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第14話
(んー、くすぐったい、、)
気分良く寝ていたが、何か違和感を感じ目が覚めた。寝起き特有の、ぼーっとした状態でいると、何か妙な感じがした。
チュっ、、チュ、、
ん?手が、動かない。んん??胸元がくすぐったい、、、?
「っえ!?なに?!!っつ、、腕?」
「裕太ー、やっと起きた?」
「星野?!」
目を開けると、俺は仰向けでベッドに寝ており、その手は頭上で一括りにされていた。そして俺の腹の上には、いつもとなんら変わりなく、ニッコリと微笑む星野がいた。
「‥え、何してんの、、?え、俺、マッパ⁈」
俺は裸でベットに寝かされていた。先程のおかしな感覚は、星野が俺の体にキスをしていた感覚の様だ。
(なんだこの状況⁈俺、騙されてんの⁈何かの罰ゲーム??イタズラ⁈)
余りに非現実的な状況に頭が追いつかず、考えが纏まらない。結果、ひたすら頭にハテナが浮かぶ。
「ふふ、可愛い。。ねぇ、裕太」
(可愛いって、、、)
俺の上で依然ニコニコ笑う星野が、先程までの星野と別人みたいだと感じた。いつもの嘘っぽさがなく、本物の感情がそのまま出ているような、やっている事に反してひどく人間っぽかった。
対する俺は、あまりの状況に言葉が一言も出ない。
「好きなんだ。」
真っ直ぐにこちらを見て、星野が言った。
「え?いや、益々分からん!なに?ふざけてんの??」
予想外の星野の発言に、更に混乱する。俺の混乱した発言を聞いた星野は、急に能面のような無表情になった。
「本気だよ。好きなんだ。だからね、付き合って。」
俺は目を見開く。星野が嘘をついてるように思えなかったからだ。
(‥本気かよ、、!)
こんな世の中だから、男性同士の恋愛もそう珍しくはない。相手がΩなら、男同士でも子を持てるからだ。けれど俺は男を恋愛対象とは見れない。
でも、お陰で少し頭がスッキリしてきた。星野が俺を好きだと言うなら、これまでの謎行動に説明がつく。更に、上手くきちんと断れば、この恐ろしい状況から解放されるはずだ。
「星野、、ごめん。気持ちは嬉しいけど、俺、男を恋愛対象には見れないんだ。」
全く嬉しくないし、恐怖しかないが、テンプレ通りの断り文句言う。
星野は依然として俺の上に陣取っており、依然として能面のような表情をしている。
(ってか、コイツ、告白の仕方!!サイコ過ぎるだろっ!!)
早くこの状況から解放されたくて焦る。心臓がドクドクと煩い。12月も終わりだと言うのに、冷や汗も吹き出してきた。
「だからごめんけど、手とか離してくれる?また友達として付き合おうぜ。」
早くー!祈るような気持ちで、言葉を選びつつ、しかしはっきりと言う。正直こんなサイコパスな告白されて、今後コイツと仲良く出来る自信はない。しかし一刻も早くこの状況から解放されたかった。
「そっかー。。うん。分かった。」
星野が、悲しそうに笑った。何故か申し訳ない気がしたが、無理なものは無理だ。
安心して体の力を抜いたのも束の間、星野が再度体を屈め、俺の身体への愛撫を再開した。
(えぇ⁈)
「ちょちょちょ!!星野!なんでっ、、
!」
てっきりこのまま解放されると思っていたので、意外な星野の動きに驚きが隠せない。
「さっき!!ついさっき、断ったよね⁈ごめんけど、無理だって!」
顔を上げた星野は、またいつも通りニッコリと笑った。
「うん。それは分かった。さっきのは、合意でヤルかどうかの質問だったから。合意なら、腕も解いてあげたんだけど、残念だったな〜。ダメだって言うなら、」
自衛反応に従い身体の前に持ってきていた俺の両手を掴み、その両手を俺の頭上へ持っていきながら星野は言う。
「無理矢理ヤルしかないよね。」
ふふっと、場違いなふんわり王子スマイルを浮かべると、俺の首筋に顔を埋めた。
「や、ヤルって、俺!男だから!女じゃないし、βだからっっ!」
唯一自由な足をバタバタ動かして騒ぐが、星野はびくともしない。俺の首元に顔を埋め、深呼吸する様に深く深く息を吸っている。気持ち悪いなっ!
「、、、ふふっ、」
星野が体を起こす。
「あーー、裕太の匂い大好き。」
話が通じなさすぎる。なんだ、この星野。怖すぎる。。
「男とか女とか、関係ないよね。」
星野が着ていたトップスを脱ぎながら、流し目でこちらを見下ろしニヤリと笑う。
あまりにも、いつもの王子様スマイルとの差があり愕然としていると、続けて星野は言った。
「だって、これから裕太は、俺のメスになるんだから。」
、、、え、、、なんて?
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