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第49話 お仕置き

榊原は唐沢が用意してくれた車に乗り込むと 「何処へ向かえば良いですか?」と尋ねた 康太はナビを操作して打ち込むと 「ナビ通りに逝けよ! 伊織にお仕置きするつもりで部屋を取らせたんだ!」 お仕置きする為に部屋を……榊原は苦笑して車をナビ通りに走らせた 榊原は見慣れた街並みを離れて鎌倉の方へと向かって走った ……多分憶測だが…… 唐沢が用意した車に取り付けられているナビは何かが違うと感じていた 鎌倉に入り……前に隼人の妻が入院していた病院に来た覚えがあり、そこまでは道も知っていた ………が、此処には道が無かった筈……と記憶を呼び覚ましてみた 「康太……このナビ……」 「お、気付いたか 唐沢があんでわざわざ車を変えたと想っているんだよ? この車のナビは市販のモノじゃねぇんだよ 国の頭脳集団と謂われる奴が作ったナビでな、その昔戦によって造られた地下道や抜け道を整備して『国』が管理している 生活道路や工業道路、主要道路とは違い本来の使い道は有事に如何に早く鎮圧や救助に当たれるか! と謂う名目で造られた謂わば公には絶対に載らねぇ『神』の道と呼ばれているなんだよ」 「知りませんでした 康太は詳しいんですね」 「………それがオレが飛鳥井で生きる死命だからな……」 康太の声が哀しそうに響いていたのが、榊原にはやるせなかった 「康太、唐沢さんとのお付き合いは長いのですか?」 「アイツが大学の頃敦夫から紹介された 『倭の国を裏から調査する男だ、お前が絡む事案と唐沢が追う事案は合致する件が多いだろう! なれば少しでも早く出逢わせるのが我の死命だ』と出逢わせてくれた存在だ」 「……きっと君には……唐沢さんみたいな存在が……沢山いるんでしょうね…」 「お前が謂う通り、オレには唐沢以外にもブレーンは沢山いる 出逢いとは必然であり 何かを成し遂げる駒だからな…オレの場合 お前が何を不安がっているか知らねぇが、唐沢との付き合いは長いが……出来たら顔を合わせたくないと互いが想っている筈だ 顔を合わせると謂う事は……最悪な事態しかねぇからな…… 出来たら何年も顔を合わせねぇでいたい……オレも唐沢もそう想っている 他の奴等にしても、そう想っているだろうな…… オレと顔を合わせると謂う事は……それだけ最悪な事態に置かれていると謂う事だからな……」 「康太…一緒にいられなかった時…僕の事を……考えていましたか?」 「オレは何時も伊織と一緒にいられねぇ時は、早く片付けて伊織の所へ逝く! それしか考えてねぇよ!」 「僕も……君の事ばかり考えていましたか」 「伊織、お仕置きするからな!」 「はい。僕は抵抗なんてしませんよ?」 「犯されてもか?」 「………っ!…君が望むなら……僕は抵抗はしない……約束します」 「………息の根……止めてやろうかと想った……」 「僕の奥さんが焼きもち妬きなのは知ってます」 榊原はそう言うと嬉しそうに笑った 康太はズルい…と想った そんな蕩ける様な笑みを向けられたら何も出来なくなる…… ナビの指示通り走っていくと、白亜の城みたいな屋敷の前に出た 屋敷に近付くと自動で門が開いた 榊原は屋敷の中へ入って行った 門は榊原の車が入るのを待っていたかの様に開き、車が通り過ぎるとガシャンッと重厚音を立てて閉まった 榊原は正面玄関の前に車を停めるた 「…此処は?」 「旧華族光永家の本宅だ 今は国が管理する物件の一つだ」 「…入っても大丈夫なのですか?」 「あぁ!オレが今宵は借りたからな! 誰も屋敷には出入り出来ねぇから心配するな! 件の殺し屋だって、あの道を通らねば来られぬこの屋敷まで追って来るのは不可能だ! ナビには通行手形みたいなものが組み込まれててな 許可されていないのが通ろうとすると自衛隊が出て車を拘束する 第七分団特命部隊が管理している以上、鉄壁の警備網に逃れる手立てはねぇんだよ だから安心してお仕置きされろ!」 「はい。君の好きな様に…」 榊原はスキップしんばかりの足取りで、屋敷の中へと入って行った 屋敷の中に入ると、空腹を刺激する匂いが匂って来た 康太は「まずは腹拵えからだな!」と謂うと食堂へと入って行った ドアを開けると貴族が使っていた様な長机に白いテーブルクロスが掛けられ、中央には燭台が置かれ、映画とかでしか見た事のない世界が広がっていた 康太と榊原は迎え合わせに座る事にした 席に座ると康太は長机の上に置かれたベルを手にして鳴らした すると奥から執事風の男が姿を現し、晩餐のメニューを告げ、料理を運ばせた 康太はお酒は抜きにして食事だけ取ると、部屋に向かった 榊原を先に部屋に入れ、康太も部屋に入るとドアに鍵を掛けた 「さてと伊織、お仕置きの時間だぜ?」 康太は嗤っていた その顔を見れば……生半可なお仕置きでは済まないと覚悟を決めた 「……僕は……どうすれば良いですか?」 「それはそれは協力的に頼む」 「解りました」 「伊織」 「はい」 「これはただのお仕置きじゃねぇぜ」 「……?」 「二人の愛の確認作業だ お前が嫌だと想ったら……それで止める 無理強いしてやる事じゃねぇかんな」 「解ってます」 「耐えるのは一切なしな 無理して耐えて……オレが喜ぶと想うか?」 「想いません」 「オレは伊織が欲しい お前にもオレを欲しがっているか教えて欲しい それだけだ……」 「ならば君に伝えます 僕がどれだけ君を欲しがっているか…… 全身で君に愛を伝えます」 「なら伊織、服を全部脱いでベッドに腰掛けろよ……」 榊原は謂われた通り、脱いだ服をソファーに掛けながら、下着まで脱ぎ捨ててベッドに腰掛けた 「伊織、手」 榊原は両手を康太に差し出すと、康太は榊原の手に手錠を掛けた 「暴れると締まるからな気を付けろよ この手錠は唐沢に借りてきた本物だ どうよ?本物の手錠の感触は?」 「案外重いのですね」 榊原が手錠を見ていると、榊原の掌に鍵を乗せた 「その手錠の鍵だ お前なら器用だから外せるだろ?」 康太はそう言い榊原の目に布を巻いた 目隠しされた状態で手錠の鍵を外せる奴は……そんなにいない 見えない視界に榊原は「康太……」と名前を呼んだ 何処を触られるか解らない状態は不安で……それでいて体躯が待ちわびて疼いた 康太は「伊織」と名を呼んで口吻けを落とした 「お前は今、誰に触られてる?」 乳首を触られピクンッと体躯が反応した 「康太に……康太に触られてます」 「本当に?見えないのに解るのか?」 「君の手の感触を忘れたりはしません!」 「オレもお前の手の感触は覚えてるぜ! オレが触ってる……お前の愛するオレが触ってる」 「康太……」 榊原の性器は聳え勃っていた 康太は榊原の唇をペロッと舐めると、その舌は淫靡に下に這って逝った 乳首を悪戯されて榊原の性器はカウパーで濡れた へそまで舌が下りて逝くと、期待を込めた肉棒が震えて訴えていた ………だけど触って欲しい部分には触れられず…… 内腿を吸う様に……舐められた 陰嚢を持ち上げ揉まれ……肛門まで続く裏筋を舐められ……榊原は喘いだ チューっと吸われて跡を着けられる感触に、榊原の性器はピクピク反り返り痙攣を繰り返していた 康太はハンカチを取り出すと、ハンカチで榊原の性器の根本を縛った 康太は榊原の上に座ると榊原の目隠しを取った 目の前に愛する康太の顔があり、榊原は涙が出そうになった 「康太…許して……」 「オレはとっくに許してるぜ? 罰を欲したのは伊織だろ?」 何処かで後ろめたい想いがあった 浮気する気なんて毛頭なかった だが自分が招いたスキャンダルで… 不本意ながら……世間を騒がせた トップに出たのは飛鳥井建設 副社長であり脚本家の榊原伊織……だった 飛鳥井建設の名に傷を着けてしまった そんな想いが……榊原を後ろめたくさせた 康太はそれを知っていて……榊原にお仕置きをしたのだった 康太は榊原の目の前で服を全部脱ぎ捨てた そして榊原の上に乗り……口吻けた 榊原の熱り立った性器が、康太の蕾に触れた 康太は腰を動かし、榊原の濡れた性器を擦り付けた ぬるっ……グチュ……ヌチャ……グチュグチュ……湿った音がした 康太は榊原の肉棒で自分の蕾を解していた イケずに溜まった熱が出口を求めて荒れ狂う 榊原は器用に手錠の鍵を外すと、自由になった手で康太を抱き締めた 康太は感じて尖った乳首を榊原の体躯に擦り付け、腰を揺すっていた 「僕を受け入れるお口…舐めても良い?」 「いいぜ!お前の為に在る体躯だ! お前の好きにして良い……」 榊原は康太に口吻けた 舌を搦め口腔を搦まり合った舌が暴れ…… 咀嚼出来なかった唾液が康太の顎を濡らし……喉へと流れた 榊原はその唾液を追うように舌を這わせ……吸い上げた 首筋に痛みを伴う愛撫の花を散らされ…… 鎖骨に噛み付かれた 「君は僕のです 絶対に離したりしません!」 「当たり前じゃねぇかよ?」 皮肉に嗤う唇を無理矢理塞いで乳首を摘まんだ こねくり回し詰まんで伸ばした 尖った乳首がジンジンとする 榊原は摘まんだ乳首を口に含んで吸い上げた 康太の腰が決定的な快感を求めて、榊原の体躯に擦り付けられると 榊原は自分の性器に縛られたハンカチを外すと、康太の性器の根元で縛った 「……あ……あんでオレだよ?」 「何度もイケないでしょ? そんなに早くイッてしまうと辛いのは君ですよ?」 「……お仕置き……だってばよぉ……」 「だけど君の下のお口 僕が欲しくて蠢いて誘ってますよ? 少し……入りましたよね? 下のお口が少し開いてます……こんなにはしたなく赤い卑猥なお口を見せて欲してます…」 榊原は康太の脚を抱えると、擦り付けれなくして勃ちあがった性器を見せ付けた 「ほら君の亀頭のお口も……開ききって濡れてますね」 榊原はカウパーの滑りを確かめる様に亀頭の先をこねくり回した 「……あっ……あぁぁっ……んっ……ゃ……だめぇ……」 イキそうになるのに…… 根本が締め付けられてて熱を放出出来ずにいた 秘孔はより強い快感を求めて開いて誘う様に蠢いていた 「舐めてシワを伸ばしてあげます」 クルッと康太を俯せにすると腰を抱き、お尻を高く上げさせられた 双丘を開き慎みなくパクパク蠢く秘孔に触れると康太の体躯はビクンっと跳ねた 秘孔に舌を這わせ舐めると、内腿が痙攣した シワを伸ばす様に舐められ、指を突っ込まれ前立腺を刺激される それだけでイッてしまえる快感だった なのに榊原は丁寧にシワを伸ばして挿れてくれる気配は皆無だった 「……っ……伊織、挿れろ! お仕置きだ!謂う事を聞け!」 「そうですね。 お仕置きの最中でしたね では君の望みの通りにします どう謂う風に挿れられたいですか?」 「伊織に抱き着いたまま挿れられたい」 榊原は康太の体躯を抱き締めたままベッドに座ると、向かい合わせにクルンッと康太を回した 「なら君の望むままに……」 「……伊織……伊織……開けているから……挿れて……」 康太はそう謂うと秘孔に指を突っ込み左右に開いてみせた 真っ赤な腸壁がうねうね畝っていた 榊原は焦らす様に先っぽを挿れると、何度も何度も抜き差しして肉棒で慣らした 康太は榊原の首に縋り着くと「焦らすなぁ……」と催促した 「一緒に気持ちよくならなければ、それはオナニーと変わりません 挿れて快感を貪るだけならディルドでも良い訳でしょ?」 「…意地悪すんな…っ…ぁん…あぁっ……早くぅ……」 「仕方ありませんね」 榊原は康太の腰を掴むと想いっきり突き上げた 太い肉棒の杭を穿たれ……康太は仰け反った 挿入されて瞬間…康太はイッた 実際には射精を伴わない絶頂感、ドライだった 「君……今イキましたね?」 ドライでイッたのを指摘すると康太は 「…ゃくぅ…イカせてっ……」と哀願した 榊原は激しく抽挿を始めると康太の中を激しく掻き回した ゴリゴリとエラで前立腺を擦られ、康太は堪えきれなくなった 榊原は康太の性器に縛り付けたハンカチを外した ドビュ……と夥しい量の精液が弾けて飛び散った 榊原も康太の中で射精した 夥しい精液が康太の中にビクンッビクンッと放出され、次の刺激を欲した 「……あぁっ……動くなっ…だめっ……あぁっ…またクるっ……」 榊原の性器は萎える事なく康太の中に留まり、康太の腸壁に更に育てられ存在感を誇示していた 「動いているのは君の中ですよ?」 「お仕置きなのにっ……」 「君に触れなかった日々がお仕置きでした 君は触っても良いと体躯を開いてくれた… 僕は君の愛に応えると決めたのです」 「最初からお仕置きなんてしなくても大丈夫だったろ?」 「君がくれた愛です」 「愛してるかんな」 「愛してます…愛してます…愛してます! 僕の全身全霊懸けて愛してます」 愛してます……と言う言葉しか出て来なかった こんな時、気の利いた言葉が出て来ない自分が嫌だった だけど愛する人はそれこそがお前の想いなら、それしか要らねぇよ!と言ってくれたから……それだけで良いと言葉を紡いだ 榊原は再び康太を求めて抽挿を早めた 欲望が尽きるまで貪り合い… 互いの愛を確かめ合った 最後の方は康太も気絶してしまったが、榊原は止まらず康太を求めて抱いた 夜が明けて朝を告げる頃 榊原の性器は康太の中から抜け落ちた 榊原は康太を抱くとゴロンと反転して、康太を胸の上に乗せて抱き締めた 康太の好きな場所だった 愛し合った後、康太は何時も榊原の胸に顔を埋めて余韻を楽しんだ 愛する愛する男の胸こそが、康太のもっとも好きな場所だと解っているから、榊原は胸に康太を乗せて気が付くのを待った 康太の髪を愛しそうに撫でる、その感触に康太は目を醒ました 「伊織……オレ気絶してたのか?」 「止まりませんでしたからね 大丈夫ですか?」 「大丈夫だ! 起きて還るとするか」 「ええ。もう離れていたくないので、共に逝きましょう! この命…尽きるその瞬間まで…共に逝ってください」 榊原がそう言うと康太は嬉しそうに笑った 「ずっと一緒だ!青龍! この命が尽きようとも……来世の命が尽きようとも……オレ達は離れる事はねぇ!」 榊原は康太に口吻けを落とした 胸の上から康太を下ろすと、ベッドから起き上がり康太を抱き上げ浴室へと向かった 康太の体躯の中も外も綺麗に洗って自分も洗うと湯船に浸かった 「支度して還りますか 今日は撮影所に逝って、その後は副社長に専念します! なので斎王さんの次男の方にはお引き取り願って宜しいですかね?」 「それは無理だ伊織 一年間と言う契約で預かっているから返せねぇんだよ」 「……なら諦めます その間に僕は色々と学ばねばならぬ事があるみたいなので勉強して参ります! 勿論君と離れる気は皆無なので逝くとしたら康太、君と共にです!」 「それは良い考えだ! この時間は決して無駄じゃねぇからな ならお前は経営塾をやっている鷹司 緑翠を着けてやろう 話は通しておいてやるから明日から緑翠んちに逝くと良い」 「君は……来ないのですか?」 「学ぶなら……オレは切り離して考えねぇと共倒れになるしかねぇだろ?」 「解りました では僕は学ぶ事にします そして更なる力を得てトップに立つべく存在になって還って来る事にします ですが、総てに置いて君優先なのは変わりませんよ? 君をなくして僕は生きられないのですからね」 「あためぇじゃねぇかよ? さてと支度して飯食って還ろうぜ!」 風呂から出ると支度をして、着替えて部屋を出た 食堂に逝くと朝食が準備されていた 康太は席に着くと怠そうに朝食を始めた そして黙々と朝食を食べて、食べ終わると屋敷を後にした 来た道を通って、飛鳥井の家へと戻る 康太はタブレットを出して何やらやっていた 「体躯……辛くないですか?」 榊原は無茶したのが解るから問い掛けた 康太は幸せそうに笑って「大丈夫だ伊織!」と返した 康太と榊原は、確かな愛を確認した この想いは揺るぎない 絶対に揺るがぬ想いなのだ 榊原は康太の手を強く握り締めた 康太はその手を強く握り返した

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