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第5話 日常へ②

榊原は康太を連れて自分の部屋へと向かった 榊原はベッドに寝そべる康太の上にのし掛かった 「……確かめさせて下さい……」 「ん?何を?」 「君が……僕のモノだって事を……」 「なら確かめれば良い オレの全部はお前のモンだ」 「…………妬けました」 「オレはお前しか愛さない」 「君を愛しすぎているのです……許しなさい」 「許してるよ……オレは青龍しか愛してねぇから……」 「頭では解っているのですけどね……」 理性が引き千切れそうになる……と榊原は呟いた 康太は榊原を押し退けて起きると服を脱いだ 「お前の為に在る体躯だ…」 「……僕以外に触れさせたら……息の根を止めますよ?」 「それこそ本望だ……」 「君だけを愛してます」 「ならこの体躯に教えてくれ」 そう言い康太はせっせと服を脱ぎ始めた 本当は……清四朗の家で……なんて嫌だけど… 今、榊原の思いに応えてやりたかったから…… 康太は榊原に見せ付ける様に服を脱ぎ始めた 上着脱いで、ズボンを脱ぎ捨てると……下着を下げた ボクサーパンツを脱ぎ捨てようとする姿に……火が付く 康太は最期の一枚を脱ぎ捨てると、榊原に口吻けた 康太の指が榊原の服に手を掛けた 「康太、脱がせて下さい」 康太は榊原の服のボタンを外し……ワイシャツを脱がせた ズボンの前を寛げると…… 勃起した性器が自己主張して膨れあがっていた 康太は下着の中で窮屈そうに膨れあがっている膨らみに手を伸ばした 「食べて良い?」 「君のお口で食べますか?」 康太は下着の上から舌を這わせ舐めた 「腰、浮かせよ」 康太が言うと榊原は腰を浮かせた するとズボンを下ろされた 榊原の勃起したカタチに舌を這わせると、更に布の中で膨れあがり…… 榊原は苦しそうだった 「……康太……ぁ……痛いです……」 榊原がそう訴えると、やっと布の中から取りだしてくれた ブルンッと飛び出た性器の先っぽに口吻け下着を脱がせた カウパーで濡れた亀頭の割れ目を執拗に吸うと…… 榊原は震えた 「………康太……そんなに吸ったら……イッてしまいます……」 肉棒を舐めて、陰嚢を揉んだ それだけでは足らなくて……榊原の胯間に顔を埋めると…… 裏筋に舌を這わせた 指は榊原の肉棒を扱き 舌は裏筋を伝って舐め 指は肉棒を扱いた 「あっ……あぁ……康太……康太……」 康太は榊原の性器を口に咥えると…… 喉の奥深くに咥えた 肉棒を扱き射精を促すと…… 榊原は……康太の喉深くに……熱い白濁を飛ばした 康太は精液の一滴すら逃す事なくペロペロと舐めた 榊原は康太の顔を上げさせた 「苦しくなかったですか?」 嚥下しきれない精液が康太の唇を濡らしていた そんな康太に煽られて…… 榊原の性器は再び力を取り戻して聳え立っていた 榊原は康太に口吻けた 口腔を犯す様に執拗に舌を搦めた 「………んっ……んっ……ぁん……んんっ……」 喘ぎが洩れる…… 榊原は康太の乳首を摘まんでこねた 康太の性器は勃ち上がり…… 貪欲なお尻の穴は疼いて……欲しがっていた 康太は榊原に抱き着いて…… 榊原の腹に性器を擦り付けた 「……伊織……欲しい……」 「康太、僕も欲しいです……」 榊原は康太の秘孔に指を挿し込んだ そして掻き回し……康太の前立腺を刺激した 「……伊織……伊織……欲しい……」 「なら君が食べて下さい」 榊原はベッドに寝そべり、康太を上に乗せた 肉棒で康太の蕾を擦ると…… 康太のお尻の穴が咀嚼を始めた 貪欲なお口が榊原を欲しがって蠢き始める 榊原は蕾を解す為に先っぽを挿れて…… 直ぐさま抜いた その行動を何度も何度もされると…… 秘孔が榊原を搦め取ろうと動き出した 「……伊織……奥まで挿れて……」 「まだ解れてませんよ?」 「欲しい……疼いて……止まらねぇ……」 榊原は指を挿し込み、康太の腸壁を擦った 「うねうねと蠢いて……凄い事になってます…」 「だからっ……早くぅ……」 康太は榊原を求めた 榊原は康太の腰を掴むと……奥まで貫いた 「……あぁっ……伊織……気持ちいいっ……」 康太は仰け反った 榊原は尖った乳首を吸った チュッと乳首を吸うと、お尻の穴がキュッキュッとと締まる 榊原は持ってイカされそうになり堪えた 「康太……キスして……」 榊原に言われて康太は榊原に口吻けた 下唇を吸われて、舐められると……康太はイッてしまった 「………伊織……ごめん……」 「次は一緒に……」 「ん……一緒がいいっ……またクルっ……」 康太は榊原の背中に縋り付いた 激しく抽挿を始められて康太は翻弄される 「康太……一緒に……今度は一緒に……」 そう言い榊原は激しく康太を貫いた 榊原の肉棒が一際膨張して弾け飛んだ瞬間…… 康太も同時に射精した…… 康太は榊原の肩に噛み付き……射精の刺激に耐えていた 榊原は痛みに眉を顰めたが…… 康太の好きにさせていた 康太は榊原の肩を舐めた 噛み付いた痕をぺろぺろと舐めた 「痛かった?」 「少し……でも大丈夫です」 「大きい声……出したくなかったんだ」 此処は清四朗の家だから…… 榊原は笑って康太に口吻けた 「声が出そうになったら噛んでて良いです」 「伊織、オレの全部はお前のモノだから……」 「僕の全部も君のモノです 愛してます……君だけを愛してます」 烈々な愛の囁きを受け、愛の確認は再開した 康太が気絶しても榊原は止まる事が出来ず…… 熱を総て康太の中へ放出するまで、離せなかった 力をなくした榊原の性器が……抜け落ちると 榊原は康太の中の精液を掻き出した そして暫し眠りについた 愛し合った気持ちの良い疲れに浸り…… 榊原は愛する者を腕に抱いて眠った 愛してます 君だけを愛してます 愛の言葉は尽きない 幾億千万 囁いても足りない 榊原は康太に口吻けて……強く……抱き締めた 朝早く榊原は康太を抱き上げて浴室へと向かった 康太は気にする性格だから、清四朗の家とかで犯るのは嫌がる だけど昨夜は榊原は嫉妬していたのを知っていたのだろう 許してくれた 榊原のモノだって、その体躯で教えてくれたのだ 榊原は康太の体躯を綺麗に洗って、湯船に浸かった 途中で康太が目を醒ました 「オレ、気絶してたのか?」 「無理させましたね 何処か痛い所はありますか?」 「………清四朗さんちだよな?ここ」 「大丈夫です これから掃除をします 洗濯も僕がします」 「……ん……じゃないと……恥ずかしすぎる」 「康太、愛してます」 「オレも愛してる!」 康太は榊原の両頬を挟むと、笑って口吻けた 「君はソファーに座ってて下さいね」 「ん……眠いから寝てる」 榊原はお風呂から出ると、康太の髪を乾かした そして自分の髪も乾かして、康太の支度を先にする 支度が出来ると自分の支度をして、康太をソファーに座らせ 掃除と洗濯に取り掛かった 榊原がシーツを外して洗濯をする そして掃除をしていた 何時もの朝だった 康太は転た寝していると、横にドサッと一生が座った 「お疲れか?」 「昨夜は嫉妬していた伊織の相手をしたからな…」 「やっぱ旦那……嫉妬してたんだ」 「……オレは青龍しか愛せないと言っても嫉妬する 愛しい男だからな……気が済むまで確かめ合わねぇとな」 康太はそう言い笑った 一生は「確かめ合いすぎじゃねぇ?」と呆れた 「一生、夫婦というのは常に話し合い 労りあい、共に生きる努力が必要なんだぜ!」 「………それ、少しは理解出来るかも……」 「成長したな一生!」 康太はそう言い笑った 笙がやって来て、康太を抱き上げると、さっさと一階へ連れて行った 「笙、明日菜はどうよ?」 「何時もの彼女にやっと戻りました 彼女はやはり……負けん気が強くなきゃ…… 僕はお尻に敷かれてても良いので……出逢った頃の様な勝ち気な彼女でいて欲しいです」 笙の愛だった 妻の事を誰よりも愛する…… 笙の愛だった 清四朗の家で朝食を取って、康太は子ども達と共に飛鳥井の家へと帰って行った 子ども達を着替えに連れて行き、幼稚舎の制服に着替えさせると、慌ただしく登校の時間となり送って行った 5人の子は既に幼稚舎でも人気者だった 可愛い女の子が声を掛けてくる だが流生は「ちらい!ぶちゅ!」と逃げ回っていた 康太は軽い目眩を覚えた 「………伊織……」 「解ってます康太……呼び出しは近そうですね……」 翔も流生を庇って「よるな!ぶちゅ!」と女の子達と応戦していた 美代子先生は「康太ちゃん、貴方の息子君達は大変元気だからね!」と子ども達を送って来た康太に、笑っていった 康太がスカート捲りしていた美代子先生は今も幼稚舎の先生をしていた 今は偉い先生になったみたいだが、康太の子ども達だと解ると顔を出して来ていた 「………美代子先生、悪ガキですみません」 取り敢えず康太は謝っておいた 「康太ちゃん、すっかりお母さんの顔して…… 大きくなったのね」 美代子先生は感慨深く呟いた 美代子先生と別れて一旦飛鳥井の家へと帰り大学に行く 大学を早めに終えて会社に顔を出して 康太は一生にホテルを予約させた 「シェラトンでも良い?」 一生が聞くと康太は笑って 「東急インでも良いぞ」と言った お留守番だった日に一生が取ったホテルが東急インだった 本当に小さい………とやる事の小ささに笑った 一生はそれを言われて唇を尖らせた 「………虐めるな……」 「虐めてねぇよ!」 「なら東急インにする!」 一生は東急インに部屋を取った 悠太の学校が終わる時間を佐野春彦にメールして問い掛け教えて貰う その時間を合わせて、桜林学園 高等部の来賓駐車場で待つことにした 駐車場で悠太を待っていると、慌てて来たのか…… 息を切らせて悠太が走って車の方に来た 悠太は後部座席に乗り込んだ 後部座席には一生が座っていた 「走って来たのかよ?」と汗を拭いてやりながら問いかけた 「康兄を待たせてると想うと…… 落ち着かなくて……」 悠太は兄に忠実な弟だった 昔も今も……変わる事なく悠太は兄を…… 愛していた 榊原は悠太が乗り込むとエンジンを掛けた 榊原の車に近づき長瀬匡哉が車のドアを叩いたから、エンジンを切った 康太は窓を開けた 「長瀬、どうしたよ?」 「………お話があります」 「お前んちに行くか? それとも飛鳥井に来るか? それか部屋を取るか?」 康太に言われて長瀬は考えた 「………飛鳥井に行きます……」 「なら訪ねて来る前に一生にオレがいるか聞いてくれ 一生とは連絡付くんだろ?」 「はい……なら一生君にメールして聞いてから尋ねます」 「そうしてくれ! 最近バタバタしてるかんな…… 近いうちに日本を離れるし……そしたら少し留守にするからな、その前に尋ねてくれ!」 「……では今夜でも……一生君に聞いてから伺います」 「待ってるからな!」 康太は窓を閉めた 榊原はエンジンを掛けて走りだした 車は一生が予約した近くの東急インへと向かう 少し走ると東急インに到着して、榊原は駐車場に車を停めた 車から下りると一生はホテルの中へと走って行った 康太が悠太を連れて榊原と共にホテルに入ると、一生はキーを貰い受けていた 「部屋は聞いたからな案内は断った」 「お!なら行くとするか!」 一生が案内して部屋へと向かう 部屋に到着すると一生はキーを差し込んで部屋を開けた 榊原は康太と悠太を部屋に入れると一生も部屋に入れてドアを閉めた そして康太を抱き上げてソファーに座らせた その横に榊原が座り、その向かえに悠太は座った 一生は空いてる席に座った 康太は「体調はどうよ?お前は直ぐに無理するからな……」と問い掛けた 「まだ体育とかは出来ません…… 足が想ったよりダメージが大きかったのか…… 普通に歩くにしても結構時間が掛かります」 「だろうな‥しかもおめぇの学園生活はお前の成長次第で続けられなくなるかも知れねぇと話したよな?」 「はい‥‥俺の成長に骨が着いていけなくなると日常生活すら困難になる日が来る‥‥と康兄は教えてくれまね」 「だからこそ、通える日々は続けさせてやりてぇ‥‥ その為になら何でもしてやる! 運転手、付けるか? それかサポートしてくれる奴付けても良いぞ」 「………要りません…… 俺は……出来る事は自分でやりたい……」 悠太らしい返答だった 康太は単刀直入に悠太に問い掛けた 「悠太、最近セックスした?」 「………してません……」 「それはお前が出来ないの? 聡一郎の方が出来ないのか?」 「聡一郎が俺に触らせません…… 口吻けさえも嫌がって逃げていきます」 悠太の言葉に康太は「……やっぱりか……」と呟いた 「聡一郎は一生君がいれば生きて逝けるんでしょ?」 悠太の言葉に一生はギョッとなった 「俺?………俺がいてもダメやろ?」 一生は呟いた 康太は「その根拠は?」と悠太に説明を求めた 「聡一郎は『嫌だ……触るな!』と魘されるんです そんな時……『一生……一生……助けて…』と言います 聡一郎にとって一生君は特別なんですね」 そう言われて一生は困っていた が、悠太の誤解を解かねば……と口を開いた 「……俺は聡一郎のパパだからな…… アイツをこの世に繋ぎ止めたのは俺だ そして聡一郎を生かしているのは飛鳥井康太 お前の兄だ…… 俺は……アイツの傍にいてやれない 俺は恋人の傍にいてやりたいんだ まぁ……アイツもパパにはいて貰いたいとは想わねぇけどな……… 一条隼人が康太の宝だとしたら 四宮聡一郎は緑川一生の宝だからな……… 俺はアイツには幸せそうに笑ってて貰いたい 性格には難があるキツい奴だけどな……… それでも聡一郎は……お前を愛していると言い…… 傍にいる決意をしたんじゃねぇのかよ?」 「………毎晩……一生……一生……助けて……と言われ続けると自信もなくなります……」 悠太はそう言い携帯を取り出すと、録画した聡一郎の様子を一生に見せた 聡一郎は魘されて泣きながら……一生……一生……助けて……と言い続けていた 一生はそれを見て……悠太が可哀想になった 一緒に寝ている恋人に、それをやられたら……自信喪失になるわな……と想った 「聡一郎は……朝霧に監禁された当時に戻ってるのか? …………そうか……無理矢理レイプされたから……… 僕は汚いんだ……とか想って戻ってるのかもな…」 と一生は呟いた 「聡一郎はもう俺の顔も見たくないそうです 近いうちに………飛鳥井を出ると言い出しました」 悠太が言うと一生は「アイツ!」と怒鳴った 「それで、お前はどう言ったんだ?」 一生は悠太に問い掛けた 「そんな一方的な言い分を聞くと想っているんですか?と言ってやりました 出て行くなら出て逝っても良い 俺も聡一郎に着いて出て行くから!と宣言しました そんな簡単に「はい!そうですか!」と聞いてやると想ったんですか?と言ってやったら…… 俺の足を蹴飛ばして部屋に籠城して出て来なくなりました……」 「………難儀な性格なんだ……アイツは……」 「ですね! その癖、ご飯食べたか?とか 今日は何してるんだ?とかLINEが入ってきます 友達と飯に行くと言うと、そこに女はいるのか?とか巨乳に着いてくな!とかは入ってきますよ?」 と言い悠太はLINEを康太に見せた 康太はLINEを覗いてみた 言ってる今も『学校まで迎えに行ったのに……何処にいるんですか?』と聡一郎からLINEが入って来ていた 世話は妬く だが悠太を避ける 一生は爆笑した 康太は「悠太が大切なら東急インまで来いよ!」とLINEを送った 『………誰ですか?』 「誰か気になるなら来いよ!」 そう言い東急インのホテル名と部屋番を書いて送った するとLINEは止まった 多分、東急インまで来る気だろう 「悠太、お前愛されるな!」 康太は大爆笑してそう言った 「………愛されてますか? 別れ話……されてるんですけど?」 康太は一生と顔を見合わせた 「……おい、一生……」 「皆まで言うな……すまねぇ…… 捻れた奴に育てたのは俺だ!」 「愛だよな?」 「あぁ、誰よりも愛してるなアイツ……」 康太は考えて 「聡一郎は別れても良いと言ったのか?」 「……別れてという癖に…… なら一旦別れたいなら別れようか……と言うと泣くんだ そんなに簡単に別れられるんだ悠太は…… って責めまくって……キスしようとすると…… 部屋に籠城して出て来ない……」 「………なぁ伊織……オレの母者が……」 言おうとした康太の口を榊原は塞いだ 「………言ってはなりません 何処で聞いてるか……解りませんよ?あの方は……」 「………伊織……食いたくねぇ奴だよな?これ…』」 「そうですね……僕も……食べたくないです」 「……だよな……これって……」 康太が言うとすると一生が 「犬も食わねぇ奴だろ? 飛鳥井の犬は良い迷惑だと怒るぜ?」 と三匹の思いを代弁して言ってやった 康太は悠太の制服を脱がすと、ワイシャツのボタンを少しだけ外して、情事を匂わせる程に崩した 「どうよ?一発後に見えるかよ?」 康太が謂うと一生が悠太の髪を少しだけ崩した 「どうだ?」 一生が問い掛けると、榊原が悠太の鎖骨を吸った 着崩したワイシャツから見える紅い跡が‥‥‥淫靡に見えてた 暫くすると部屋のドアがノックされた 悠太はドアを開けに行った 聡一郎は「……誰といたのですか?」と問い掛けた 悠太は何も言わず、部屋へとさっさと入って行った 聡一郎は部屋の中へ入ってドアを閉めた 悠太は……服のボタンを外して…… 情事の後の気怠さを垣間見せていた そして決定的な跡が悠太には着けられてて‥‥聡一郎の足は止まった 今……まさに……悠太が誰かを抱いた…… 聡一郎は……足元が崩れ去る……想いを何とか……堪えていた 「……悠太!」 聡一郎は泣き出していた…… うっうっ……と堪えきれずに……泣いていた 「聡一郎……こっちに来て……」 悠太は聡一郎の腰を引き寄せると寝室の方へと連れて行った 聡一郎は抵抗もせずに…… その時を待った 寝室のドアを開け、部屋に入ると……… 「よぉ!聡一郎!」 と康太が榊原の膝の上に乗って手を上げていた その横には一生もいた 一生は立ち上がると聡一郎の頭をポコンッと殴った 「おめぇはよぉ!悠太のストーカーかよ! そんなに悠太の事が気になるのに、キスもしねぇって、どう言った領分よ? パパが聞いてやるから言ってみろ!」 「………出て来んなクソ一生!」 聡一郎は泣きながら悪態をついた 「引いてやっても良いぜ?聡一郎 その代わり……悠太は連れて行くぜ? キスもさせねぇ恋人なんて要るのかよ? 康太は悠太が不幸になるのを承知で聡一郎に預けた訳じゃねぇ筈だ!」 聡一郎は涙で一杯にした瞳で一生を見た 「………だって……汚いもん……」 「俺が綺麗に洗ってやったやん」 「………でも……汚れは落ちない……」 「ならまた洗ってやる それが俺の務めだからな お前をこの世に繋ぎ止めたのは俺だ お前のパパとして俺は……出来る事なら何でもしてやる……だからお前は素直になれ……」 「……一生……一生……助けて……… 汚い僕は悠太に触ったら……汚れちゃう……」 「汚れねぇよ!」 「………悠太が好き…… 誰にも渡したくない…… 他にはもう誰も愛せない…… 悠太だけ欲しいんだ… でも……こんな汚い僕が触ったら…… 悠太が汚れる…… 解ってるんだ…でも……別れるのは嫌…… もぉ……僕はどうして良いか解らない……」 聡一郎は力なくそう呟いていた 康太は榊原の膝から下りると、聡一郎を抱き締めた そして、やはりポコンッと聡一郎を叩いた 「悠太はオレが育てた弟だ オレが飛鳥井の家の軋轢に潰されように護った弟だ その弟を……お前にやると言わなかったか?」 聡一郎は顔を上げて康太の顔を見た 「その時、オレは言わなかったか? 好きは止められねぇ……悠太はお前にやるよって…… 悠太を受け取った癖に幸せにしねぇってのは許せねぇぜ聡一郎」 「……ごめん康太……」 「別れる気なのか?」 康太はわざと意地悪く聡一郎を追い詰めた 「………康太……」 「オレの大切な弟を捨てる気だったのか?」 「………だって……」 「おめぇを生かしてるのは飛鳥井康太、オレだ! お前が汚れてるって言うなら、主のオレも汚いって事なのか?」 屁理屈だった 「……違う……」 「ならお前は誰のために生きてるのよ?」 「………康太……お前のため……」 「だろ?ならオレの為に生きねぇとな で、オレの為に生きてるお前のどこが汚いんだ? 暴力だった お前は疵付いた……あれは暴力じゃなかったのか? だったら暴漢に襲われたオレも汚いんだな? だからお前も汚くなったのか?」 康太に辛い事を言わせた 聡一郎は康太に縋り付いて…… 「………ごめん……ごめん………ごめん………」 と謝った 「聡一郎、悠太と別れるのか?」 「………別れません…… 君から貰った愛でした…… 唯一無二の愛でした…… 絶対に手放したりしません……」 「なら天岩戸(あまのいわと)やってる暇に悠太を抱き締めてやれよ!」 あちゃー 榊原は顔を覆った 聡一郎はたらーんっとなった 恐れ多い…… そんな天岩戸なんてやってませんってば…… そう想っていたら…… スーッと天女みたく神々しい 「我を呼んだかえ?我が息子 炎帝よ」 天照大神が姿を現した 康太はニコッと笑顔で「母者!」と名を呼んだ 「天岩戸をしておるのは誰じゃ?」 康太も榊原も一生も………聡一郎を指差した 聡一郎は指差すな!と焦った 「司命……お主……乙女であったか……」 聡一郎は真っ赤な顔をした 天照大神は優しく羽毛が触れるか触れないか…… みないに優しく聡一郎に触れた 「司命……なくしたくないのなら素直になりなさい 籠城するのは容易いが…… その間に……大切なモノをなくして二度と手に入らぬ後悔など……してはならぬ 出て来た時に……二度と……抱けぬ後悔など……せずともよい…… そうなりたくないのなら……離してはなりませんよ?」 この人は……なくしたのだ……と聡一郎は想った 離してしまって…… 後悔したのだと……天照大神の悲しさが……伝わってきた 「素直におなり……お主は綺麗じゃ…… 我が息子 炎帝が浄化して総てが綺麗になっておる 心配せずとも綺麗じゃ!」 天照大神はそう言い聡一郎を抱き締めて…… 我が息子 を抱き締めた 強く……強く……息子を抱き締めた 「母者が来るなんて珍しいな」 「お主をみておったら司命が哀しみに囚われて消えそうじゃったからな…… そうはさせてはならぬと……参ったのじゃ 此奴は少しひねくれておるからな……せめて人の世位は素直に生きさせてやろうと想ってな……」 そう言うと天照大神は透明の衣の一枚を手にすると、聡一郎の方に息を掛け飛ばした 透明な衣は聡一郎の首に纏わり付いて……… スーッと消えた 「お節介は我が家の特権 炎帝のお節介焼き……我等夫婦の遺伝なのじゃ」 そう言い天照大神は嫣然と笑った とても美しい笑顔だった 天照大神は悠太の前にスーッとゆくと 「この子の来世は魔界に繋いでおこうぞ よい顔をしておる…… 司命の傍におれるのはお主しかおらぬみたいだからな ずっと司命の傍にいてやるとよい」 そう言うと悠太の中から……一本の紐みたいなモノを取り出すと…… 何かと結んだ 「司命、お前の主同様、未来永劫愛し合い果てる道を用意してやろう」 「………天照大神…」 「だから、そんな乙女みたいに泣くでない 見ているこっちが気恥ずかしいではないか……」 そう言い天照大神は最後に息子を抱き締めて、息子の伴侶を抱き締めて…… 「赤いのはよい子じゃ」と一生の頭を撫でて、消えていった 「………母者は……すげぇな……」と康太は呟いた 聡一郎の顔に出ていた翳りが総て払拭されていた…… もう案じる事はない…… 「聡一郎、もう大丈夫か?」 康太が問うと聡一郎は「はい!」と確りした声で答えた 「聡一郎、悠太は成長の度合いによって何時日常が送れなるか解らねぇ状況は脱していない‥‥って話したよな?」 「はい、聞いております」 「悠太をサポートして悔いのねぇ学園生活を送らせてやってくれ! その為なら、サポートを頼んでも良いし、オレらも助けて逝く」 「解ってます‥‥‥すみませんでした」 と謝った 康太は立ち上がると榊原に手を伸ばした 榊原は康太の手を取ると、手の甲に口吻けを落とした そして康太を引き寄せて抱き締めた 「帰ろうか一生」 「だな、これ以上話す事はねぇわな」 「明日の朝まで部屋は押さえといてやる 支払いもして帰るかんな…… お前達は話しあえ、そしてエッチしろよ!」 康太はそう言うと悠太の頭を撫でた 「もう大丈夫だな悠太?」 「康兄、ありがとう」 「おめぇはオレの大切な弟だ お前を育てのはオレだぜ? お前が幸せならオレは口は出さねぇ…… だがお前が……悲しいと想うならオレは口を出す それはこれからも変わらねぇ……だろ?悠太」 「康兄……俺は貴方の弟です 俺、やっと飛鳥井で初めて図面を引きました それを会議に掛けてやっと認められました 生まれて初めて……俺のビルが建ちます」 「父ちゃんも母ちゃんも喜んでたぜ? じいちゃんの墓前に近いうちに報告に行こうぜ」 「はい」 「なら聡一郎を好きにして良いからな 聡一郎に奉仕して貰え 挿れずにギリギリまで焦らして『挿れて』って言って貰うまで頑張ってみるか悠太」 「解りました!頑張ってみます!」 康太は笑って「うしうし!虐めてやれ」と言った 「……ちょっ!康太!!」 聡一郎は抵抗したが…… 康太は榊原と一生と共に部屋を後にした 聡一郎は泣いても請うても…… 許して貰えず 悠太に『約束』させられたのは言うまでもない その『約束』は何時までも悠太の携帯の中にあった それを増やして行く悠太だった 聡一郎は惚れた弱みで…… 悠太の好き放題を受け入れていた 案外 幸せそうな二人だった  ケッ!やっぱし犬も食わねぇじゃんか! コオ『そんなの端っから食いたくないし』 イオリ『……腹壊します……』

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