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第47話 針の筵

記者会見は大量の報道陣を考慮して、広い施設を持つ場所を選んでホテルオークランドの『鳳爛の間』で行われた このホテルでは政界、財界、著名人の結婚式とかでは使用され、報道陣も詰め掛けた事はあるホテルだった ……が、記者会見で使用された事は一度もないホテルだった ホテル側も今回に限り!とコメントを各界に表明している程の『異例』な事だった 鳳爛の間は2000人収容できる贅の限りを尽くした部屋だった その部屋で記者会見を執り行うと言う どれだけのコネを使ったのか聞いてみたかった それ程に異例な出来事に、報道陣に緊張が走った 『此より拿捕された経緯、船員、乗客の解放までのご報告を含めた記者会見を執り行います』 放送が入ると記者やカメラマンは慌てて席に着いた 用意された壇上の会見席に安曇を始めとする関係者が席に座るとフラッシュが一斉にたかれた 安曇貴之が壇上に上がり、深々と頭を下げた 記者やカメラマンはそれが誰か解らずにいた 記者会見直前で場所の変更があり、それからは二転三転、変更が相次いだ 記者会見を取り仕切っていた東都日報が撤退し、それからは何やら解らぬ所が記者会見を用意していた 底が見えぬ事態に報道各社は踊らされていた そんな時に三木繁雄が秘密裏に記者会見を進めていて、総てを取り仕切った それがこの日の記者会見だった 誰の手も加えず自分達のスタッフだけで準備した記者会見だった 記者やカメラマンはその用意された場所へと集まるしかなかった しかも、その記者会見に参加するには会社が発行している証明書がなくば入れなかった その証明書は偽造が出来ない仕組みとなっていた 偽造許可証で入ろうと試みても、入れない仕組みとなっていた だが絶対ではない 絶対と言う言葉は……この世には存在はしない 貴之はこれから起こる事を憂いていた 悪意の巣窟となる……記者会見をあの方は見てどう想うのだろうか…… 考えれば胸が軋んだ だが戦いの火蓋は切って落とされた 引き返す道などないのだ 貴之は深呼吸すると姿勢を正してマイクを握り締めた 「此より記者会見を始めさせて貰います 司会進行は私、安曇貴之が執り行わさせて戴きます!」 貴之は頭の中に入っているプログラム通りに進行を進めた まずは船を拿捕されていた戸浪と不動が経緯を話した 記者からは会見席に社長の円城寺がいないのはおかしい!と申し立てがあったが…… それは不動雅祥が難なく黙らせ事なきは得た 不動雅祥は報道陣に 「私は亜細亜圏内の社長をしております不動雅祥と申します 赤蠍商事には全体を統括する社長の他に、各国毎に社長が健在するのです 公に公表する事は御座いませんでしたが、この度この様な事件があり私は亜細亜圏内の社長として皆様の前で公表させて戴きました! ですので円城寺貴正を出すまでもないと私が判断致しました 私では役不足だと申される訳では有りませんよね?」 記者は……何も言えなかった 反論する材料がなかった 船が拿捕され解放されるまでの経緯が話され、今回の顛末が語られた 経緯を話していると「日本政府は何をやっていたんだ!」と声が上がった タイミングさえ掴めば、後は記者は水を得た魚と化した 「経政日報の今野と申します 今回の記者会見には飛鳥井家真贋は何故参席されていないのですか? そもそも何故、一介の企業に名を置くだけの子供があの記者会見の席に参席したのか?詳しくお聞きしたいのですか?」 少し小馬鹿にした話し方だった その質疑を皮切りにヤジが上がり始めた まだ大学生の子供に倭の国は頼らねばならないのか? 安曇総理は飛鳥井家真贋を“我が子”と公言しているから贔屓をしたのか? それはそれは針の莚の中に放り出された様な質疑応答が繰り返された いつの間にか拿捕された船の件は有耶無耶になり、サザンドゥーク共和国で行われた記者会見へと話題は刷り変わっていた 安曇は動揺する事なく 「我等はアラブ諸国連合に太いパイプはなかった 飛鳥井家真贋はアラブ諸国連合に太いパイプを持っていたからご協力願ったまでです 彼を我が子の様に想っています だが、私の子供ならば……あの様な危ない地に送り出しはしない 彼は……あの地で殺されかけたり大変な目に遇っている 彼は役目の為にあの地にいた 我等は彼にその役目を負わせた それだけの事です」 毅然と言葉にした 我が子なれば……危険な目には遇わせはしない その言葉が重く……記者達は息を飲んだ 「毎報新聞の倉敷と申します ドゥバイの王太子は飛鳥井家真贋に手を出せば、ドゥバイの王太子である自分に喧嘩を売っていると想いなさい!と言いましたが、飛鳥井家真贋はゲイですよね? と言う事はドゥバイの王太子もゲイなのですか?」 揶揄した様に言葉にする男は嗤っていた 堂嶋は眉を顰め…… 「君はドゥバイの王太子に喧嘩を売るおつもりか? 君は記者として国際情勢に亀裂を入れるおつもりか?」 厳しく批判した だが毎報新聞の倉敷は怯む事なく 「飛鳥井家真贋がいれば国際情勢に亀裂を入れる事なんてないんじゃないですか? 国際情勢と申されてもドゥバイの王太子は世界に自分はゲイだと発信したも同然じゃないですか!」 そう言い高笑いした 堂嶋が止めようと立ち上がった時 「それは私に宣戦布告をしているのですか? 毎報新聞のMr.倉敷? 君の会社など潰すのに……半日は掛かりませんよ?」 流暢な日本語に堂嶋が動くのを止めた 声のする方に振り向くとドゥバイの王太子が綺麗な女性と共に立っていた 一同は言葉もなくした ドゥバイの王太子カラフ・ジャッジムは鋭い瞳で安曇を見ると 「安曇総理、私はドゥバイに還り王位を継ぎました! ドゥバイの王はカラフ・ジャッジム、私がなった そして隣にいるのは英国王室第二王女セーラです! 私達は本国で婚姻を交わし、新婚旅行中だ! 我が妻セーラも飛鳥井康太を敬愛しているので言葉にはお気をつけ願いたい」 カラフが言うとセーラは美しく笑い 「ドゥバイ王が妻セーラに御座います 私は去年大学で彼を知りました 以来夫同様、彼のファンです 飛鳥井康太を貶める言葉は我等夫婦に喧嘩を売っていると想いなさい! 一介の大学生? 一介の企業の真贋? 笑わせるわ! 彼こそがこの世の軌道修正を図る存在! 彼の事を卑下するのは私が許しません! 我等夫婦は倭の国と友好を築くと謂うよりも、飛鳥井康太が存在する倭の国と友好を築くつもりです! 果てに続く友好は彼の上に成り立つ それを努々お忘れなき様に!」 毅然と言い放つ妻をカラフは愛しそうに見ていた 倭の国に還ればこうなるのが見えていたから、カラフは慌てて国に還り、婚礼を挙げて新婚旅行に飛び出したのだ 王である父は息子の婚礼を喜ばしく受け取り、王位をカラフに譲り渡した 記者会見はすっかりカラフ夫妻が飲み込んでいた それでも怯む訳にはいかない理由が報道席に席を並べた記者達にはあった 「セーラ妃、貴方の夫はゲイだと世界に公表したも同然! 貴方はそんな夫を本当に愛していると仰有るのですか?」 名前も会社も述べない質問は無視した 無視された記者は……常軌を逸脱して逝った 旗から見たら不可解な記者会見となっていた 記者は正常な判断を何処かへ置いて来たかの様に口汚く罵った それが世界に発信されている事すら忘れたかの様に…取り憑かれた様に捲し立てた エキサイトした会場はもう制御が出来ない状態になっていた 王を護る護衛はカラフとセーラに「此処から出ましょう!」と促した だがカラフは留まった 逃げる訳にはいかなかったからだ 堂嶋は警備の者を呼び出した カラフが王になったと謂うならば、傷一つ着ければ…国際情勢は変わってしまうからだ! 敵は虎視眈々とその瞬間を狙っていた 国際社会の均衡を呆気なく崩せる瞬間だった しかもそれを世界に発信できるチャンスだった 倭の国は世界を敵に回す そして降伏して他国の介入を受ける そしたら倭の国を好きに出来る条件を手に入れれるも同然だった 夢の国ZIPANGは今も健在だった その際たるが……亜細亜の眼を持つ者! その眼を手に入れた国こそ、総てが手に入る! 洗脳にも似た意識が各国に伝わり狙う標的を定める 出て来ぬなら……炙り出すまでよ! とばかりにカラフが標的にされていた 少しの綻びさえあれば…… 火種は待ち構え…… カラフに向けられて放たれた カラフは突然突き飛ばされた カラフは何が起こったのか?さっぱり解らないでいた カラフは自分を突き飛ばした存在に目をやった 「………康太……」 カラフが謂うと康太はカラフを見上げてニカッと笑った そして「王たるもの常にその命は国民の為にあると想え!」と厳しい言葉を口にした セーラは康太の額から流れる血に……悲鳴をあげた 「康太!!」 堂嶋は呪縛が解かれたかの様に、康太の傍へと走った 「この!何故出て来た!」 堂嶋が怒鳴ると康太は何も言わずに堂嶋を押し退けた 「カラフ・ジャッジム、お前の命は国を背負っている自覚はあるか? お前が血を流せば、無益な闘いが始まる お前は民を戦いの戦火に投じる自覚を持たねばならない!」 カラフは「すみませんでした……師匠」と謝罪した 「まだまだ未熟者だと謂わざるを得ない! 己の立場を噛み締められよ! それはセーラ妃、貴方にも言える事だ オレの教えを忘れてしまわれたか?」 セーラは慌てて「いいえ!忘れてはおりませぬ師匠!」と答えた 康太は「お前達の動きが国を乱す一因になるのを忘れるな!」とキツく灸を据えた クシュンとしたカラフとセーラを他所に康太は血を止める事もなく報道陣の方を向いた 「少しは冷静になられよ! 貴殿達は己の会社の名を背負ってこの場にいられるのを忘れたか? この空間は閉鎖した 暫くは出られぬ! それを招いたのはお前達だと謂うのを忘れるな! お前達は危うくドゥバイ国と倭の国を戦争に陥れる所だった! お前達の言動が世界を変える礎になる それを努々お忘れなき様に振る舞われる事を望みます!」 康太はそう言い背を向けると貴之の所へ歩いて逝った 「貴之!」 「はい…」 「お前の初仕事にケチを着けてしまったな」 「……いいえ……あなた……血が出ています……どうか手当てを受けて下さい」 「それは捕り物が終わってからな 一生、捕まえろ!」 康太が謂うと一斉に警察が飛び込んで来た ネズミ一匹逃さぬ捕縛の網を張り巡らし警察は報道陣を捕らえて逝った そして最後にカラフ・ジャッジム王を狙撃した犯人を捕らえて…… 捕り物は総て終わった その場を指揮していた男が康太の傍に 「総て完遂致しました」と謂うと、康太は息を吐き出した 「唐沢、ありがとう」 「貴方に血を流させてしまいました……」 「謂うな、闇に操られていた奴等だ 覚えてはいないだろう しかも何人かは入れ替わっている筈だ オリジナルの人間が殺されてなきゃ良いけどな……」 「それらは我等が調べます! 貴方は治療へ向かって下さい!」 「だけどさ唐沢……」 「はい!何ですか?」 「あの銃口はカラフを狙っていたんだぜ?」 何が言いたいのか解った唐沢は困った顔をして康太を見た 「康太、止血する気がないなら……久遠先生を此処にお呼びしますよ?」 「良いじゃんか! 奴の心臓がオレの頭の位置だってのが腹立っているんだかんな!」 「貴方の心臓を狙ったら……俺はアイツ等を生かしてなんていません!」 「唐沢、おんぶ」 康太が謂うと唐沢は背を向けて屈んだ 康太は唐沢の背中におぶさると会見場を出て逝ってしまった 堂嶋はハッとなり追い掛けて逝こうとした ……が、貴之に止められた 「主を追うのは止めて戴きたい!」 堂嶋は貴之を睨み付けた それには動じず貴之は「動くな!」と申し付けた 堂嶋は一歩も引く気がない瞳を向けた 「あの人が血を流し粛清した総てを、動けば無に返すと想いなさい!」 記者もカメラマンも捕まっていなくなった会見場に一生が姿を現すと、貴之は息を吐き出した 「一生、康太は?」 やはり一番心配な事を問い正すと 「康太はずっとお怒りモードだ」と答えた 貴之は顔を覆い 「…あの人は!!」と呆れた声をあげた 「言ってやるな貴之」 「傷は?」 「控え室に久遠がいて即座に縫われていた 『麻酔くらいかけやがれ!』と煩かった」 「大丈夫なのですか?」 「………康太は……」 「だからどうしたのですかと聞いてるでしょ!」 「………髪の毛事情をかなり気にしていた」 「……」貴之は怒りマークを額に張り付け 「僕が植毛して差し上げます! そんな事より何処にいるのですか?」 「ホテルに部屋を取ってある そちらの方々と共にお越し下さい!との事だ」 貴之は「戸浪さんと不動さんもですか?」と問い掛けた 「若旦那と雅祥さんにはご家族がお迎えに来ているからな、引き渡さねぇとならねぇんだよ!」 「そうですか? では戸浪社長と雅祥さんはご家族が待つ所へご案内致します」 貴之が謂うと戸浪は「ご一緒させては戴けませんか?」と問い掛けた 「まずはご家族に安心させてあげて下さい 夜にはお時間を作ります……それで宜しいですか?」 「解りました……それでは夜に……」 戸浪は雅祥と共に家族の待つ部屋へと向かった 一生は貴之と共にホテルの従業員の誘導で秘密裏にホテルから出て、安曇と堂嶋と共にタクシーに乗り込みホテルへと向かった 一生はタクシーの中で貴之に「兄弟も呼んであるぜ!」と伝えた 「なれば康太は総てを軌道に乗せたと謂う事なのですか?」 「あぁ、総ては康太の描く果てへと続く……違える事は許されねぇんだよ」 「そうですか? その場に……堂嶋正義も?」 「あぁ、キーは堂嶋正義、彼に在る」 「そうですか……なれば我等は総てを受け入れるしかありませんね」 一生と貴之の会話を聞いていて安曇は何の事なのか、さっぱり解らないでいた 「貴之……」 安曇が声を掛けると貴之は 「総ては康太に逢えば解ります」と告げた タクシーは都内を出て横浜へと向かっていた 「横浜のホテルへ逝くのですか?」 「あぁ、アイツはあのホテルがお気に入りだ」 後は会話は続かずHOTEL NEW GRANDへと向かった HOTEL NEW GRANDの正面玄関へタクシーが着けると、一生はタクシーから下りた 貴之がタクシーから下り、堂嶋と安曇を待つ 全員タクシーから下りると一生はホテルの中へと入って逝った 部屋は聞いているらしく一生は直接部屋に向かった エレベーターに乗り康太のいる部屋まで逝くと一生はドアをノックした ドアを開けたのは聡一郎だった 「康太は?」 「中で待ってる」 そう言い聡一郎はみんなを迎え入れドアを閉めた 部屋に入ると…… ソファーに座る康太の膝に黄金の髪をした男性が顔を埋めて肩を震わせていた その横にセーラ妃が泣きながら康太に抱き着いていた 安曇が来るのを待っていていた康太は、カラフとセーラに 「話をせねばならぬ事があるから帰れ!」と告げた 「……また逢って下さいますか?」 カラフは泣きながら問い掛けた 「お前等は正式にドゥバイの王となり倭の国に来日したのだから、公式に安曇総理と逢い陛下に逢う仕事を優先せねばならないの解ってるか?」 「お前が謂う事はちゃんとやるから……」 「なら帰国前夜、食事を取る時間を作ってやんよ!」 康太が謂うとカラフはひと安心した顔をした セーラはカラフに「貴方は向こうを向いておいでなさい!」と告げると 康太に背を向けさせた 「伊織、本当にごめんなさい 貴方の愛する人を傷付けてしまいました」 セーラは榊原の前で深々と頭を下げた 榊原は「頭をあげて下さい、康太はこうなるのを解っていて飛び出したのです 僕も……解っていて送り出したのですから……」と頭をあげさせた どんな精神力で送り出しているのか…… 本当なら怪我をすると解っていて送り出したくなどない筈だ セーラは痛む胸を押さえた…… 「伊織……」 「セーラ妃、御結婚おめでとう御座います 心より祝福させて戴きます!」 「ありがとう伊織 ありがとう康太……我が心の師匠……」 セーラは康太を抱き締めてカラフの隣へ立った そして二人して部屋へと出て逝った その後を護衛の者が護るように共に出て逝った カラフ夫妻を見送って康太は安曇と堂嶋を見た 「待たせたな勝也、正義」 安曇は「お気になさらずに」と言い 堂嶋は「あのお二人はドゥバイの王と妃……」と何故そこにいるのかと……口にした 「あの二人はオレの旧友だ オレを心の師と仰ぐ者達だ! それ以上でも以下でもねぇ!」 何も謂うなと謂われたも同然の言葉だった 堂嶋は「ご友人とのお時間を割いて申し訳ない……」と謝罪した 康太は堂嶋に笑いかけ 「まぁ座れよ正義! 何か食べるか?」と問い掛けた 「……いいえ……」 「なら一生、お茶を頼む」と申し付けた 一生は電話を取るとルームサービスを頼んだ お茶とお菓子が運び込まれると給仕は断り部屋から出て逝って貰った テーブルに一生がお茶と茶菓子を置いて逝く 安曇と堂嶋の隣に四つお茶とお菓子を用意した 準備が整うと一生は康太を見た 貴之は康太の横に座った 「一生、呼んでくれ!」 康太が謂うと別室から呼び出してソファーに座らせた 堂嶋と安曇の前に三木繁雄と兵藤貴史が座った 兵藤はえらくご機嫌ななめだった 兵藤の隣に安曇貴也が座り、その隣に安曇貴教が座った 「登喜子には既に話をした」 安曇が飲み込めないでいると康太は既に登喜子には話したと告げた 安曇は「……話が飲み込めないのですが?」と康太に訴えた 康太は足を組むと不敵に嗤って 「安曇勝也を継ぐ者を紹介しようと想って、勝也と正義を呼んだ」と答えた 「私を継ぐ者?」 「そうだ!安曇貴教だ! 貴教を育て政策秘書に収まる安曇貴也だ! ご挨拶しろ!」 康太が謂うと貴也と貴教は立ち上り胸を張った 「安曇貴教に英才教育施し教育を担当しております安曇貴也に御座います! 貴教が政界に出る時は私は貴教の政策秘書に収まります 以後お見知りおきを!」 兄 貴也が言い終えると貴教が口を開いた 「安曇勝也を継ぐ安曇貴教に御座います ボクは貴也兄さんに英才教育を受けて然るべき時が来ましたら政界へ打って出る所存です! 以後お見知りおきを!」 やけに落ち着いて大人の口調だった 安曇は何も言わずに子供達を見ていた 康太が「貴之、お前だ!」と謂うと貴之は立ち上がった 「僕は三木繁雄を継ぐ者です 飛鳥井家真贋の総てのコネを総て受け継ぎ政界に打って出る所存です! まだまだ若輩者に御座いますが、以後お見知りおきを!」 と謂い嗤った 安曇は我が子が誇らしくて、それでいて遠くに感じていた そして多大なる疑問を口にした 「三木君のお子は議員にはならないのかい?」 安曇が問い掛けると康太は 「三木竜馬は……祖父三木敦夫に酷似した政治家になる だが三木は継がない 三木の器は小さすぎる……アイツはもっと大きな器に入れねぇと実力は発揮できない だから三木の後継者は貴之にさせる 竜馬は……竜ヶ崎斎王に預けて教育中だ 貴史が政界に上がる時、歯車は回り始める 貴史の為の駒であり、竜馬の為の駒でもある 正義の為の駒であり、貴之の為の駒である 貴教の駒であり、果ては倭の国の為でもある! 切磋琢磨して倭の国の礎になれ! オレはそれ配置して逝かねばならぬ故に……過酷な運命を勝也……お前の子に背負わせねばならない だから……せめてお前は父として我が子の助けになってやってくれ!」 康太は立ち上がると「お願いします」と謂い深々と頭を下げた 安曇は「止めて下さい……そうですか…… 我が子はどの子も配置されたのですね ならば私は我が子の行く末を見守ると約束致します 貴也、貴之……私はお前達を誇りに想います 父親らしい事はしてやれませんでしたね 本当に申し訳なく想っています」 安曇は我が子に謝罪した 貴也も貴之も父の頭をあげさせた 貴也は「止めて下さい父さん……父さんに頭を下げさせたなんて知れたら母さんに怒られます」と慌てて止めた 貴之も「父さん、僕達は安曇勝也の息子に恥じない様に生きているのです なので頭を下げられると大変困るのです」と止めさせた 貴教は「兄さん達は気にしてないって父さん! 兄さん達は父さんの子として恥じない生き方をする そして父さんが引退した後の政治を引き継ぎ次代に繋げる礎となる! その為に日々鍛練を欠かさずにいるのです だから父さんが気に病む事は何もないです」と笑って答えた あまりにもマセた言葉に貴之は、貴教のおでこにピシッとデコピンした 「痛いってお兄ちゃん」 拗ねた顔は年相応の子供の顔だった 安曇は笑って我が子を見ていた 安曇は康太に「………総て配置されたのですね?」と問い掛けた 「あぁ、もう軌道に乗せた 乗せた以上は途中下車は許されねぇ明日へと続く…… お前の子の行く末は険しい だが堂嶋正義と共に闘う盟友となる筈だ 兵藤貴史と共に競い合う好敵手となる存在だ! 正義、こいつらを遣ってみろよ! 甘い事を言ってると喉元切り裂かれるかも知れねぇけどな、確実に謂えるのはお前のブレーンとなる存在だ! 安曇勝也の後を継いで政界に躍り出るお前に必要となる存在を与えてやんよ! 堂嶋正義の跡はコイツらが果てへと繋ぐ そうして繋がり果てへと逝く礎になれ!」 安曇はだからキーは堂嶋正義なのか…と納得した 康太は安曇を見て今後の展開を口にした 「今後の事を話して良いか?」 安曇は「はい!」と答え、堂嶋は黙って頷いた 「安曇貴也は貴教が倭の国に還って来るまで父、勝也の政策秘書になる 貴也はオックスフォード大学を一年で卒業して一年で大学院で学士と学位と博士号を取得し帰国した天才だ! 勝也、きっとお前の役に立つ筈だ 貴教が倭の国に還るまでの政策秘書として実践を積め! そして貴教はハーバード大学受験の為に渡米する 受かったらそのまま留まり、何年で還って来るかは解らねぇけど、向こうで学ぶ事は多いだろう そして貴之も近いうちにケンブリッジ大学に留学する事となった 誰にも何も謂わせぬ経歴と実践 グローバルな感性が必要になってくるからな…… そこで本題、貴史、お前、一緒に逝って学士と学位を取って来たらどうよ? 桜林ではお前の経歴には不足だろ? 何も謂われぬ政治家になるなら、学歴は物言わせぬ道具となる筈だ!」 康太は兵藤に留学を勧めていた まるで、本題はそちらだったのか?と疑いたくなる展開だった 兵藤もそれは考えていた 留学して学士と学位を取って来ようと算段した時もあった だが答えは出せていなかった 貴也も貴之も着実に未来へ向かって歩み始めているのを見ると……焦りはあった 康太は兵藤を見て 「逝けよ貴史 お前は此処で燻る奴じゃねぇ 果てを見据えるなら……今動かねぇとならねぇのは実感しているよな?」 「……嗚呼……嫌と謂う程にな…… こうして貴也や貴之を見れば……悔しいと想う……」 「なら逝けよ! それが……オレの願いでもある……」 「………ひでぇ奴だなおめぇって奴は…… こんな怪我ばっかする奴を置いて……逝けって謂うのか?」 「それでもだ貴史 お前は桜林で終わる奴じゃねぇ…… 本当なら桜林へ進む時に軌道修正しておくべきだったんだ 永遠の別れじゃねぇんだ 還りてぇなら、血反吐はいて這い上がって来いよ! 美緒に謂って準備は出来ている 後はお前が学ぶ為に渡米するだけだ!」 康太は兵藤の焦りを燻り煽り退路を塞いで逝くかのように追い詰めた 政治家になるなら東大か最高峰の学力を持たねば足元を見られる…… 未練だった 共にいられる時間を先伸ばしにして……逝こうとしたツケが回って来ているのだ 兵藤は考え込んでいた 焦りと焦燥 このままでいられないのは誰よりも解っていた 一生は兵藤のジレンマが解るから口を開いた 「慎一が毎日お前に写真付きでLINEをすると約束する だからお前は逝けよ! 俺だと……都合の悪い事は隠そうとするけど、慎一は総て報告するとお前と約束した瞬間から総てを伝えると約束するだろう! アイツは信用出来る男だ 隠すなと謂えばアイツは総てをお前に伝えるだろう…… それが良いか悪いかは……俺には解らねぇけど……知りたいなら慎一と『約束』を交わせよ! 知りたくねぇなら俺か聡一郎か西村に聞けば良い 選ぶのはお前だからな……」 「………慎一は約束を交わせば……こんな怪我も知らせてくれるって謂うのかよ?」 「アイツは信用を嘘で返したりしない男だ だから主から絶対の信頼を得ている 伊織も慎一が信用に値するから部屋の鍵を渡しているんだ 飛鳥井で康太達の部屋の鍵を持っているのは慎一だけだ! 主に仕える男は約束は違えはしない! 絶対に、だ! だからお前は慎一と約束を交わせよ! そしたら慎一はお前の望む通りにしてくれる!」 「………考える暇も与えずに結論を出させようとしてるだろ?」 「逝かねぇとならねぇのは、お前が一番解ってるんじゃねぇのか?」 「……あぁ……解ってるさ…… それでも……無くしたくないモノの傍にいてぇって想うのはいけねぇ事なのか? 遥か昔から……俺はアイツの傍に逝きたかった ただ見送るしか出来ない自分が不甲斐なかった…… もし一緒にいられるなら……俺は何をなくしても良い……そう思ったのに……」 兵藤の瞳から……一筋の涙が零れて流れた 一生は立ち上がると兵藤の頭を抱えた 「お前の幸せを何時も願っているのはアイツだ…… その想いは遥か昔から揺るぎない……解ってやってくれ…」 「……解ってるさ……解ってるけど……心が離れたくねぇと……軋むんだ……」 「俺達も……毎月、お前に逢いに逝くと約束する 俺と隼人と聡一郎とで、どれか一人はお前に逢いに逝くと約束する」 「絶対だぞ!」 「あぁ、約束する」 「なら逝くとする……逝ったからには全力でやるしかねぇ…… 一分一秒でも早く還れる様に頑張ってやるさ」 「あぁ、お前の事だから心配はしてねぇよ」 「あたりめぇじゃねぇかよ!」 空元気な声だった 一生は胸の辺りが湿るのを感じていた 康太は何も言わず、二人を見ていた 榊原は何も言わず康太の手を握り締めた 安曇はこうなる風に仕向けたのかと想った 安曇貴也、貴之、貴教の三兄弟が夢と目的に向かっている姿を見れば、目的地が定かでない兵藤は焦燥に駆られるだろう 今のままではダメなのは誰よりも自分が解っている事なのだから…… 兵藤の心の澱を燻り煽り退路を塞いだ もう逝くしかない所まで追い込み自覚させた 安曇は康太を見た 康太も安曇を見ていた 「……康太……」 「勝也、悪かったな…… どっちが本題か解らなくさせてしまった」 「いいえ……私はこんなにも我が子が立派になっているのを知りませんでした…… 君が敷いてくれた果てに、我が子は違える事なく嵌まったのですね?」 「そうだ!もう覆らねぇ明日がそこに在る! だから登喜子に話した 登喜子はそんな時が来るのを薄々勘づいているみたいだった 貴之を生かした時から、何かあると想ったと謂っていた オレは適材適所配置するが役目だ! その為だけにオレは生かされている 違えればオレは狩られる存在になるしかねぇからな…… 人の定めは覆らねぇ素材なんだよ その素材を在るべき場所に導く、それがオレの役目なんだよ」 「……本当に……貴史を逝かせるのですね……」 「何も謂わせねぇ存在にしねぇと…… 堂嶋だってハーバード大学卒業してるんだぜ? 共に逝く存在が桜林じゃ……役不足だろ?」 多分、堂嶋を海外に逝かせたのは康太なのだろう 三木敦夫と兵藤丈一郎が育てた存在 今更ながらに堂嶋正義と謂う男の重さを知る事となった 兵藤は一生の胸から顔を上げると 「飯食いに逝くぞ!」 と叫んだ 一生は戸浪海里と不動雅祥と夜には食事をする予定なのを思い出し、なら合流するかと算段した 「なら料亭でも取るか?」 と提案すると安曇が「ならば私が取りましょう!」と謂い秘書に電話を入れた 「一生、凌雲郭にお部屋を取りました」 安曇が謂うと一生は戸浪と不動雅祥に料亭の名前を告げた 康太は立ち上がると兵藤に手を伸ばした 「来いよ!貴史!」 挑発的に謂われて兵藤は嗤った 「あぁ!何処までも共に逝ってやるさ!」 そう言い康太の手を取り立ち上がった 「見てろ!過去最高の速度で院まで上がってやるからな!」 「期待してる!」 「そしたら帰国して桜林に通う! 留年しねぇように四季に頼んでおかねぇとな!」 あくまでも同級生の座は譲る気はなかった 大学の卒業は共に! そう決めているから兵藤は不敵に嗤った 「一浪してやるから、ゆっくりで構わねぇぜ?」 「なら俺が先に卒業しちまうぞ!」 「あぁ、先に逝きやがれ! オレはスローペースで卒業するつもりだかんな」 「あんでよ?」 「伊織の悲願がもうじき……叶うからな そしたらそっち優先になる そうすれば留年は免れねぇからな まぁな卒業出来れば良いかって想ってる」 「手が要るなら俺は何処にいても駆け付けるぜ!」 「そしたら呼びに逝くわ!」 康太はそう言い笑った まるで、そこまで呼びに逝く様に謂われ、案外距離は関係ないのかもな……と想えた 心が繋がっていたら距離も時間も関係ないのかも知れない 康太は兵藤の傍から離れると三木の方に近寄った 「お疲れさん繁雄 やんちゃなアイツの子守りは大変だったろ?」 そう言われて三木は苦笑した 「……もぉね……テレビ壊しちゃう勢いだし……おじさんには荷が重かったよ 本当にやんちゃな子なんだから」 康太は笑い三木の背中を叩いた 「繁雄、お前まだ貴之を仕込まないとダメだろ?」 「貴之は進藤の教育の賜物だと想う……」 康太は爆笑した 「仕方ねぇな!ほれ、上手いもん食いに逝くぞ!」 「おじさん、老体に鞭打って頑張ったので御褒美が欲しいな」 「何を所望よ?」 「………おじさんの今の悩み所の解決……」 「承知した!明日にでも慎一を動かして対処してやんよ」 「智美が……少しノイローゼ気味で哀れな程になってるからな……」 「軌道修正はオレの務めだ、安心しろ それと智美を久遠の所へ逝かせろ! 対処してくれるように頼んでおくかんな」 「……悪かったな…」 「適材適所配置するが役目だかんな お前んちの軌道修正を計り適材適所配置してやんよ! だからさお前は何も悩まなくて良い! お前と智美が笑っていられる明日を用意するのがオレの務めだろ? だからお前は前だけ向いて進めば良い! ずっとそうして来てやったろ? これからもお前はそうして逝けば良いんだ 何も気にするな 幸せそうに笑っててくれ……それだけがオレの願いだかんな」 「……ありがとう……」 「おめぇはんとに子沢山だからな そりゃ色々な子が出来るだろうて! 今、腹に入ってるんだっけ?六人目」 「……恥ずかしながら……」 「お前の子の軌道修正はオレの務めだ どの子も違える事のない先へ送る 今は少し愛情不足で拗ねてるんだろ?」 何も心配するな!と背中を撫でられ三木は息を吐き出した 「んじゃ!逝くとするか! あ、そうそう、貴教はジュースしかダメだぜ!」 康太は意地悪に謂うと貴教は頬を膨らませ拗ねて 「解ってるよ康太君」と言った 榊原は「康太、苛めは良くないですよ?」とめっ!と窘めた 康太は笑って部屋を出て逝った その夜は戸浪と不動雅祥と合流して料亭で食事を取った ニュースでは報道陣の在るべき姿を訴えて議論になって大騒ぎとなっていた 下手したら……倭の国はドゥバイに喧嘩を売ったも同然の事を報道記者たるものが招いたも同然の事をしたのだ 記者たる品位を疑う言動はどうだの……幾度も幾度もテレビには康太がドゥバイの王を護って撃たれるシーンが流れていた 飛鳥井の家族は康太達が還って来るまで寝ずに待っていた 帰宅した康太は額に包帯を巻いていた 瑛太はそれだけ卒倒しそうになった 家族の心配は他所に康太は眠たいと部屋に早々に引き上げて逝った 家族は無事還って来てくれて良かった……と安堵して部屋に還って逝った それぞれの想いを秘めて夜は更ける 一生は一番針の莚だったのは……兵藤だと想った これから逝く先は想像も着かない針の莚となるのだろう…… 誰よりも案じる奴の傍を離れて棘の道を逝く 針の莚に留まりながら…… お前はそれでも逝くんだよな? 一生はベランダに出て風に当たっていた 胸がチクチク傷んだ そして一生は心を決めた 翌朝一生は康太に 「俺、北斗と共に白馬に逝くわ!」と告げた 康太は予期していたのか「頑張れ!」とだけ告げた 「俺……貴史を見て……本来の目的に向かわねぇとならねぇと想った 調教師になる為に始動する まずは厩務員として実績をカウントされる様に白馬に逝き篠崎と共に学んで来るわ! 基礎を叩き込まれた後は還って実績を積む そして28になったら調教師の免許を取る それが俺のしねぇとならねぇ事なんだろ? そして北斗に継がせる総てを叩き込む!」 「それが……お前の道だからな……」 「在るべき所へ逝く そしてお前に還る場所に逝く! 共にいられずとも……我等は共に在る! そうだろ?康太……」 「だからお前はお前の場所に逝け!」 一生は康太を強く抱き締めると……離れて背を向けた 夢の第一歩を踏み出した瞬間だった 一生はリビングを出て逝くと、榊原は康太を背後から抱き締めた 「逝きましたか?」 「あぁ、触発されて在るべき場所に逝く! これは定めだからな……」 「寂しくなりますね……」 「仕方ねぇ事だ ずっと一緒になんて留まっていたら……根腐れする…… そうさせちゃならねぇからな……送り出してやるのがオレの務めだ」 「君には僕がいます」 「あぁ……オレはお前さえいれば生きて逝ける……」 「君達の絆は切れたりなんかしません! 悔しいですけど四悪童は……何処までも君と共に在ると想いますよ?」 康太は哀しそうに微笑むと瞳を閉じた どの道……逝くも地獄、逝かぬも地獄なら…… 逝くしかねぇかんな! 針の莚へ身を投じ逝くしかないのだから…… ドゥバイの王と王妃は公式に日本に来日を果たした ドゥバイと言う国を背負っての訪問は国民の注目を集めた 来日初日、王と王妃は正式に安曇総理大臣や陛下の前に姿を現した ドゥバイ国、王と王妃として宮中晩餐の席に列席する姿が映し出されると、王妃の高貴な美しさに女性は羨望の眼差しを送る事となった テレビに釘付けになる程に美しい王妃として好感度は上がり、ドゥバイと言う国に興味を持つ者も増える事となって実りのある来日となった 今回の来日の目的は、婚姻を世界に知らしめる為と友好国に直接報告する事により、後日の挙式と戴冠式への正式な申し込みでもあった 報道各社にはドゥバイ国、王と王妃は飛鳥井家真贋の旧友であり師として仰いでいるが、それには一切触れるな!と通達がされた 危うくドゥバイ国との間に亀裂を入れてしまう事態だった 先日の記者会見は常軌を逸脱し過ぎだと、国から報道各社に注意喚起がされた ドゥバイ国の王は、サザンドゥーク王国で失礼な質疑応答をした会社を財力を駆使して自分の持つ新聞社と吸収合併させた 当然、失礼な質疑応答をした社員は……解雇となった 各局の報道各社も今回の記者会見で批判を浴びて、失礼な質疑応答をした社員は退職させ粛清した 報道に関わった各社は共同で謝罪会見を開き事態は終息を図ろうとしていた だが、国民は飛鳥井家真贋と言う特別な立場に興味を持ったかのように……騒がれ 飛鳥井家真贋の関わったニュースはYouTubeで軒並み驚異的な数字を弾き出していた 運営側が幾度も映像を削除しても、魚有無像に映像が出回り人々の目に触れていた 人はそれを驚異と感じるか 超常と感じるか 驚異と取るか……は定かではないが…… 明らかに何かの始まりを示唆していた これから起こる何かの前触れの様に…… 噂が勝手に走り回り 憶測を呼んだ 憶測が火のない所に煙を起こし 突風がその火種を煽っていた 何かが始まる その前に…… 康太は覚悟を決めていた

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