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3RULES

「...っ!?」 予想外の...でも驚くほどスムーズな、一連の流れ。 ...これがアメリカ帰りの、クォーターの帰国子女様の成せる技か。 見た目は俺な筈なのに、そこから駄々漏れる色気はもはや別人レベル。 その得体の知れない卑猥さに、ドキッとした。 「...大悟はホント、可愛いなぁ。」 そんな事を言いながらクスクスと笑うその仕草は、やっぱり俺だけど俺じゃない。 って言うか、可愛いってなんだ? 子供の頃から目付きが悪いだの、なんか企んでそうな顔だよねだのと、散々言われ続けてきた。 その俺の何処に、可愛い要素があるというのか? あぁ、そうかと思い至る。 今の俺の体は、爽やか金髪碧眼王子 木内だったんだった。 ...やっぱり人間、見た目な訳ね。 でも入れ物は変わっても、やっぱ木内は木内なんだよなぁ。 「...キモい。」 何が楽しいのか、ニコニコ笑いながらずーっと見つめられているものだから、目のやり場に困り残りのパスタを掻き込むみたいにして胃に流し込んだ。 しかしさっきまでは最高に旨かった筈のそれはもう、味なんかほとんどしなくて。 何なんだよ、マジで。 大嫌いな筈の木内なんかに翻弄される自分に、少し戸惑う。 それでも流石に無言は不味いだろうと思ったし、大半は美味しく頂いたから素直に感謝の言葉を口にした。 「ご馳走様でした。  ...スゲェ旨かった、ありがと。」 「お粗末様でした。  よかった、気に入って貰えたみたいで。」 頬を薔薇色に染め、てれてれと幸せそうに笑う木内in俺。 さっきも思ったけれど、鏡や写真で見る俺はいつもしかめっ面ばっかなのに、こういう顔も出来るんだなって思うと、なんかスゲェ不思議な感じがする。 「洗い物は、俺がやるよ。  そういうの、慣れてるからさ。」 一方的にキャンキャン吠え続けるのも馬鹿らしくなったし、素直に申し訳ないと思う気持ちもあったから、申し出た。 一瞬キョトンとした顔をして、また楽しそうにクスクスと笑うアイツ。 「ありがと。  ...じゃあ、一緒に片付けちゃおっか?  その方が、早く終わるし!」 「...だな。」 その提案に素直に従い、二人でちゃちゃっと後片付けを済ませた。 そしてヤツは食後のコーヒーを、俺はコーラを飲みながら、今後の事について話し合った。 そこで生まれた、ルールが3つ。 ①周りにばれると面倒なので、なるべく各々の真似をして、何事もなかったふりをして過ごす。 ②その為に、お互いの事をよく知る努力をする。 ③体の管理は、現在の所有者が各々責任を持って行う事。 しかし阿呆な俺は、この時はまだ気付いていなかったのだ。 ...一見なんて事ない、オマケみたいな感じに見えるルール③に潜む、その凶悪性に。

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