38 / 53
4ー7
【海凰side】
何処でスイッチが入ったのか、深李様…ブラック降臨。あれは般若じゃなく、夜叉なんです。
流血沙汰という訳まではいきませんが精神的にはダメージが半端ない特殊効果を発揮します。
深李様を護っている海王ですら現実逃避するくらいなんですから。
きっと…志龍様は避難しましたね。
「勝手にお邪魔しまぁす…げっ…」
色を含む声音が聞こえたと思えば、視線がガツッリ合う。
顔を引きつらせながらテーブル下に居る私と鳴澤 克樹を見ている。何故、彼が龍華家に居るのだろう。
「僕…場所間違えたかな。ははははっ…。深李さん探して来よう…」
「――…ちょっと、お待ちなさい…」
逃げようとした彼の襟首を掴み、葵の間へと引き込んだ。
掴んだ手に力が入る。
そんな視線を逸らさなくても良いでしょう。
ー…全力で拒否られると。
組み敷きたくなります。
倉科家の若君が居なければ、押し倒しています。
ともだちにシェアしよう!