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せめて 抱きしめて〜承〜 8
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それ以来、ボクは週1〜2回はセフレの相手をして、他の日は剛さんに会いに行くという生活を送っていた。
ボクが男とセックスするだなんて、夢にも思っていないだろう剛さんを、騙しているみたいで少し気が引ける。
それでも、あいつらの相手もしないと、剛さん達に何かするんじゃないかと不安だから、仕方ない。
月日はあっと言う間に流れて、一学期が終了していた。
剛さんと出会ってからもうすぐ3カ月になろうとしている。
春の穏やかな気候は、凶暴とも言える暑さに変化していた。
毎日うだる暑さにも負けず、剛さん達柔道部は練習を欠かさない。
8月半ばに大会があるので、酷暑の中、冷房が設置されていない柔道場で、練習に励(はげ)んでいた。
ボクは、夏休みに入っていたので、なるべく毎日柔道場に行っていた。
冷たい飲み物の用意や、軽食を用意したり、首に当てられるように小さい冷却ジェルを凍らせて持って行ったりした。
燿子さん一人で全員分は重いくて、持ち運びが大変なので、ボクが三分の一くらい担当していた。
本当は半分くらい担当しなくちゃいけないけど、ボクも体力がないので、剛さんが用意してくれている。
そうやって練習に行ける日は嬉しいけど、学校のセフレの先輩から連絡が来ると、そっちに行かなきゃいけないのが、嫌だった。
練習が終わって、みんなで夕飯に行こうとしている中、ボクは一人で帰る。
みんなには友達と約束があると言っている。
本当は行きたくない。
行ったって犯されるだけだから。
本当はみんなと、剛さんともっと一緒にいたい。
それでも、行かなきゃ。
自分で蒔(ま)いた種だから。
そんなある日。
誰にも呼び出されなかったので、ボクは練習後の夕飯に一緒に行くことができた。
みんなでご飯を食べて帰る時に、剛さんが家まで送ってくれると言ってくれた。
「でも・・・そんな遠くないし、大丈夫です」
遠慮するボクに、剛さんは頭を軽く撫ぜてくれる。
「いいから。もう暗いし、千都星は可愛いから心配なんだ」
可愛いと言われて、顔が赤くなるのを感じる。
剛さんに言われるのは、嬉しい。
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