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「あうぅっ!」
最後に残った親指が、ギチギチと狭い肉壁を抉り体内へ入り込んでくる。
「ひっ…やっ……ああっ!」
「入った。凄い眺め」
「う……ああぁっ!」
まだ指しか入ってないのに圧迫感と酷い痛み、加えて恐怖がピークに達して貴司は思わず悲鳴を上げた。
「まだまだ……これからだ」
指へと圧を掛けながら、聖一が低く告げて来る。ミチリと音がしそうなくらい、押し広げらる感覚に……貴司の身体が蒼白になり、こめかみから冷汗が伝った。
――怖い……怖い!
恐怖が身体を支配する。抵抗しないと決めていたけれど、押し入って来る聖一の指に無意識の内、身体が動いて、カシャリカシャリと鎖が鳴った。
「ひっ…やっ…やぁっ!」
「動くな。怪我するよ」
冷たい声が耳を打つ。頭の中では分かっているのに制御することが出来なくて、パニックになった貴司の目からは涙がドッと溢れ出た。同時に身体が痙攣し始め、何が自分に起こっているのか分からなくなってしまう。
「……貴司」
「やっ…いたぃ…ひっ!」
名前を呼ばれているのは分かるが息が苦しくて声が出ない。身体の震えも収まらなくて、そんな自分の不甲斐なさに更なる涙が頬を濡らす。
「……セイ……ごめ……」
それでもどうにか紡いだ謝罪に答える声は無かったけれど、次の瞬間指が引き抜かれ貴司の身体が何度も跳ねた。
「ひっ! や……やあぁっ…セイ!」
目の前が真っ赤に染まる。酷くなった痙攣に、訳も分からず名前を呼ぶと、スッと伸びてきた聖一の腕に身体を強く抱き締められた。
「セイ…セイっ!」
「……っ!」
暴れる身体を抱き締められるが体が勝手に動いてしまう。金具が擦れる音と同時に、首輪が喉へと食い込んで、ヒュッと渇いた息が出た。
――苦しい!
酸素が上手く取り込めない。圧迫感から逃げたいけれど、押さえ込んでくる強い力は貴司が動けば動くほど、さらに力を増していく。
「動かないで」
そう耳元へと告げてくる声は耳に入ってはいるけれど、意味まで捉えることも出来ずに貴司が動きを激しくすると、聖一が一つ舌打ちをした。
「ひっ……ううっ!」
体を少し持ち上げるように元の位置までずり上げられ、呼吸が戻った貴司の口から掠れたような声が出る。
「……ごめん」
尚も痙攣している身体を抱き締めてきた聖一が、小さく紡いだ謝罪の言葉が貴司の心に大きく響いた。
「セ……イ」
状況が上手く飲み込めないまま名前を呼ぶ貴司の口へと、今度はキスが落とされる。乱れた息を気遣うように触れては離れる接合に、体の力が徐々に抜けていき震えが僅かに小さくなった。
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