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3ー6

若い頃なら我を張って突っ走る事も無茶も十分やります。 だけど、年齢ってのは自然と重ねていくもので。多少のリスクすら危ういと勝手に判断するんですよ。 若い頃より今が意地汚くなっている。 罠を仕掛けるにしても、頭を下げるという行為は私にとって自尊心を砕いている様なものです。 「折れるか、折れないか…と言われたら…折れるしか道がありませんからね。ですから、若君にお願いをしているんです…」 「…」 「雨が降ろうが、雪が降ろうが…。況してや、雪崩が起きようと槍が降り…突き刺さったとしても…私は確実に仕留めたいんですよ。中途半端は嫌いなので…」 肉体関係だけだったら、抜かりなく上手くあしらってきた。 しかしながら…今回は肉体関係じゃない。 漣という男性を捕獲出来る完璧な罠を張り巡らせたい。

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