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「セイ……」
〝好き〟の形に唇が動き、強張る身体の力を抜こうとしている貴司の姿を見て、目の奥の方がツンとするような感覚に囚われる。
「あっ……」
自身の猛ったペニスを取りだし、ヒクリヒクリと蠢動している貴司のアナルに宛がえば……小さく吐息を漏らした彼が、強請るように腰を揺らした。
「挿 入れるよ」
「あっ……あぁ」
ゆっくり腰を進めていくと、背中を反らせて喘ぐ姿に、煽られた聖一はたまらず喉元へと口づける。
「セイっ……ひっ、や……ああぅっ!」
チュウッと強く吸い付きながら一気に奥まで貫けば……貴司の身体が不自然に揺れて胎内 の伸縮が強まった。
「もう達っちゃったの?」
ハアハアと荒い息を繰り返す貴司の顔を覗き込むと、朱色に染まった目尻に涙がうっすら浮かんでいるのが分かる。
「ごめ……俺……」
「我慢、出来なかった?」
零れそうな涙を舌で拭うようにペロリと舐め、それから身体を起こして見ると、貴司の腹の上には精液がベットリと付いていて、拭うように指先で掬えば身体が一気に赤く染まった。
「あ、セイっ……止め……まだっ」
それをペロリと舌で舐めてから律動を始めると……達したばかりで辛いのだろう、不自由な身体を捩って上へ逃げようと動くから、脚を掴む手に力を込めて自分の方へと引き寄せる。
「貴司が言ったんだよ。どっちもがいいって」
「あ、あぁっ……セイ、セイっ」
「嫌なら嫌ってちゃんと言わなきゃダメ」
「ひっ……あぅぅっ!」
激しく中を穿ちながら耳元でそう囁きかけると、貴司はビクビクと身体を揺らして二回目の射精をした。
「速いね。もしかして溜ってた?」
「……んな……しらなっ」
「やっぱり貴司は少し痛いくらいの方が感じるね」
「やっ……いっ……痛い……からっ!」
クイッとピアスを引きながら、達したばかりの亀頭に手を置き擦るように刺激をすると、必死に違うと頭を振るが、隠しようもなく声は艶を帯びている。
「会社、辞める?」
「やっ……こんなの……ちがう」
「違わない。本当に嫌なら、本気で抵抗してみなよ。そうしたら……諦める」
本当に嫌な事であれば抗うと、彼自身が言ったのだ。
「あ、あぁっ……セイっ、セイっ!」
悦い場所だけを狙うように激しく何度も突き上げながら、乳首に犬歯を立て時……ビクッビクッと身体が揺れて、声にならない悲鳴と共に貴司はまたもや達してしまい、それに構わず深く穿つと爪先が細かく痙攣した。
「凄いね。達きっぱなしだ」
「セイっ……セイっ」
聖一自身は達してないから、伸縮するアナルを尚も突き上げながら囁くと、堪 え切れなかったのか? 眦から涙が溢れ、ポロポロと頬を伝う。
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