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愛しいって、たぶんこういう事。

風呂上がりだってのに、パジャマのズボンに伸ばされた、木内の骨張った男らしい指先。 「ここ、もうちょっと勃ちかけてる。  …大悟も、期待してる?」 熱い吐息とともに、耳に吹き込まれた言葉。 「はぁっ!?  ただの生理現象だっつーのっ!  やっぱ離せ、この変態がっ!」 ジタバタと、腕の中で暴れた。 でも大悟はクスリと妖艶に笑い、下着ごとズボンを下ろした。 「ここは、こんなに素直なのにね?」 俺の事を組み敷いた状態で、顔を下に下げていき、そのまま木内の唇は、軽く俺の愚息に触れた。 「…っ!?」 予想外の行動に、一瞬動きが遅れた。 その隙をつくみたいにして、パクンとそれをくわえる、変態王子。 「な…な…なっ!?」 ようやくこの状況に頭が追い付き、激しく動揺する俺。 そんな俺の顔を見上げたまま、楽しそうに舌と唇で奉仕を続けるコイツ。 これまで自慰行為をした事はあったけれど、それとは全く別の次元の、未知の快感。 拒絶したいのに、あっという間に俺は快楽の波に飲まれ、ただ木内の頭を抱き締め、溺れた。 反応を窺うみたいに探られ、乱されていく。 俺の口から溢れるのはもはや吐息ではなく、甘えたような、求めるような喘ぎ声。 「や…めろ、出る…っ!」 流石にコイツの口内に射精するのは抵抗があり、顔を離そうと試みた。 でもこの馬鹿はそれを許さず…俺は木内の口の中に、本日三度目の精を吐き出した。 そしてそれを、迷う事無く飲み込む姿を見て…愕然とした。 「お前…信じられねぇ。  嫌じゃ、無いのかよっ!?」 半泣きで、叫んだ。 すると木内はニヤリと笑い、口元を指先で軽く拭った。 …何この、卑猥な生き物。 それから木内は、ちょっと意地悪く答えた。 「別に?  他のヤツのなら死んでも嫌だけど、大悟のだもん。」 コイツ…俺が恥ずかしくて悶絶すんの分かってて、やってんだろ。 何が爽やか王子だ、この腹黒め。 でも苦情を言う前にぎゅってまた抱き締められ、そのまま頭を撫でられた。 そして体と体…主に下半身が触れ合った事で、嫌でも気付かされた。 …コイツも、興奮してるって事。 さっき風呂場で見たアメリカンサイズの木内ジュニアの姿を思い出し、またちょっとこわくなった。 これからあの凶器を俺の中に、突っ込まれるんだよな? …俺のケツ、割けないか? 確認の意味を込め、彼のあそこに手を伸ばした。 ビクン、と震える木内。 ぁ…なんか、可愛いかも。 その瞬間俺もちょっとだけ、木内の気持ちが分かった気がした。 …俺ももっと、コイツが感じてるとこ見てみたい。 「…やられっぱなしは、好きじゃねぇから。」 言い訳みたいに、呟いた。 驚いたように見開かれた、木内の青い瞳。 さっきとは逆には木内を押し倒し、今やられたばかりの動きを真似て彼が着ていた衣服をずらし、股間に顔を埋めた。 再び優しく俺の頭に触れる、大きな手のひら。 少しだけまだ迷いながらも俺は覚悟を決め、そこに舌先を這わせた。 「ん…っ、ホント負けず嫌いなんだから。」 クスクスと笑う、木内。 うっせぇよ、馬鹿。気付けよ。 …負けず嫌いだけ(それだけ)で男相手にこんな事、する訳無いじゃん。 でも俺はその言葉は口にせず、無言のまま気持ちよく何ともないこの行為に没頭し、溺れた。

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