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「俺、最初に話して欲しかったみたいだ。大学生で、会社作るとか、ホント……セイは凄い。でも、セイが一人で、なんでも出来るって知ってるけど……一緒にっていうなら、最初から……手伝いたかった」
いつでも一緒に居たいという独善的な理由だけで、そんな物を作ったのならそれは違うと貴司は思った。
否、つい先刻まで思っていた。
隠されていた事自体が嫌だったのだと気がついたのは、『どうして』と低く呻いた聖一の表情 を見た時で。
――喜んで……誉めて、欲しかった?
本当にそれだけなのだと一瞬にして分かってしまった。
それと同時に自分の気持ちがきちんと形を帯びてきて、どうして気づけなかったのだろう? と、切ない気持に包まれた。
「俺も、セイも……考え過ぎだ」
首筋を掴んで引き寄せると、恋人の顔が僅かに紅潮したのが分かり、貴司はその薄い唇にチュッと軽くキスをする。
「ごめん。ずっと貴司の気持ち、無視してきたから、尊重しないといけないって分かってるけど……結局いつも大事なところで失敗する」
「違うよセイ、もう前とは違う。俺は、俺の意思でセイと一緒に居る。だから、もっと」
『セイは甘えて良いんだよ』
そっと耳もとへ囁きかければ、挿入ったままのペニスが気持ちを表すように、その質量を一層増した。
沢山の理屈を重ね、それでも我慢が利かないくらい、彼に想われているのなら、嬉しいとさえ思えてしまう自分が貴司の中に居て……なんでも出来て、完璧に見えて、だけど不器用な恋人を、出来る限り甘やかしたいと思えてくるから救えない。
――だけど。
それでも肩を寄せ合いながら、少しずつでも進んでいると思えるから……だから、今は幸せで、目の前に居る恋人の事が大切で、毎日胸が苦しくなる程愛おしくて堪らない。
「もう、充分……甘えてる。信用も、してる。けど、不安なんだ」
「俺もだよ」
その不安は、きっといつまでも二人の間に付き纏う。それは恋人同士ならば、程度は問わずあるのだろうが、自分たちの場合はかなり激しい部類に入るだろう。
「……あっ、セイっ、待っ……まだっ」
突然律動が再開され、慌てた貴司は制止するけれど、聖一の顔を見つめていたら、このままでいいと素直に思えた。
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