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せめて 抱きしめて〜承〜 24
*
剛さんが好き。
剛さんもボクが好きだと言ってくれた。
こんなこと、こんな幸せが訪れるとは思っていなかった。
ボクみたいのを好きになってくれるなんて。
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
どうしたらいいのかわからない。
どんな顔して会えばいいのか、わからない。
昨夜はあれから何度も草原で抱き合った。
何度もイかされて、気持ち良すぎて死にそうで、でも嬉しくって。
剛さんがぐったりと力尽きたボクを、部屋まで運んでくれた。
シャワーも浴びさせてくれて、ベットに寝かせてくれた。
その間、剛さんがボクの体を心配して、何度も謝っていたのを思い出す。
大丈夫だって言ってるのに、何度も謝るのが可笑しかった。
ボクもしたかったからいいのに、生真面目に謝ってきて。
可愛いと思った。
眠るまで傍にいてくれたことは覚えている。
目が覚めて隣にいないのは、きっと自分の部屋で戻って寝たからだろう。
ボクは脳が覚醒(かくせい)すると同時に、昨夜の痴態(ちたい)を思い出して異常に恥ずかしくなり、ベットからなかなか出れない。
閉めたカーテンの隙間から、朝陽が射し込んでいる。
朝になっちゃったらしい。
どうしよう・・・でももう起きないと。
でも剛さんとどんな顔で会えば・・・あああ・・・どうしよう。
そんな風にうじうじしていると、ドアをノックする音がした。
「千都星・・・起きてるか?」
剛さんの声。
ボクは慌てて、
「起きてます!」
と返事をして、毛布を頭からかぶった。
ドアが開く音がする。
「千都星・・・大丈夫か?」
足音が聞こえる。
ベットの横に止まると、端に座ったようで、ベットが軋(きし)んだ。
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