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第18話

「嘘、、俺、本当に帰れないの?ずっと??」 ひくりっ、と顔が引きつる。 (そんな事、、出来るの?いや、出来る出来ないではなく、コイツならやりかねないか。。) 絶望を感じ、呆然とする。また同時に焦りを感じた。俺はΩだから、妊娠出来てしまう。ヒート期間外であれば、確率はグンと下がるらしいが、このペースでやられてたら時間の問題だ。 (アフターピルって、何日前まで効果があるんだ。?3、4日前程度か、、?) こんな変態の子を授かりたくはない。そもそも変態以前に、俺は女の子と結婚したい。産むのでなく、産んでもらいたい。まさか自分がこんな事態に陥るとは夢にも思わず、ピルの知識も無に等しい。そんな自分を呪っていると、星野が微笑みながら諭すように話してきた。 「うーん、ずっと居てくれたら嬉しいけど、世間体もあるしそれは無理かなぁ。裕太との未来のために、本気で会社継ぎたいと考えてるしね。確か、3日と聞いてるよ。いや、3日にプラス1日で、4日かな?」 (なんだ?他人事?) 俺との未来とか、変な言い回しが妙に気にはなった。けれど俺の中で、コイツを狂った変態認定してからは、考えを理解する事を諦めているので、特に深く考えなかった。 「そんな事よりも、ご飯食べなよ。お腹減ったでしょ?」 ‥確かに、、腹が減っていた。星野の思い通りに事が運んでいるようでイラつきはするが、どうしようもないなら、せめて体力をつけ対抗策を練らねば。 3、4日なら、アフターピルで何とかなるかな。 「食べたら映画観ながらしよー」 ぱあぁ、と言う擬音がピッタリな程良い笑顔を浮かべ、星野が下衆な事を言ってきたため、意気込んだ気持ちが薄れる気がした。 --- 散々星野にやられまくって、3日の朝。風呂上りに、服を置きっぱなしにしていた寝室に向かった時それは起きた。 ドクン、、ドクン、、 (なんだ。。急に、、) 熱っぽい息が漏れる。最初は熱でも出たのかと思ったが、嫌な予感がして、とっさに寝室のドアに鍵をかける。 「ハァハァハァ…っっ‥ハァハァ…」 心臓がバクバク言い、体温が上がっている。いつもは抑制剤を飲むので、この感覚は久々だ。久々だけど、分かる。 ヒートが始まった。 (なんで、よりによって、ここで、このタイミングでなんだっ!) 汗が滲む頭を抱える。 コンコン… 焦る俺の心情とは裏腹に、軽いノック音が部屋に響く。 「裕太。凄くいい匂い…」 (やめろ、、、) 「始まったんだ…」 (やめろ やめろっっ!) 「ヒート…」 ドア越しでも、奴のにやけた顔が分かる。 ガチャガチャガチャ‥ 「ねぇ、開けてよ。大丈夫だよ。無理矢理に番おうなんて思ってないよ。抑制剤もこっちにあるよ?」 奴の言うことなんて到底信じられない。 「強情だなぁ。こんなドアすぐに蹴破れるよ。‥まぁ、俺としては、抑制剤抜きで、丸々1週間楽しめる方でも全然よいよ。そうだね、1週間あったら、おねだりさせたり、ゆうたが上で自分で動いてもらったり、、あっ、我慢させるのもいいなぁ〜、で、最後はもうこれ以上は出ません。許してーって 泣かせるの!」 奴が嬉々として恐ろしい話をしている。。 結局ヤル気なんだろ。 「うるせー!変態野郎っ!」 身体の熱は更に上がっているが、一方的に言われるのもしゃくなので叫ぶも、情けないほどに震えた声が出てしまう。 「‥ふっ、、声、凄い震えてるね。可愛いなぁ〜」 ほら、ドア越しに変態が喜んだだけだ。。 「まぁ、そんな手荒にしないから信じてよ!俺としては、ゆ裕太がΩだって分かっただけで、充分な収穫だったしさ。何となく、前から気づいたけど。」 無意識に、苦虫を噛み潰したような顔になる。 そうだ。なぜ、よりによってコイツに‥ 「まー、Ωだから、ヒートの時に人前に出たくないのは分かるよ。無理矢理に、番にされる事を警戒しちゃうんでしょ。けどさ、安心してよ。無理矢理になんてしないって。だって、」 嫌な感じだ、、、 「裕太から 番にして下さい って言わせる方法なんて、腐る程あるからさ。」 あぁ、、、 本当に最悪だ。

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