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せめて 抱きしめて〜承〜 22

「ああっ・・・やぁっダメぇ・・いきなり激し・・・いいぃ!・・・やだっ、しぬ・・・しんじゃう・・・っ!」 「ごめん、もう止まんない」 剛さんが腰を動かす度に、奥までずぷずぷに突かれて、快楽に全身が支配される。 脳味噌が痺(しび)れる。 視界にちらちらと映っている光が、幻覚なのか星空なのかわからない。 何も考えられない。 気持ちいいってことしかわからない。 今まで、誰に抱かれてもこんなに感じたことはなかった。 腰も足も、全身から力が抜けて、自分の意思で動かせない。 体の中心まで入り込んだものが動く度に、お腹が圧迫されて少し苦しい。 でも、初めて大好きな人に抱かれている。 嬉しくて、嬉しくて。 涙が自然と溢(こぼ)れ落ちた。 今までの男に犯されて、苦しくて、痛くて、辛かった記憶が、少しずつ溶けて消えて行く。 好きな人に求められて、愛されている。 そう思うだけで、気持ち良すぎて、気が狂いそう。 「好き・・大好き・・・もう、もう・・・すごいのぉ!奥まで・・一杯だよぉ・・・!」 「千都星、千都星」 何度も何度も、名前を呼んでくれる。 それだけなのに、愛されていると感じた。 嬌声を上げながら、必死でしがみついていると、剛さんと目が合った。 獣のような欲情を瞳に浮かべて、ボクを見つめている。 優しさと愛情が見えた気がした。 ボクは剛さんの首筋にしがみついた。 こんな風に剛さんに甘えて、セックスが出来る日が来るなんて、思わなかった。 満天の星が目に入る。 あまりの美しさに泣きそうになる。 剛さんは、ボクの両膝の裏に腕を入れて、更にボクの足を大きく開かせると、地面に手をつけて、本気で腰を叩き付けて来る。 「すげぇ締めてくる・・・たまんねぇ・・・」 「ふああっ・・・ごめんな・・・さ・・・どうしたら・・いいか・・ああ、ああんっ・・・わかんな・・・うあああっしんじゃ・・・・!」 ピストンが激しすぎて、腰が追いつかない。 もう自分の意志で動かせない。 奥の奥の一番感じるところを、絶妙に突いてくる。 こんなに激しく動いているのに、痛みを感じない。 ただただ理性なんか保てないくらいの、異常な快楽しか感じない。 こんな経験は初めてだった。 こんなに気持ち良いのは初めてだった。

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