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第20話
コンコン、コンコン、、、
「裕太〜、早く出て来てよ。ご飯冷めるよ。」
大失態を犯した翌朝、俺は目が覚めると、隣で俺を愛おしそうに見つめる星野をベットから突き飛ばし、そのままトイレに篭城していた。もうヒートは落ち着いていたが、昨日の記憶をクリアな頭でリピート再生してしまうと、どんな顔で星野に向き合えば良いかわからない。
「変態は黙ってろっ!」
「だから、彼氏の事を変態なんて呼ばないでよ。宗介って呼んでよ〜。昨日みたいに。」
あぁ、、もう、何処から突っ込んで良いのか分からない。
「ば、、馬鹿野郎!お前なんか、彼氏でも何でもない!」
「、、、ふー、じゃぁいいよ。俺はテレビ観ながら先に朝食食べてる。」
ため息をつきながら、星野がやっと離れて行った。
(あー!俺はなんてことをっ!)
頭を抱えていると首に違和感を感じ、首に付けっぱなしだったチョーカーを思い出す。いつまでもこんなものを着けていたくないと、慌てて外す。しかし次の瞬間、手の中にあるチョーカーみて思わず身震いした。チョーカーの項に当たる部分には、凄い数の咬み後があった。
(俺はこれからどうなるんだ。。)
「、、、?」
リビングから話し声?いや、星野がテレビを観ると言っていたが、その音?が聞こえてきた。しかし、この音って、、なんか、、
恐る恐る、トイレのドアに耳を当てる。
『…ふ、あっ、気持ちぃ、ほしの、もっと、もっと、、、』
『んーん。そうすけ、でしょ?』
『ぁぁ、、ごめんない。。やめないで、、、そーすけ、、、そーすけぇ!』
『ふっ、、それで、もっと、どうして欲しいの?』
『あっ、、もっと、、して、、』
『だーめ。裕太は、なにで、どこを、どうして欲しいの?ほら、ちゃんと言って。』
『うぅっ、、っ、、そーすけの大きいので、俺の「おぉいっっ!」
俺ほたまらずトイレを飛び出す。
「あぁ、やっと出てきた。」
星野は、優雅に長い足を組み、コーヒーをすすりながらテレビを観ていた。俺をみて、爽やかな微笑みを浮かべる。そして、奴が観ているテレビには、昨日の俺と星野の情事が映し出されていた。
「何みてんだ!変態!ってか、撮ってたのか⁈お前、本当に最悪だ!」
笑顔のまま、視線をテレビに戻した星野が喋りだす。
「、、、裕太ー。俺は飼い犬が人を噛んだら、飼い主の責任だと思う。ちゃんと躾がなってなかったんだなって。裕太も、躾が必要かな?」
そう言い放つと、こちらを一瞥し、笑った。俺は何もいえず、唖然と立ち尽くしていた。
(、、飼い主って、、、え、怒ってる、、?)
「うーん、そだな。その前に、この動画、誰に送る?吉崎あたりからいく?あ、そっかー、裕太は生田さんがお気に入りだったよね??」
そう言って、星野はスマホを取り出し、何やら操作し始める。
「ちょっちょっちょっ、、、!星野っ!」
俺は慌てて星野につかみかかったが、逆に手を取られ、そのまま引かれ、星野の上に倒れ込む。
「宗介、でしょ?」
俺を抱き止め、にっこりと微笑む星野に、恐怖で心臓がバクバク騒ぎ冷や汗が垂れる。
「、、宗介、、、」
「うん。じゃあ、仲直りに『宗介、ごめんなさい』って、裕太からキスして。」
「なっ、、、」
トントン、、
何言ってんだ、そう言い返そうとしたら、星野が指でスマホを弾くので、ぎくりとしてしまう。
星野と俺は対等だと思っていたが、それはもう違うんだと感じた。
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「裕太は年始は何処かに行くの?」
「え?なに?!お前、外に出ても着いて来るの?!!あっ、いえ、、、ほ、、宗介は、実家に行ったりあるでしょ?俺も今日は、実家に顔出したいしさっ!」
不意打ちな星野の問いかけに露骨に嫌な顔をすると、星野がピクリと真顔になるので、慌てて取り繕う。
そうか、思えば今日は1/1。俺は何という年越しをしてしまったんだ。。
「俺は明日は実家に帰らないとだけど、今日は空いてるんだ。」
星野がにっこりと言う。俺は、また墓穴を掘ったのだろうか。。
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