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「貴司、もう出す物ないんじゃない?」 「あっ、やっ……そこ、やだっ!」  陰嚢を揉まれ、痛みに首を何度か振ると、胸の尖りに付いたピアスの付け根に舌を這わされて……そこから生まれた疼きに堪らず背中を爪で強く引っ掻く。 「はっ、ああっ……セイ、セイっ」  ジュッっと乳首を吸われたまま、深いところを何度も突かれ、貴司の身体はベッドの上で魚みたいにビクビクと跳ねた。 「やっ……も、出なっ……」 「出るよ。最後の一滴まで……今日は絞りだしてあげるから……だから、貴司……」 『安心して』と囁く声が静かに貴司の鼓膜を揺らし、極端過ぎる彼の行動に、貴司はふいに泣きたいような切ない気持ちに包まれる。  勿論……悲しいからなどではない。  こんなに愛せる相手がいて、愛してくれる相手がいて……伝え方はお互い下手だが幸せ過ぎて怖いほどだ。 「貴司のここ、俺ので一杯にしてあげる」 「あっ……ひっ、セイっ……あぅぅっ!」  物騒な言葉と同時に掻き回すように体内(なか)を抉られ、ドライで達した貴司は意識を飛ばしそうになるけれど、その都度ピアスを強く引かれて無理やり覚醒させられた。 「いいよ。沢山……セイで、一杯に……して」  想いがスルリと言葉になる。 「……貴司?」  まさかそんな返事がくるとは思っていなかったのだろう。  聖一が、コクリと唾を飲み込む音が聞こえてきた。 「セイ……好きだ」  いつも告げている言葉だが、それだけが伝われば良いと思ってそう囁くと、 「反則だよ」 と呟いた彼が唇を深く塞いできた。  その後は……何度も何度も中に出され、射精する物の尽きた貴司のペニスが萎えて勃たなくなっても、激しい彼の行為は止まず、とうとう貴司の意識はプツリと途絶えて闇へ落ちたけど。  完全に閉じるその寸前……頬へ触れてくる彼の掌や落とされるキスの優しさに、想いが直接流れ込んで、貴司は自分が満たされるのを感じて薄く微笑んだ。

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