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第6話
本当にオレはゾンビのようで、グラシーモの与えてくれる体液なしでは、身体を動かすこともできないようだ。それどころか、摂取し続けなければまた、死体に逆戻りしてしまうらしい。
一度死んでいても、不思議なことに死ぬことは怖いものだ。
オレはすっかり逃げる事は諦めた。
まあ、グラシーモの体液は不味くはないし、甘くて脳までハッピーになれるドラッグに似ている。
それに、この生活は割と心地よい。
グラシーモは、手から金銀宝石を作り出すことができ、質屋に流せば金には困らない。
きちんとした服を着せて歩けば、グラシーモは痛くても華麗な男である。
周りの注目を浴びてなんとなく優越感を味わえる。
ということで、グラシーモをハイヤーに載せて銀座へとショッピングに出かけた。
「我が妃よ、こんな鉄の籠に乗るより、我の転移術の方が速かろう」
無駄な時間を過ごすのが嫌なのか、グラシーモはイライラとしている。
勿論そんな転移術など使ってショッピングなど出来やしない。
「グラちゃん。これはハイヤーという乗り物で、グラちゃんみたいな高貴な男が威厳を示す為の乗り物なんだ。だから、オレは妃として夫がこの乗り物に一緒に乗って、街を巡りたいんだけど」
グラシーモは、オレが夫扱いをすると、嬉しいのかとても調子に乗る。
普段は隠すように言っている悪魔の尻尾がぴょこりとはみ出てフリフリしているくらいだ。
「そうか。妃が喜ぶなら仕方があるまい。心地よく眠れる寝具を一式揃えよう。ああ、早く子作りしたいものよ」
浮かれているグラシーモだが、オレは最後の一線は許してはいない。
グラシーモの話によれば、すでに子宮は俺の胎に出来ているらしいが、そんな恐ろしい事はできないので、色々と誤魔化して回避している。
寝具が気に入らないと言って、こないだは拒否したので買いに来ることになったが、そろそろ年貢の納め時かもしれない。
最近じゃ、グラシーモのこともだんだん可愛く思えてきているのもあるしなあ。
ハイヤーが止まり、グラシーモはドアを開いてオレの腕をとると、恭しく引き寄せて車の外へ連れ出してエスコートする。
お姫様じゃあないんだけどな。
オレはただの柄の悪い男に過ぎない。
「わ、金崎じゃね!?こないだ、誰かが殺したとか吹いて回ってたぜ。生きてるじゃん!!」
銀座には似つかわしくないチンピラがオレらの目の前に現れた。
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