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出来損ない_16

無理強いされることなく手が避けられ、藍澤の視線が俺の昂りに注がれる。 き、気まずすぎるだろ…これは……。 「目、閉じて」 「見なきゃ触れられない」 「俺が誘導するから。いいから、閉じろ」 「………分かった」 些か不満そうに瞼が降ろされる。 「絶対開けんなよ」 「分かった」 念押しに頷きを返されて、小さく息を吐いた。 ジーンズに触れる自分の手は震えていて、上手く脱げない。 「……脱がしてやろうか?」 目を瞑ったままの藍澤が痺れを切らしたのか、そう提案してくる。 「いい!………脱げた」 膝の辺りまでずり下ろしたジーンズと下着。 下着は案の定濡れてしまっていて、恥ずかしさのあまり直視したくない。 意を決して、藍澤の手を取り自身の昂りまで近付ける。 「……お願いします」 「……目は?」 「閉じたまま」 「分かった」 当たった指先が形を確かめるように昂りを辿り、大きな掌がそれを包み込んだ。 「あ……っ………!」 温かな感触に身体が跳ね上がる。 人に触られる初めての感覚に、心臓が煩いぐらい鳴った。 「痛みは?」 軽く握り込まれ、藍澤は確認するように問う。 「へ、いき……っ……」 「じゃあ動かすぞ」 それを合図にゆるゆると手が動き始めた。 「ぅあ……んっ………」 絶妙な力加減で上下に扱かれ、口からは止めどない声が漏れ出す。 これ、俺の声………? 一体どこから出しているんだろうと疑いたくなるほど甘い響きだった。 これ、嫌だ……。 咄嗟に自身の手で口を覆う。 「んっ……ふ……っ……ん」 息しづらい……けど、声も出したくない……。 「ふ……んう……っ………んん……っ」 「七瀬?」 眉間にシワを寄せた藍澤が俺を呼ぶ。 でも手を離したら声が溢れ出してしまいそうで、外せない。 昂りを扱く手は止まらないまま、空いていた藍澤の左手が手探りで俺の顔を探し当てると、何かを確かめるように口許を塞ぐ俺の手に触れた。 「ああ、なるほど。良かった、ちゃんと感じてるな」

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