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アナルの深い場所を掻き回して突いて欲しいと願う自分は、自分を犯した男達が口々に言っていたように、本当は淫乱な人間なのかもしれない。そう思い始めると、目覚めるたびに自己嫌悪に陥った。こんなことが、もしも歩樹に知れてしまったら、いくら優しい彼だって気持ち悪いと思うだろう。
そう思っていたのに。
「今、楽にしてあげるから」
「……助け……て」
優しい声と、強請るような自分の声とが、どこか遠く他人事のように響いている。早く楽になりたくて、誰でもいいから熱を静めて欲しくて、ここがどことか相手が誰とか、そんなことはもうどうでも良かった。
「……早…くぅ」
甘えたような声が出る。誰かの腕に抱えられ、ユラユラと宙で揺られたあと、必死に握り込んでいた指を一本一本丁寧に外された。そして、無言の相手は貴司の体を俯せに寝かせると、尻をサラリと撫でさする。
「あっ……ん」
それだけで、媚びたような声が出た。早く奥への刺激が欲しくて強請るように腰を揺らすと、ヒクついている貴司のアナルへ冷たい物がトロリ……と、垂らされる。
「ひっ……あぁ……」
「大丈夫。ローションだから」
枕を掴んで震えながら、言われた言葉も分からないままに貴司は小さく頷いた。
今、一番大切なのは、この疼きを静めて貰うことだから。
ピリッ……と、何かを破る音がして、反射的に貴司が後ろを振り向くと、コンドームを付けた指が視界に映り込んできた。ぼんやりそれを見つめていると、次の瞬間それが自分の尻の影へと入り込む。
「あっ……」
やわやわと肛門の縁をなぞるように触られて、期待を持ってしまった体が喜ぶように戦慄いた。
「……いくよ」
抑揚を抑えたような声が耳へと響いてきて、ゆっくりと、確かめるように指がアナルへと入ってくる。
「あっ……あぁっ」
狭い肉壁を分け入ってくる長い異物の感触に、貴司の口から掠れたような喘ぎ声が押し出され、もっと奥までとでもいうように細い腰を拙く揺らせば、その指先は的確に前立腺へと触れてきた。
「ああっ……そこ……」
「ここ……だね」
刹那、強くそこを押し潰され、体の芯を激しい愉悦が突き抜ける。
「やっ……ぁあんっ」
目の前が赤く染まるような快感に、嬌声を上げ背筋をしならせて貴司は夢中で腰を振った。
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