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第4話
「民間の連絡船を乗り継いで待機地点まで行き、後から来る部隊と合流しろとの指令だ」
軽やかな女性アナウンスの声が流れる宇宙空港のロビーに設置された長椅子で、両脇にいる二人の兵士仲間に向かい、音羽は通信機に表示された軍からのメッセージを読み上げた。彼らが着ているくすんだ色の戦闘服や、椅子の傍らに置かれた軍の重たげな装備は、一般客の行き交う宙港ではかなり浮いている。
「待機地点までの移動にかかる費用は、自分持ちだそうだ。あと、罰金分が次の報奨から引かれる」
「やっぱそうか……そりゃあそうだろうなあぁ……」
それを聞き、天城は音羽の隣でうなって両腕で頭を抱えた。
「そりゃあそうだじゃねえよ!誰のせいで本隊からはぐれたと思ってんだ!」
音羽を挟んで反対側に座っている相模が文句を言う。
「テメェが余計な事やってたからじゃねえか!移動費持てよ!」
「お前、班長に向かってなんちゅう言い草だ!?」
天城が言い返すと、相模は下唇を突き出してそっぽを向いた。
「ケッ!こんな間抜けが班長だなんて涙が出らぁ!五十音順でテメェの認識名が一番初めに来るっていうだけの理由じゃねえか、階級は一緒だろ!くっだらねえ規定だ、全く!」
「なんだとォ!?」
いがみあっている二人を放っておいて椅子から立ち上がり、乗船券を買いに行こうとしていた音羽が、それを聞いて戻ってきた。親指で背後の列を指し示して言う。
「相模。お前が並べ」
「ええ!?なんでだよ!?」
「その規定で行くと五十音順で自分の認識名の方が先になる。よって相模、貴様が一番下っ端だからだ」
「こんにゃろー音羽、お前まで……くっそー、オラッ班長さんよ!金よこせ!金!」
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