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第48話

星野はじっと、真顔で上から俺を覗き込んでくる。 「……ごめん、あの時は気が動転してて、あれ、嘘。」 俺はあっさりと、まずは嘘を認める。俺の周期は4ヶ月周期だ。てか、俺アホ過ぎるだろ。普通は長めに嘘つくだろ…。でも、3ヶ月が平均とされるヒートの周期、4ヶ月でも長いのに、それ以上となると、少し嘘くさくもある。 「本当は何周期なの?」 「……5ヶ月」 「5ヶ月?間隔空きすぎじゃない?本当なの?」 星野は少し怪訝な顔をした。ですよねー。俺も嘘かと思う。けど、もう言った手前だし、ヒートの期間聞くって…番契約はいつしようかって話になるんだろ。下手に嘘つくと、後で自分の首を絞める。 「宗介はなんでそんなヒートの事気になるの?」 わかりきった事だけど、話を少しずづつでもずらしたい。 「だって番契約のこともあるし。」 やっぱりな…。 「回数制も、裕太がヒート中は回数も無制限にした方がいいでしょ?俺も仕事調整して、なるべく一緒に長くいれるようにするね。2ヶ月半なら、もうすぐだったからさ。」 「え、回数制は変えなくていい。」 てか、俺はヒート期間、本当に抑制剤飲ませてもらえないのか?そうすると、1週間仕事に行けなくなる。インフルエンザレベルの病気かよ…。いやいや、それより、星野はその間やりまくる気なの?本当にご懐妊コースじゃん。 「なんで?やらないと裕太が辛いでしょ?」 星野が口の端を上げて笑いながら言う。嫌らしい笑みだ。俺の事考えるなら、抑制剤飲ませろよ。 「別に…。抑制剤あるし、俺はセックスよりそっちが良い。」 これは本当。ヒート期間に関わらず、俺はセックスが嫌いだ。最中は自分が違う生き物みたいになり、醜態をさらしている自覚がある。だからきっと相手が女の子でも、俺はやりだがならないだろう。 「ははっ、それ、凄い嘘。いつもすっごい気持ち良さげじゃん。」 俺が過剰に気にしてるせいか星野の笑いが嘲笑に聞こえ、星野を睨む。 「気持ちよくない。だからあんまりしたくないし。」 「へー。」 星野は着ていたトレーナーを脱ぎながら、軽い相槌をうった。聞き流されるみたいな反応だなっ! 俺も少しムキになっていた。 「本当は宗介ともするの好きじゃないんだぞ!」 「……ふーん。」 星野があからさまにムッとした顔をした。 「じゃ、試す?」 「は?なに?……あ、ちょっ!?」 星野は答えず、無言で俺の体をうつ伏せの状態へひっくり返す。そして、俺の手をベッドのベッドボードへ持っていく。バックなのか?膝立ち中途半端な体制で、手だけベッドボードについている格好にされる。 「はい。裕太の手はここ。ここから動かさないで。簡単でしょ?まっ、直ぐに気持ちよく喘いじゃって、簡単に手を離しちゃうと思うけど。」 星野は、今度は俺の思い込みじゃなく、明らかな嘲笑をこぼした。 「…わかっ…!!ひゃっっ!」 そういうと、星野が急に俺の服をまくり上げ、背中に舌を這わす。思わず俺はよろけた。 「ははっ、ほら。気持ちいいんでしょ。」 はぁ? 「いや、びっくりするだろ。急にそんな事されたら。」 「じゃ、今度は手、気をつけてね。」 そして星野は俺の上着とインナーを脱がせ、下も脱がせてくる。 「ふぁっっ!」 ぐちゃり… 「気持ちよくないとか言う割に、ここは直ぐに入れてって強請ってるみたいに見えるね〜。」 星野はそう呑気に漏らしながら、俺の後ろの穴を葬る。しかも、そこまで入れなくても良いだろうに、執拗に前立腺を刺激してくる。 「……っ、はぁっ、やっ、あぅっっ!」 「裕太、凄く腰動いてますよ〜。卑猥〜。淫乱なんだから〜。」 「うぅっ、はぁっっ!!…くっ。ちょっ、いやっ、しつこいっっぅ!やめっっ……!」 「《俺は淫乱です。宗介とのえっち大好きです。》って言ってよ。言ったら、普通に気持ちよくしてあげるよ〜。」 星野はほぼ俺に抱きつき、耳の直ぐ後ろで囁く。 結局するんじゃないかっ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌!! 「はっ、…うぅぅ!そんなっ、馬鹿かっ!!いうかよっっ!」 「はははっ、本当に素直じゃないんだから…。いじめがいがあるなぁ〜。」 いつの間にか星野の声は上機嫌になっていた。 楽しそうにカラカラと笑い、じゃぁ入れるね。と軽い調子で挿入してきた。 「ひっ、ふぁっっっ〜〜〜!」 「はー、やっぱり生はいいよね〜。」 良くねーよ!こっちが毎回どれだけ、妊娠したらどうしようと不安でドキドキしている事か…。 そう考えると、少し快楽をやり過ごし冷静になってきた。しかし次の瞬間。星野が動き出すと、その冷静さも直ぐに揺らいで崩れていく。 「うっあぁっ、んっっくっっふっ…!!」 くそっ、購きれない。気持ちいい!もう全部流されてしまいたくもなる。いつもよりも気持ち手荒にガクガクと揺さぶられ耐えるが、小さく痙攣し、軽く達してしまった。星野にバレたくない。 「ふっ、裕太もうイッてるし。でも、裕太は俺とのえっち、気持ちよくも好きでもないらしいからね。どんなにイッても止めてあげないからね〜。良いっていったら、ゆっくりするのに。ね?」 あっさりバレてるし。星野はつらつらと恨み節を吐きながら、攻めの手は緩めず続けた。揺さぶられ、俺は悔しくて唇を噛んだ。くそっ、なんで、こんなのが気持ちいいんだ。どんどんと体に広がる悦楽で体が自然と丸まる。 「ふ〜、気持ちい〜。」 星野が熱っぽくそう呟き、俺にまた抱きついてくる。 「ちょっ、あっっ、重い!このへんたっふぁぁぁあっっっ!!」 今度はのし掛かる勢いの星野で、俺は星野の重さよろけながら悪態をつく。しかし星野はそれを意に介さず律動を再開する。それに合わせ、俺のない胸を揉み込まれ、俺は更に体を丸めた。 「ふぁっっ!あっあぁ〜〜〜っ!」 「裕太〜、あはっ、声上がってますよ〜?凄い力入ってるし、また出さずにイっちゃった?雌イキ的な?本当に?こんなになっても、まだ好きじゃないっていうの?」 俺の顔を覗き込み、俺の胸を引っ張って、こねて、繰り出した先を弄られて。逃げられないけれど、逃げるみたいに腰が揺れた。 「んっ、やっっ……あっ、ふっっ!っ、やだっっ!さわんなっっ!」 「ふっふっふっ。そーなの〜。あ」 「あっ」 ズルリと、俺の左手がずり落ちベッドにつく。 「ほら、やっぱり〜。そんなに気持ちよかった?最近乳首好きだよね?1番気持ちいい?」 「ないっっ!!すっき、じゃ…っ、ないっっ!」 俺は自分の悦楽を悟られたくなくて、必死で頭を振った。 「ふ〜ん、そっ。」 「っっ〜〜〜っ!やめっろっっ!」 そのまま星野はしばらく俺の胸を葬り、俺の反応を楽しんでいた。 「はっ、あー、ほんとっ、楽しっ!」

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