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αとΩ_4

その指先が葉を弾いて、ソファーの方へと移動していく。 「こっち来てお茶どうぞ」 腰掛けた長谷さんはポンっと隣に手を置いたので、大人しくそこへと腰を下ろす。 「郁弥くんって本当に素直なんだね」 「それって褒められてるんですか?」 「うーん、どうかな?はい、お茶」 「ありがとうございます」 手渡されたグラスを受け取って、一口お茶を流し込む。 「美味しいです」 「良かった」 笑う長谷さんも同じようにグラスに口付けて、喉を鳴らす。 柔らかな見た目に反して男らしい喉仏に妙に色気を感じた。 「ん?何?」 「い、いえ……その、思ったより喉仏あるなって思って……」 「喉仏?」 長谷さんは自分の喉仏に触れながら、そうかな?と呟き徐に僕の方へと視線を流した。 「でも確かに……郁弥くんは全然ないね」 そう言った長谷さんは伸ばしてきた手で僕の喉元を確かめるように撫でる。 「………っ……ぅぁ……」 冷たい指先に身体が跳ねて、驚いた様子の長谷さんが手を引いた。 「あ……ご、ごめんなさい…。手が、その冷たくて……」 「ああ、お茶持ったからかな」 すぐにいつもの笑顔を取り繕ってくれたけれど、何だが気まずい空気が流れる。 「………郁弥くんは僕が怖い?」 「え?」 「言い方変えようか。αが怖い?」 問われたことのない問いに、僕は言葉に詰まった。 怖い?αが…………? 「………そんな風に考えたことないです」 「……そうなんだ?意外だね」 「意外ですか?」 僕の隣で長谷さんは笑いながら、意外だよと答えた。

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