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「俺も、愛してる」
告げた途端、照れてしまって耳まで真っ赤になった貴司に、クスリと笑みを見せた聖一がそのままキスを仕掛けて来る。それは……くまなく中を溶かすような、深いけれども優しいキスで。
「んっ、ふぅ……ん」
舌を巧みに搦めとられ、甘く噛んだり吸われたりするうち、貴司の身体が悦ぶようにピクリピクリと動き出す。指で目許をそっと拭われ薄く瞼を開いて見ると、先程までの頼りなさげな雰囲気は鳴りを潜めていて、いつものように大人びた……だけど前より少しだけ、陰りが消えた顔があった。
――これからは、二人で……。
どんなに歪な形であれ、それが二人の形であれば受け入れようと貴司は思う。
――大丈夫……きっと、変わってみせるから。
問題はまだ沢山ある。だけど今は……聖一のキスに身を委ね、彼の気持ちを受け取ることに貴司は気持ちを傾けた。
ようやく長い悪夢の終わりが、その先に見えてきたのだから。
聖一の長い腕の中、再び瞼を閉じた貴司は、自分の胸が温かいもので満たされるのを感じていた。
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