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2ー5

―龍華家・葵の間 静寂な時間が葵の間で流れていた。 「二人して沈黙は止めてくれるか。非常に、お茶が飲みにくい…」 沈黙続きの空気を先に切ったのは龍華家の“龍”である深李だった。時間からして一時間ぐらい同じ状態を保つ二人の男性を見て、呆れた表情をする。 月に一度顔を出す事にしている深李は突然、従兄弟である海凰から連絡を受けて。何事だ?と不思議に思っていた。 元はライバル同士がお互い顔を合わせ、仲慎ましい雰囲気を漂わす訳がない。 連絡してきた張本人が何かを譲ってはいけない感が溢れ出している。 「…俺まで呼び出すから、何事かと思っているだけです」 「本人から聞け、本人から!!!」 「当の海凰殿が凄い睨みを利かせてるのに、何を聞けと言うんです…」 解っている。 周りに漂う空気が重たいのは。『鳴澤家の若君も連れて来て下さい』と言った時点で、海凰にしては珍しい事を吐くもんだと深李自身も思った。 雨でも降らせる気かと内心悪態付いたのは内緒だ。

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