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遅咲き_25
絶対屈したりするもんか………。
「はっ、上等じゃねぇか」
怒りを含んだ男の声を聞きながら、俺の身体は路地裏の地面へと投げ出された。
「気が変わった。今すぐヤってやるよ。安心しな。こんな雨ん中、しかもこんな細い路地裏じゃ誰も気付きやしねぇ」
「くっ………」
「身体も洗えて良かったじゃねぇか。なぁ?」
距離を取ろうと地面を這ってみたけど、そんなものすぐに捕まって、身体を組み敷かれる。
「やっ………」
「ほら、見てみろ。しっかり勃起してるぜ?」
濡れて張り付いたジーンズを押し上げる俺の昂りを乱暴な手つきで握り込まれ、身体が強張った。
「あ………っ……やぁ……」
気持ち悪くて鳥肌が立つのに、昂りだけは俺の意思に反して脈を打つ。まるで刺激に期待するように…。
被さってくる男から少しでも逃れたくて顔を逸らす。
「はっ、そんな事してもお前の腰は俺の手に押し付けてくるぜ?気持ちいいんだろ?」
「……やっ……るさ…ぃ……」
「そこも、そんなに無防備に晒して良いのか?」
顔を逸らしたせいで晒された項のキスマークに、男の舌が再び這う。
「…………っ!…うっ……んぅっ………」
途端に襲ってくる嗚咽感に息を詰めた。
絶対吐くもんか……こんな奴の前で………。
「頑張るじゃねぇの」
昂りから手が離れたと思ったら、耳にはカチャカチャとベルトを外す音が聞こえて、堪らず視線を落とした。
案の定ベルトに掛かっている男の手に慌てて止めようと試みるものの、全く意味を為さない。
「や、やだっ……やめろ、嫌だ!」
「慌てたって今更遅ぇよ!」
下着ごとジーンズをずり下ろされれば、恥ずかしいぐらいそそり立った昂りが男の目に晒される。
「見てみろよ、今にも射精しそうだな」
「やだ、見るな、見るなっ……!」
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