし眉毛も薄い。ちなみに、女にはモテた覚えはない。
魔王というくらいだ。美的感覚は、かなりズレているのだろう。
「死神からかっさらってやった甲斐はあるな」
くくくと笑って、グラシーモはオレの腹の下当たりをゆっくりと撫でる。
「子宮が定着したら、ゆっくり子作りをしよう。さあ、最初は上から飲み干していいぞ」
口に含んだ尖った肉の先が震えて、どくんとバニラの匂いのする生クリームが口にいっぱい吐きだされ、ごくんと飲み込む。
身体がガクガクと震えて、ふわりと浮遊感を覚えたと思った瞬間、重たかった感覚が吹き飛び、指先まで自由に動く感覚が戻る。
唇から、グロテスクな肉塊を引き出されて、ふわりと微笑みを投げかけられる。
「美味しいか?これがコレからお主の糧となるものだ」
「お、おいしい……」
もうイヤだと頭では思っているのに、逆らえずにその肉についているクリームの舐め残しを、オレは必死に舐めとり始めていた。
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