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αとΩ_3

side ### 長谷さんの提案で奇妙な関係が始まった。 人肌がないと眠れないと言う彼は、僕の頼みを聞いた代わりにたまに一緒に寝てほしいのだと言った。 「いらっしゃい、中へどうぞ」 その時交換した番号から連絡があったのは二日後。 招かれたのは長谷さんの家だった。 「お、お邪魔します」 「うん。お茶でいいかな?」 「はい、大丈夫です」 「OK、待ってて」 通されたリビングはとてもシンプルだけれど、窓辺に置かれた観葉植物が目についた。 近付いてみると手入れがよく施されているのが分かる。 立派だなぁ……なんて植物なんだろ? 「なーにしてるの?」 声に振り向くとお茶が入ったグラスを片手に長谷さんがリビングへと入ってくる所だった。 「あ、ごめんなさい」 「別に良いよ。興味あるの?」 グラスをローテーブルへと置いて、長谷さんは僕の隣へと並んだ。 「少し。何て言う植物なんですか?」 「テーブルヤシだよ」 「長谷さんってこういうの好きなんですか?」 「うん、まあ……お世話するのは嫌いじゃないかな。意外?」 「ちょっと……」 「はは、素直だなぁ」 笑われて失礼だったかと、頭を下げた。 「ご、ごめんなさい」 「え?いいよ、いいよ。怒ってないし。僕もそう思うよ。これね、元々僕のじゃないんだ」 「貰い物ですか?」 「うーん……捨てられ物、かな」 長谷さんの手がテーブルヤシの葉を撫でながら、慈しむような笑みが顔に浮かんだ。 「君と、一緒だね」 何と返せば良いのか僕は分からず、長谷さんの指先を目で追う。 「なーんてね」

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