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第8話

嘘がばれていることが分かって、何となく心苦しい気持ちがしてまともにグラシーモのことが見れないまま、家具を見て回った。 まあ金には余裕があるので、グラシーモとオレの二人が上で暴れても問題がなさそうなベッドを探して購入した。 まあ、全部バレていたのであれば腹を括るしかないな。 グラシーモもお仲間が居ないこの世界では、一人寂しい状況だろう。 まあ、そのためにオレを蘇生したわけだからな。 子供を産むとか、まったく実感はないのだけども、こうなったら一人や二人くらいは作ってやってもいいかなと思ってきた。 一度死んだわけだから何でもありっていえばそうだろう。 早かれ遅かれそうなる運命だったってわけだしな。 転送で家具を送ると言い出したグラシーモを、トラックを借りて当日中に運ばせることでどうにか諫めて、購入したタワーマンションの最上階へ帰り着いた時には既に夕方過ぎになっていた。 まあ、この流れでベッドも既に運ばれてきている手筈なので、今夜は否が応でも生殖作業という名のセックスに持ち込まれるだろう。 腹を括ったと言っても、括り切れていない現実がある。 今日の今日ではなあ。 しかし、流石に動き回って腹も空いているので、グラシーモから体液もいただかなくてはならない。 マンションの部屋に入ると、グラシーモはオレの腰を抱き寄せた。 「……嘘を吐いたことであれば、気に病まずとも良い」 魔王にはそぐわない優しく響く声音である。 「べ、別にそんなの気にしてなんかいない」 気にしてしまっていることくらい筒抜けだというのに、この期に及んでオレはごまかそうとしている。 「我もお主に嘘を吐いているのでな。健気な気持ちに、魔王である我に似合わず酷く罪悪感を感じている」 静かに告げて、グラシーモはオレをすぐそばのソファーに座らせて、じっと視線を合わせた。 「確かに最初は我の眷属が欲しいと思って、お主を死神から奪い取ってやった。だけど……今はそれだけではないのだ。お主の本当の気持ちを欲しいと欲を覚えている」 回りくどい言い回しに、わけがわからずオレは眉をぎゅっと寄せた。 「嘘って何……」 グラシーモが魔王でないとか、色々信じられないようなことばかりが目の前にあって、何が嘘だとしても驚かない自信だけはあった。 「そうだな。最初は、魂の定着をする魔力が必要だったから、我の子種が生きる糧として必要であったが、でも、今のお主は十分に生命力を取り戻したわけだからな。絶対に我の子種がなければ生きられないというわけではない」 グラシーモは、オレの唇をゆっくりとなぞって、少し悲しそうな表情をしてオレに告げた。

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