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せめて 抱きしめて〜結〜 13
「・・・抱けますか?」
「え?」
「あれから、何十人って男に犯され続けたこの体を、抱けますか?輪姦(まわ)されるのなんて当たり前で、お腹が痛くなるくらい中出しされて。ヤバい薬を打たれたこともあります。殴る人もいたし、首を絞める人もいた」
剛さんが苦しそうに眉根を寄せる。
ほら。
ダメでしょう?
貴方は真っ直ぐ育ったから。
ボクは歪んだまま大きくなったから。
「今だって、ついさっきウリをしてきたばかりです。中に客の精液が残ってますよ。体中舐めて、吸われて、犯されて。病気持ってるかもしれない。ねえ・・・こんな体、抱けますか?」
抱ける訳がない。
何処の誰が触って、口吻けて、突っ込んだかわからないんだから。
中を掻き回されて、思いっきり射精されて。
こんな汚い体に、触れたくないでしょう?
見たくもないでしょう?
ボクは剛さんが嫌悪感で一杯の瞳で見て、罵倒(ばとう)しながら逃げ出すのを見ようと、ずっと見ていた。
剛さんは、ボクの裸を冷静に、それでも優しい瞳をして見つめている。
どうして、そんな瞳で見るの?
以前と変わらない瞳で、どうして?
だんだん恥ずかしくなってきた時、剛さんは持っていた花束を床に置いた。
おもむろにジャケットを脱いで、ネクタイを外す。
そしてボクの方に近づいて来る。
思わず体が逃げようと、震えた。
それを見た剛さんがいきなり足を早めて一気に近づいたと思ったら、ボクが逃げる間もなく抱き寄せられた。
「やぁ・・・!!」
短い悲鳴を上げた。
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