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せめて 抱きしめて〜承〜 19

「千都星・・・ダメだ、そんなことダメだ」 剛さんがボクの頭を撫ぜる。 周りには誰もいないんだから、ボクは剛さんの制止を聞かず、ひたすらしゃぶっていた。 さっきよりも大きい。 丹念に舐めていると、それはどんどん大きくなっていく。 唾液で濡らして、ぴちゃぴちゃと音を立てながら、ボクは剛さんのものを夢中で舐めて、吸っていた。 口の中が剛さんので一杯になる。 ああ・・・どうしよう・・・今までで一番おっきい・・・。 早く挿入れたい。 下から舐めて、カリの部分を舌先で突(つつ)いた。 ビクッと口の中で震える。 もうイきたそうに腫れ上がっている。 ボクは口全体を使って吸い上げた。 剛さんの精液を飲みたい・・・全部、全部飲みたい。 一つになりたい。 いつも無理やり飲まされているけど、今は違う。 剛さんのが飲みたくて仕方ない。 「千都星!ダメだ!・・・くぅっ」 剛さんが短い声を上げると、口の中に一気に精液が放たれた。 独特の味と匂いを持っているそれを、ボクは一気に飲み干す。 今まで飲んだ中で、本当に美味しいと思ったのは、初めてだった。 ボクが剛さんのを口から出すと、剛さんは大きな手でボクの頭を撫ぜた。 「ばか・・・飲まなくてもいいんだよ」 ボクはくすっと笑って、剛さんを見上げた。 「剛さんのを・・・飲みたかったんです・・・」 「千都星・・・」 「剛さんのだから・・・飲みたかった・・・」 剛さんがボクを抱き寄せた。 そして耳元で優しい声で、 「抱いていいか?」 と、囁く。 その声に欲望がにじんでいる。 吐息が耳にかかって、背筋がぞくぞくした。 初めて、本当に抱かれたいと思った。 この人のものに、なりたかった。 こんな風に優しく言われるのは初めてだった。 今まで酷い言葉ばかり投げつけられていたから。 ドキドキする。 剛さんといると初めてのことだらけだ。 優しくされるのも、求められるのも、好きだと言ってもらえることも。 心臓がこんなに早くなるなんて知らなかった。 「抱いて・・・ボクを抱いて下さい」 剛さんがボクをゆっくりと横たえる。 背中に地面の感触。石とかが落ちていなくて良かった。 草に夜露(よつゆ)が付いているみたいで、少し冷たい。 ボクは早く剛さんに抱いて欲しくて。自分のズボンのベルトを外した。 「オレが脱がせたいんだけど」 「え?あ・・・」 そんなこと言われたのも初めて。 何だか初めてのことばかりで、本当に心臓がものすごく早くて・・・死んじゃいそう。 剛さんはボクのズボンと下着を脱がせると、少し離れた所に置いた。 下半身が剥(む)き出しなので、風が吹くと寒さを感じる。 剛さんは、草の上に寝っ転がった状態のボクに覆いかぶさると、丁寧にキスをする。 「・・・ごめん、どうすればいい?」 困ったように眉根を寄せて聞いてくる。 思わず笑ってしまう。 可愛いと思った。

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