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せめて 抱きしめて〜転〜 12
「あああっん・・・いやぁ・・・!!」
心は拒んでるのに、体は正直で擦(こす)られて熱を持ち、溶けそうなくらい気持ちが良い。
彼が腰を引く度に、内部を掻(か)き回す度に、腰に重くて熱い快楽が生まれて、脳味噌を焼き尽くす。
「ああっ・・・っはぁぁぁああん・・・良いっ・・・やぁああっ!」
ボクは意識が飛びそうな感覚がして、思わず彼の首にしがみついていた。
ああ・・・もうダメだ・・・。
どうしょうもなく気持ち良い。
もっと、もっとして欲しくて堪(たま)らない。
不意に父の顔が浮かんだ。
眉根を寄せて、ボクを汚物を見るような目で見ていた。
汚いよね・・・お父さんがあんな目をするの、仕方ない。
知らずに自嘲する笑みが口唇を歪めた。
初めて会った男とセックスをするんだから、気持ち悪いって思われても、仕方ない。
父に対する当てつけだった。
こんな風に体を売ったのは、完全に当てつけだ。
彼は、ボクを激しく犯しながら、しっかりと抱きしめてくれる。
「すごいっ・・・だめぇ・・もうイっちゃう・・・!」
「いいよ、イって」
そう言って彼は、喘ぐボクにキスをする。
舌を搦ませながら、更に奥へ奥へと腰を動かす。
優しくボクを抱きしめながら、激しいキスをしながら、ボクを内部から壊そうとしている。
剛さんが脳裏に焼き付いているのに、どうしようもなかった。
気持ち良くて、死にそうで、もっとして欲しくて。
もっと、もっと犯されたいと。
「もっとぉ・・もっと奥まできてぇ・・!ふああっ・・・すごいぃっ!」
「・・・っ・・・淫乱・・・可愛い・・」
「ああんっ・・嫌い?・・淫乱なのイヤ?」
「大好きだよ」
彼は微笑みながら、キスをする。
ボクは自分から舌を搦ませる。
止まらない。
気持ち良すぎて、やめたくない。
ごめんなさい。
剛さん、ごめんなさい。
でも、これがボクなんです。
セックス大好きで。
快楽に弱くて。
誰とでも犯っちゃう。
でも、それでも。
好きなのは剛さんだけ。
大好きなのは、貴方だけなんです。
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