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4ー1
ボタンを弄り、電話を掛けた。
悲惨な事態が龍華家で起きているのなら、呼ばずにはおられない。息子に逢いたがっていた人物を呼んでしまおうと考えた彼女は耳栓を抜き取り、携帯電話をあてた。
『はい、もしもし…』
「ご無沙汰しております。漣さん…」
『志龍様?』
「えぇ。実は…深李が家に来てまして…」
素直に取ってくれた相手に志龍は息子の名を強調して言う。
『へっ!深李さんが龍華家に入らしているんですか?』
「そうなんです。ですから、今日…暇があるのであれば…顔を出しませんか?」
『行きます!今すぐ、行きます…』
「…お待ちしておりますね」
彼が来て、もう一つ波乱を起こしてくれれば悠悠閑閉(ゆうゆうかんかん)。今日の目標が達成出来るというもの。
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