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模倣
「アイツだけは、マジで許さんっ!」
やたらと高級そうなボディーソープを、これまたやたらと高級そうなタオルに取り、泡立てた。
そこから薫り立つのは、さっき俺を辱しめ、好き放題弄びやがった木内と同じ匂い。
視界に映るのはいつもの貧相な俺の体じゃなく、無駄な贅肉何てもんは全て削ぎ落とされたかのような、まるで美術の時間に教科書で見た彫刻みたいに綺麗で、鍛え上げられた肉体。
「くっ...、ホント最悪だ。」
再び、涙目になる俺。
力任せにごしごしと、体を擦り洗う。
しかしそれが胸に触れた瞬間...またしてもやらしい声が出た。
「ふぁ...んっ...!
はぁっ!?ちょ...あの変態、マジでふざっけんなっ!」
思わず、叫んだ。
...が、しかし。
さっき一回イかされ、敏感になっている体。
...正直ちょっと、興味もあった。
今度は泡を指先に取り、それでそのまま乳首にそっと触れてみた。
ビクンと震える、俺in木内の体。
何これ。ヤバ...。
声を圧し殺したままそこを摘まみ、転がした。
『...ちなみに俺、絶倫なんで。
毎日平均2~3回シてるから、ちゃんと抜いとかないとキツいと思うよ?』
無駄に卑猥な木内の囁く声が、脳内で自動で再生された。
「...はは、確かに。」
さっき出したばっかりだってのに、再び大きく隆起し始めるアソコ。
心底げんなりして、変な笑いが溢れた。
つーか、さっきは頭がボーッとしてたからあんま分かんなかったけど、ここもアメリカンサイズかよっ!
デカけりゃいいってもんじゃねぇからな、クソっ!
まぁでもアイツも勝手に俺の体、抜いた訳だし?
それに各々で体を管理するっていう、ルールその③にも当てはまるしな?
誰が聞いてるでもないのに、言い訳みたいにそんな事を考え、そこにそっと手を伸ばす。
『...ここ、気持ちいいでしょ?
カリのところはこうやって、指で輪っかを作って扱くと...ほら、もうバッキバキ。』
アイツに教えられた動きを模し、夢中で手を動かす事で、再び快楽の波に飲まれていく体。
イったばっかで少しだけ余裕もあったから、二回目はさっきよりも時間を掛け、今度は自分のペースでその感覚を楽しんだ。
『あは...、可愛いなぁ、大悟。
そろそろ、イきそう?
いいよ...我慢しないでイっちゃえよ。』
限界に達した、その時。
...頭の中で、木内がまた甘く囁いた。
その言葉に従うみたいにして、俺は今日二度目の白濁した体液を手の中に吐き出した。
「はっ...、ドロドロ。
...つーかコイツの体、気持ちよ過ぎだろ。」
手をブンと動かし、そのドロドロした液体を床に振り落とす。
浴室内に籠る、何とも言えない雄特有の匂い。
流石に居たたまれなくなり、慌ててシャワーで全て洗い流した。
正直これまで自慰なんていう行為に、ここまで溺れた事はなかった。
勿論嫌いって訳では無いし、ネットで好みのオネエサンが出てくる動画を自ら漁る事だってあるけれど。
もしかしたら俺の体...あんま感じにくい方なんだろうか?
それともコイツの体が、敏感過ぎるだけ?
そんな事を、一瞬考えた。
だけどすぐに、答えは出た。
「んなもん、どっちでもいいわ...ド畜生っ!!」
一人叫び、泡だらけのタオルを浴室の床に放り投げた。
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