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4ー7

【海凰side】 何処でスイッチが入ったのか、深李様…ブラック降臨。あれは般若じゃなく、夜叉なんです。 流血沙汰という訳まではいきませんが精神的にはダメージが半端ない特殊効果を発揮します。 深李様を護っている海王ですら現実逃避するくらいなんですから。 きっと…志龍様は避難しましたね。 「勝手にお邪魔しまぁす…げっ…」 色を含む声音が聞こえたと思えば、視線がガツッリ合う。 顔を引きつらせながらテーブル下に居る私と鳴澤 克樹を見ている。何故、彼が龍華家に居るのだろう。 「僕…場所間違えたかな。ははははっ…。深李さん探して来よう…」 「――…ちょっと、お待ちなさい…」 逃げようとした彼の襟首を掴み、葵の間へと引き込んだ。 掴んだ手に力が入る。 そんな視線を逸らさなくても良いでしょう。 ー…全力で拒否られると。 組み敷きたくなります。 倉科家の若君が居なければ、押し倒しています。

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