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健全、かつ不健全
「ふぅ...お先。スッキリした。
着替えは出しといたから、大悟も早く入っちゃいなよ。」
頭を拭きながら、言われた。
「ん、ありがと。
じゃあ俺も、入ってくるわ。」
ノソリとソファーから、起き上がろうとしたんだけれど。
そこでにっこりと微笑んで腕を掴まれ、耳元で囁かれた。
「ねぇ、大悟。
大悟も一回、抜いといた方がいいんじゃない?」
...は?
コイツ今、爽やかな顔して何言った?
その意味を理解した瞬間、一瞬の内に全身が赤く染まるのを感じた。
「はぁっ!?おま...何言ってんのっ!?
つーかお前...も 、って...も って事は、お前...まさかっ!!」
みっともないくらい動揺し、叫んだ。
「だって俺達、健全な男子高校生だし?
暴発とかして後で困るの、嫌じゃん。
...ちなみに俺、絶倫なんで。
毎日平均2~3回シてるから、ちゃんと抜いとかないとキツいと思うよ?」
「無理っ、嫌だっ、したくないっ!
つーか何勝手に俺の体に...信じられないっ!」
ふぅふぅと息を荒げ、殺気だった猫みたいに睨み付けた。
すると木内はぷくくと笑い、そのまま俺の。
...まぁ実際は木内の体を、ソファーに押し倒した。
「最初だから、俺の体が一番気持ちいいやり方教えてあげる。
その方が、手っ取り早いでしょ?」
は?は?は?
コイツ、馬鹿なの?お馬鹿さんなの?
怒りを忘れ、目が点状態な俺。
そんな俺を易々と組み敷き、妖艶な笑みを浮かべる、木内in俺。
するすると脱がされた、制服のズボン。
更に下着までずり下ろされて...。
嫌な汗が、背中を伝った。
え...、これ、ガチでヤバくね?
「大丈夫だよ、大悟。
これは俺の、体だから。
俺が俺の体を、自己処理するだけ...ね?」
頬に寄せられた、唇。
ちゅっ、と音をたてて離れたそれは、柔らかくて...心地よくて。
完全に力が抜けたのを確認して、そっと伸ばされた指先。
「それに触れるのは、大悟の指だから。
ね?こわくない...気持ちいいだけでしょ?」
優しい口調で、諭される。
すると頭も体もふわふわの、とろとろに蕩けてきて。
...もっとして欲しいって、思ってしまった。
後から考えたら明らかにおかしな事を言われてたのに、気付くと流されてた。
優しく俺に、気持ちいい動きを教え込んでいく、指先。
「...ここ、気持ちいいでしょ?
カリのところはこうやって、指で輪っかを作って扱くと...ほら、もうバッキバキ。」
鈴口から溢れ出した透明の液体を伸ばすみたいにして、耳元で甘く囁きながら施され、教え込まれる卑猥な行為。
コクコクと頷きながら、ただそれを受け入れ、されるがまま翻弄され続けた。
自分の体とは比べ物にならないくらい敏感な、木内の体。
こんなに、違うもんなの?
こんなの...気持ち良すぎる。
「あは...、可愛いなぁ、大悟。
そろそろ、イきそう?
いいよ...我慢しないでイっちゃえよ。」
耳朶に舌を這わされて...そしてその唇は、いつの間にか俺の唇を覆っていた。
こうして俺はコイツの手で、キスで吐息までも奪われた状態で、情けないくらい簡単に堕とされ、イかされた。
でもアイツの手の中に白濁した液体を全部吐き出した瞬間...我にかえった。
「お前...殺すっ、今すぐぶっ殺すっ!」
想定の範囲内だったのか、殴り掛かろうとする俺の拳をひょいと避け、手にかかった体液をティッシュペーパーで拭いながらクスクスと楽しそうに笑う木内。
「んー...今俺がもし、死んじゃったとしてさぁ。
一番困るの、大悟なんじゃない?」
くっ...、確かにっ!!
ぐぅの音も出ない、って言うのはきっとこういう状況の事をいうのだろうと、身を持って知った。
「...元に戻ったら、絶対殺す。」
羞恥のあまり泣きそうになりながら、鼻をずずっとすすり上げ、睨み付けた。
「それも、困る。
俺はまだ、死にたくなーい♪」
木内は俺の事を見つめたまま尚も笑いながら、全く困ってない感じで言った。
...やっぱコイツ、嫌いだ。
瞳の端に滲む涙を拭い、ソファーから起き上がると、汚された体を清めるため無言で浴室に向かった。
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