144 / 152

不能_25

藍澤の長い指が俺の愚息に絡んで、躊躇いなく上下する。 「気持ちいいか?」 吐息混じりの声音が鼓膜を揺らす。 たったそれだけの事なのに、身体は跳ねるほど反応する。 「ん、きも、ちぃ……」 「舌、出して」 「んっ……」 素直に従えば藍澤は嬉しそうに微笑みながら、舌と舌を絡ませた。 それは深いキスへと変わって、飲み込めない唾液が口の端から溢れ伝う。 自然と腰が揺れて、内腿が痙攣する。 「あ……ごめ、もぅ……出そ……」 限界を訴える俺に藍澤はまたキスをして「好きなだけイけ」と諭してくる。 「あ……ぁっ……も、い…っ――〜〜っ」 狙ったようにモノの先端を抉られて、俺は呆気なく精を吐き出した。 「……ハァ……っ……ハァ…」 「……濃いな。我慢は身体に良くないぞ?」 「んぇ……?――!!ばっ、何舐めてんだよ!?」 「何ってお前の精え――」 「そういう事じゃねーの!ああ、もう!拭けってば!!」 手についた白濁を綺麗に舐め取ろうとする光景に耐え兼ねて、サイドボードにあったボックスティッシュを押し付けた。 「別に平気だ」 「俺が平気じゃないんだって!変態!」 残念だと笑う藍澤は大人しくティッシュを受け取る。 拭き取る様子を横目に、チラリと見た藍澤のモノはピクリとも反応してない。 やっぱ、全然勃起しないんだ……。 「これで寝れるだろ?」 「うん……」 「どうした?」 「ううん、何でもない。気持ちよかった、ありがと」 「ん、おやすみ」 「おやすみ……」 藍澤に触られて気持ちよくて、幸せだった。 けど俺は……藍澤に同じ幸せを返せないんだな。

ともだちにシェアしよう!