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第16話

「はぁ〜、、、。裕太の中、気持ちいい。やっと、やっと繋がれたね。やっぱり、好きな子の中は格別だね。」 星野が恍惚とした表情を浮かべ、感慨深げに言った後、ねっ。と同意を求めてくる。対して俺の気分は最悪だ。星野の事好きでもなんでもないし。それよりも、遂に変態にやられてしまったという謎の喪失感が大きい。何より最悪なのは、そんな最中でも気持ち良いと思う自分がいる事だ。 「やめろ、、、ぬけっ!、、あっつっ、!」 「ふふっ、、裕太って、感じやすいよね?」 星野が動き出すと、その気持ちよさは更に増して、怖くなる程だった。 そうだ。それが俺がセックスを避けてきた理由。Ωは快感を拾いやすいらしい。 「あっ、、あっ、、う、あぁっ!いやだっ、こんなの、、」 たまらず、いやいやと首をふりながら縛られた両腕で星野を押し返すと、やんわり頭上に持っていかれ、抑えられる。そしてキスされる。 「う、、うぅっっ!」 パチンっっ キスも行為もドロドロと気持ちよく、もう少しでまた逝ってしまうと思った所で、俺の下半身に何かがつけられた。えっ?と思って見上げると、にこりと微笑む星野。 「ごめん。裕太の匂いが濃すぎて、こっちの余裕がなくなる。。裕太と会ってから誰ともしてないしさ。ちょっと、俺が落ち着くまで少し我慢して。」 (いやっ!お前!お前が我慢したのなんてたった数ヶ月だろっ!俺はほぼ23年間我慢というかしてない!) とは言えるわけもなく、俺はされるがままに欲望を吐き出す事が出来なくなってしまった。 「っっ、、苦しっっ、!」 「大丈夫、大丈夫。だってさっ、」 星野が動きを速めると、ビクついた後大袈裟に俺の身体が震えだした。 「ーっ、、!」 目の奥が真っ赤に染まり、身体が明らかに快感の絶頂を感じていた。 「ほら、出さずに逝けた。だって最初に言ったでしょ。裕太を、俺のメスにするって。」 片方の口の端をあげ、ニヤリと星野が笑った。まただ。。再び黒い微笑みを浮かべる星野。いつものにっこりは嘘で、きっとこの微笑みがコイツの本性なんだろう。 いや、この変態の本性はどうでも良い。それよりも星野によって確かに自分が作り変えられる錯覚を覚えてしまい、恐怖が止めどなく溢れる。 星野はそれからも、しつこく、しつこく、何度も俺の体を弄んだ。 ---- 「裕太〜、裕太!起きてよ〜。お昼になっちゃうよ。」 泥のように寝ている体を、誰かにゆさゆさと揺すられる。 「うっ、、あ、、」 「ご飯作ったよ〜。温かいスープもあるから、食べちゃってよ。」 何事もなかったように、いつも通り、キラキラと爽やかな微笑みを浮かべる星野がいた。 昨晩の事は夢かな?と、期待を込めるも、視線を下ろすと、縛られた後がくっきりと浮かぶ手首が見えた。 (夢なわけがない。。) 「星野、俺に近づくなっ!そもそも、お前の飯なんか、食べれない!」 「‥うん。ごめんね。。昨晩は無理させちゃったかな。」 星野が申し訳なさそうに笑う。 「体もきついだろうから、まずはシャワー浴びて、服を着なよ。服は洗濯しておいたからさ。」 何かをうやむやにされた気がするが、確かに、星野が簡単に拭いてくれたようだが、全身がベタつく気がするし、酷く怠い。依然として裸だし、このままでは帰れそうにない。 「分かった。けどまず、お前はこの部屋から出てけ。あと、風呂場はどこだ?」 「出て右だよ〜。分かった分かった。」 パタパタと、星野が部屋を出ていった。とりあえず、一刻も早く星野から離れたかった。 ----- シャーーッ、、、 星野の家の浴室は、部屋同様広々としていた。 「はぁーー、」 そこにこだまする水の音と、温かいシャワーの温度に、張り詰めていた気が抜ける。とにかく散々な夜だった。星野はしつこいし、星野に与えられる快感を確実に拾う自分もいた。無理矢理与えられたものでも、快感を貪欲に感じる自分の体に、俺はΩなんだと改めて認識させられたようだった。 「くっ、、、」 いつまでもこうしてはいられない。さっさと処理して、この家を早く出たい。焦りを感じながらも、壁に手をつき自分の尻に手を伸ばし、星野が出したものをかきだす。しかし抵抗感が強く、上手くかきだせない。 「くそっ、、もう、最悪だな。。ふっ、、」 意を決して指を割れ目に入れるも、その指にすら僅かにむず痒いものを感じてしまう。 「くそっ、全部あの変態野郎のせいだっ!」 「そんな言い方感心しないなぁ。」 「うわぁっっ!」 あまりに必死だったため、気づかなかったが、すぐ後ろに星野が立っていた。

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