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せめて 抱きしめて〜結〜 8
*
「・・・ああっ、はああん、いいっ・・・すごいぃっ!」
「千都星・・・もっとだ。もっと動け」
「はあ・・・はい・・ううんっ、ああっ!」
ボクは、客の上に股がって、自分で太い硬いものを入れて、体を上下に動かしていた。
膝が痛くなって来ている。
でも、そんなことを言う訳にはいかない。
客の要望に応えなくちゃいけない。
今日はIT企業の社長さんが客だった。
年齢はボクよりだいぶ上だけど、スポーツをしているので、引き締まった体が日焼けしている。
運動して、適度な筋肉がついている体が好き。
ボクは好んでそういう体の男を客にしていた。
少しでも、剛さんの身代わりにしようと思っていた。
夕方に電話が来たので、指定された時間に、指定されたホテルへ来た。
きちんとした高級ホテルの一室。
ベットは普通のダブルベットよりも広くて、激しく動いても落ちることはないだろう。
体を落とす度に、太いものが穴を押し広げて入って来る。
奥まで入れて、ぐりぐりと腰を回すと、色んな気持ち良いところが擦られて、好き。
「あああっ・・・もう、もう気持ち・・・いいっ・・・」
「千都星は本当に可愛いな。・・っく・・・もっと締めろ」
「ああっはいぃ・・・はあっはあ・・・気持ち良い、ですか?」
「ああ、いいよ。千都星が一番いい」
「嬉しい・・・」
ボクは体を倒して、客の口唇にキスをする。
口を開いて舌を差し出すと、搦め取られて、強く吸われた。
その間も、ボクは腰を動かして客をイかせるために、一生懸命奉仕する。
こういう商売は、自分じゃなくて客を気持ち良くさせて、イかせないといけない。
でも、ボクはいつも客より先にイってしまう。
それがいいと言ってくれる客も多い。
やっぱり男だから、自分のもので相手をイかせることが誇りらしい。
犯ることがなく、犯られるだけのボクには、絶対にわからない考えだった。
舌を離して、客がボクの頭を優しく撫ぜる。
長めの前髪がかきあげられる。
直毛なのですぐにまた髪が顔にかかった。
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