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※第21話
ユキオは自尊心が人一倍高い。
滅多なことではそのプライドを捻じ曲げるようなことをしないのは俺がよく分かっていた。
こいつにこんなことまでさせておいてぐだぐたと言ってられない。
変わっていく関係は怖い。
それでも、俺はユキオと一緒にいたい。
ユキオが好き。
それだけはきっとこれからもずっと変わらない。
縋り付くユキオを俺は一旦引き剥がした。
それに対して顔を上げたユキオの表情は拒絶されたとでも勘違いしたのか、目尻に涙を溜めて泣きそうに歪んでいる。
勘違いを助長する前に俺は慌てて言葉を繋いだ。
「ちげーっての。…………順番めちゃくちゃだけどちゃんと言わせろ。ユキオ、」
俺はしっかりと青の瞳を覗き込んだ。
澄んだ瞳に自身の姿が映り込んでいる。
それを眺めながらはっきりと言葉にして伝えた。
「お前が好きだ」
暫くは言われた意味を処理し切れていないのかポカンとした顔をしていたが、ようやく思考が追いつくとユキオはぐしゃりと顔を歪める。
そうした後で両腕を顔の前に交差して顔を覆いながらぐすぐすと泣き始めた。
結局泣かせてしまうことには変わりないらしい。
震える肩を抱き締めながらようやく言えた言葉に俺は心底安堵していた。
「ホントに……?嘘だったら殴る」
そう強がりながらもユキオの肩はいっそ可哀想なほど震えている。
だというのにその姿にすら愛らしさを覚えて無理矢理腕のガードを退かせるとその顔を覗き込んだ。
鼻まで真っ赤になって、瞳からはぼろぼろと大粒の雫が落ちてくる。
ぐすぐすと泣きながらもユキオは変わらず綺麗だった。
溶けそうなほど潤んだ青の瞳が愛しい。
「嘘じゃねーよ。付き合って欲しい」
俺はそっとユキオの瞼にキスを落とした。
泣き止みはしないが視線はこちらを向いたままだ。
その目を覗き込みながら俺はそのままおでこにキスを落とす。
次は真っ赤になった鼻。
その後で唇に触れ合うだけのキスを送る。
何度も何度も、ユキオが泣き止むまでそのまま触れるだけのキスを続けた。
「……ン……ふっ」
だんだんと緊張が解けて唇から小さな吐息がもれ始める。
その隙間を縫うようにして俺はユキオの口内に舌を差し入れた。
「ん……はぁ……っ、」
「ゆきお……好きだ」
吐息の合間からもう一度告白すると絡める腕の力が強くなる。
「お、れも好き……」
それだけ何とか絞り出すとまたユキオは顔を歪めた。
それを宥めるように抱き締めるとまたキスを繰り返す。
瞼へキスを落としながら指の腹で涙を拭うとむずかるように顔を背けた。
横を向いたことで露わになった耳へもキスをする。
「ん、ぁ……」
感じるのか、他よりも吐息が漏れた。
そのまま耳の下から首筋へゆっくりと降りていき、鎖骨までキスを降らせる。
その頃になると白い肌はピンク色に染まり始め、興奮からかだんだんと息が上がってくる。
服に手をかける直前、俺はユキオにお伺いを立てた。
「ゆきお、良い……?」
「……ん」
コクリと頷いたのを確認して、俺はユキオのシャツの胸元をめくり上げた。
そこに慎ましく存在する乳首を食む。綺麗なピンク色だ。
「……ぁ、」
ピクンと反応を返してくるのが可愛らしい。
気持ちいいというよりされると思わなくて反応した感がある。
ちゅっちゅと何度もキスするように乳首を愛撫すると恥ずかしさでユキオが顔をそらした。
ぷくりと膨らんできたそれを舐め上げる。
反対側はくにくにと押すようにするとユキオは背中をのけぞらせた。
「気持ちいの?」
「ン……っ、分かんない……!けど、なんか」
恥ずかしい、と枕を片手で抱き寄せそこに顔を埋めるようにして呟く。
あー、可愛い。
普段からは想像つかない程しおらしい様子に思わずこちらまでカッ、と頬に血がのぼる。
いつかここでも気持ち良くしてあげたい。
しかし割と今は俺もいっぱいいっぱいだった。
「可愛い」
最後にもう一度ピンクの先端部分にキスをすると今度は下へとゆっくり降りていく。
鳩尾からお臍へ。
そして腸骨にもキスを落とす。
「……んぁ、そこ……やだ」
流石にくすぐったいのか、身をよじるようにして腰をくねらせる。
普段ならなんとも思わないのだろうが、今はとても官能的だった。
さらにその下へと移動したいところだが、ズボンが邪魔をしている。
「なぁ、脱がしていいか?」
「も、いちいち聞くなばか!」
了承を得られたので俺はユキオの下を脱がしにかかった。
「ユキオ腰浮かせて」
「ん、」
ズボンを下ろすとそのまま足の方まで抜き去る。
そうして改めて見てみるとユキオのモノは既に反応していた。
「かわいい」
「――っ!!うるさいっ!お前だって人のこと言えないだろう!」
「う、ァ……っ!」
何処を見ているのか気づいたユキオが真っ赤になって怒鳴る。
そのままユキオは俺の下半身に足を這わせた。
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