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せめて 抱きしめて〜転〜 22

剛さんは腰の速度を落とさずに、ボクの奥の奥までずぶずぶに犯してくれる。 奥が熱くて、熱くて溶けそうになる。 何も考えられなくて、ひたすら腰を動かして、もっとして欲しいとねだり続ける。 剛さんよりも全然小さいボクのが、イキたそうに震える。 「ああっ・・・もう、もうダメ・・・イク・・・ああ〜〜〜っ!!」 ボクが全身を震わせてイクと、剛さんが腰を更に叩き付けて来る。 ぱんっぱんっと大きな音がお風呂場に反響して、恥ずかしい。 イった後にも続くピストンと、与えられ続ける快楽と、太いものがくれる熱に、嬌声(きょうせい)をあげること以外、何も出来なかった。 「ああっあっん、やぁあああっ、ダメぇ〜〜〜っ!!」 「っ・・・くぅ」 剛さんが短く呻(うめ)いて、ボクの中で射精した。 全部、全部出してくれて、嬉しい。 剛さんはボクの中から出ると、シャワーで汗と精液を流して、ぐったりしているボクを抱き上げると、脱衣所に出る。 パスタオルで水を拭き取ってくれる。 ボクは腰が立たなくて、体に力が入らなくて、全部剛さんに任せていた。 剛さんはまたボクを抱き上げると、裸のまま廊下に出て二階に上がる。 ボクは落ちないように剛さんの首にしがみついていた。 ボクの部屋に入り、ボクをベットに横たえると、剛さんは開けっ放しのカーテンを閉める。 冷房はつけっ放しだったので、部屋は涼しかった。 ボクは肌寒さを感じて、夏用の薄い羽毛布団をかぶる。 剛さんは、ベットに腰掛けるとボクの隣に横たわって、同じように布団をかぶった。 そして、ボクを引き寄せると腕枕をする格好で、優しくボクを包み込む。 ボクは剛さんの逞しい胸に顔を埋めた。 温かくて、心地好くて、目を瞑ってると眠りそうになる。 ふんわりとした心地に浸っていると、剛さんがボクの髪を梳(す)きながら、 「千都星・・・昨日、何があったんだ?」 と言いにくそうに声を曇(くも)らせた。 ボクはうっとりと瞑っていた目を開けて、ゆっくりと剛さんを見上げた。 心配そうな、剛さんの顔が見えた。 思い出したくもないことを思い出す。 剛さんがわかっていて敢(あ)えて訊いて来たのは、きっとボクを心配しているから。 ボクは剛さんから顔を背けて、再び広い胸に埋めた。 顔を見ながら話せない。 「・・・お父さんに見られてたんです」 「何を?」 「家の前で、キスしてたところ・・・誰だ?って訊かれて・・・」

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