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3ー5
【海凰side】
「雨降る、雪降る!!!しかも…とてつもなく…最大級な雪がっ」
従兄弟である深李様が何を驚いているのかは、私の行動が原因だ。
幼い頃から悪戯をしても決して土下座は愚か、頭を下げた事は四十ハ年の人生で一度も無い。あぁ、それも…年下に対して下げるなど屈辱的だ。
「いえいえ…最大級の雪崩ですよ!っか、何の風の吹き回し?みたいな感じです。俺を…侮辱しているんですか、貶しているんですか?」
「克樹が完全に…きょ、きょ…挙動不審」
「深李さんもどもってますよぉぉ…」
おい、私を目の前にして吐く科白じゃないだろう。其処のバカップル…。
しばいてやりましょうか?
「…非常に腑に落ちないんですが。えぇ、私の自尊心がズタズタな感じで頭を下げた事を一生の不覚と嘆いてしまいたい」
この世の終わりってぐらいに、面映(おもはゆ)いんですがね。
他人に…しかも元は同じ相手を好いていた卑しむ男へ頭を下げている時点でダメージ大きいんですけどね。
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